- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062078344
作品紹介・あらすじ
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という冒頭の一節から、潅頂巻の「一期遂にをはらせ給ひぬ」まで、『平家物語』を読みほぐしながら、聞こえてくるものに聴き入り、見えてくるものに目をとめ、私たち自身のゆれて定まらぬもの、常ならざるものに向きあった力作エッセイ。
感想・レビュー・書評
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講談社
杉本秀太郎 平家物語
月刊誌に7年間連載された平家物語の深読みエッセイ。全体を網羅しつつ、背景や意図を理解するヒントを与えてくれる良書
歴史もの、軍記ものというより、清盛が出家して 平家の悪行が始まり、生きながらえた建礼門院の臨終で終わる展開は、勧善懲悪と仏教的救済をテーマをしているように感じた
平家物語は、対句や人物の対立構造を理解するようになると、面白さが増す。清盛以外にも 祇王、那須与一、源頼政らは魅力的で 単体のスピンオフな物語としても面白い
覚明が平家物語の作者というのは本当か?
「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす」の解釈は面白い
*音→諸行無常→色→盛者必衰の順序は 対句の形式に基づくもの
*すべての色はやがで無常の白変を蒙り、追憶の中に再生する限りにおいて、元のいのちの色を回復する
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2022.1.23市立図書館
講談社PR誌「本」連載(1989.1-1995.12)、1996年大佛次郎賞。
安野光雅による表紙装画(→「繪本平家物語」)と伴走して掲載されたエッセイ。
この本にもそのときの絵の一部が章扉につかわれ、装丁も安野さん。