ウロボロスの基礎論

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  • 講談社
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本棚登録 : 45
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062078696

感想・レビュー・書評

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  • ウロボロス二作目。再読。うんこのところしか記憶にない。京大ミステリ研勢を中心とする作家の所蔵書籍にまつわるうんこ事件と、黒死館ばりの読みにくい名前の登場人物がいっぱいの連続殺人を、謎の天使と謎の女が繋ぐ相変わらずも難解なメタミステリ。虚無への供物の中井英夫が出てきたり、登場人物も増えてスケールが大きいがいかんせん長い。ペダンティックな部分は多少読み飛ばすしかない。

  • 再読。メインを張る事件の一つがう○こという時点で脱力物なんだけれどもう一つの事件は普通にミステリしてるので、その落差というか温度差が色んな意味で凄い。かと思えば超ひも理論の話が出たりミステリ評論の話が出たりで意識をどこに持っていけばいいのかわからなかったけど、そのしっちゃかめっちゃかっぷりがこのシリーズの持ち味だよなぁ。

  • うんこまみれだ!
    姐さんたち、最後の最後に現れた。

  • 著者竹本健治自身は無論、竹本の周囲の作家たち(綾辻行人、島田荘司笠井潔など多数)が、実名で登場。
    現実と虚構が交錯する、奇想ミステリー。
    「ウロボロス」3部作の2作目。

    第1作『ウロボロスの偽書』
    http://booklog.jp/users/aleksey/archives/1/4061817027
    第3作『ウロボロスの純正音律』
    ()

  • ウロボロス(ouroboros, uroboros)は、古代の象徴の1つで、己の尾を噛んで環となったヘビもしくは竜を図案化したもの。
    竹本はこの小説でウロボロスシリーズの確立を願い実現した。
    月輪の如く丸い円はイデオロギーを越え、ナイフのように鋭く鈍く光り、ミステリ界への叛逆とオマージュ、そして、零落した。
    世界はインタラクション的に連鎖し収斂する。それが虚構と現実であろうとも。この擬似リアリティはギロチンに近いもので、真リアリティをブチッと切断する。早く止血しないと夢も虚飾も歪曲もテンペストも贋物も有象無象の概念が溢れ出てしまう。それは箱庭療法のように無意識の漏洩としてであり、ユング派における集合的無意識とアーキタイプの暴発である。
    宇宙論の果てにエリクサーの生成は夢見ないのか。虚構とは宇宙の創作なのか。ウロボロスの竹本とこの世界の竹本は同一人物であるのか。パラレルワールドと我々の住む世界の接着は可能なのか不可能なのか。それとももうなされているのか。牧場少年の登場によって竹本は自らの創作人物と出会う。まるでドリームのようにシンクロニシシティのように竹本文学のジンテーゼのように、彼らはただただ運命に従って出会うのみ。出会って会話してそして別れる。一期一会として処理しきれない感情はどこに埋没すればいいのか。
    ミステリ界の同盟人物の登場は前作「ウロボロスの偽書」に踏襲されているシステムであるが、今作では虚構とはあまりリンクしないように思われた。しかし、活字世界に彼らの過去の真実が投影され、大学時代の出来事・事件のノンフィクションが多量に流出している。それは事実であるらしいが、その発生と「基礎論」においての一種のキメラ的接続点には何かの複写であり、この出来事を描写することで竹本は「基礎論」の深淵を読者に見せる。
    瀟洒なこのストーリィはページ最初の「登場人物=モデルからひとこと」「あとがき」からもそのシュプレヒコールが読み取れる。そして、その祝福と蜃気楼は竹本への可及的裂帛であるだろう。
    最後に、この作品は宇山氏への尊敬の念を込めることで多少の熱暴走を遮り、ドラマツルギーを高め、そして煙草の吸い殻のように儚く終焉に向かって消えていくのである。

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著者プロフィール

竹本健治:
一九五四年兵庫県生れ。佐賀県在住。中井英夫の推薦を受け、大学在学中に『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌「幻影城」上で連載。デビュー作となった同書は三大奇書になぞらえ「第四の奇書」と呼ばれた。
ミステリ・SF・ホラーと作風は幅広く、代表作には『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の「ゲーム三部作」をはじめとする天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたシリーズや、自身を含む実在の作家たちが登場するメタ小説「ウロボロス」シリーズなどがある。近著に大作『闇に用いる力学』。

「2022年 『竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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