- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062079198
作品紹介・あらすじ
「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。四年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。三十四歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。
感想・レビュー・書評
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桐野夏生さん初読み。
かなりボリュームのある小説だけど惹き込まれて中弛みすることも無くあっという間に読んだ。終始重苦しい雰囲気。行方不明の娘が生きていると信じて探し続ける主人公と山梨のキャンプ場の事件の母親が重なった。
罪と罰。生と死の対比。どう解釈すれば良いのか。これで終わるんかーい!とも思うけどそこがまたこの小説の仄暗さ、終わりの無い闇という世界観とマッチしている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらすじ
「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。四年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。三十四歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。 -
自分が意識しなくても性的な官能をかもし出している女性‥それが主人公のカスミなんだと思います。要所要所で男性に救われ、孤独に陥っては男性の肌を求め乳房を与えていく。文中の言葉を借りれば「肝が座った異様な生気」を感じます。
自分の娘が行方不明(あるいは殺害?)になった原因は確実にカスミのしてきた背徳にある。夫や娘の寝ている階下の部屋で情事を重ねていく行為は共感はできませんが、こういう女性は確かにいて、私も少なからず見聞きしてきた経験はあります。そしてこういう母親をもってしまった子どもが心理的な傷を抱えていくことも‥。
作者の桐野夏生さんは、作家としての力量からして今後残っていく作家だろうなと感じましたし、直木賞にも納得ですが、本作の主人公のカスミには共感はできませんでした。
でも、様々なタイプの女性を知るうえでは読み応えのある作品です。 -
結局犯人は誰だったんだろう?
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図書館本。犯人が知りたくて一気読みでした。
以外な人が犯人でびっくりでした。 -
▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/141173 -
桐野さんの作品は「水の眠り灰の月」と他のミロシリーズ、「OUT」くらいしか読んでいない若輩者ですが、文章すべてが、脳内に染み付いてくるというか、絡みつかれるというか、とにかく凄いんですね(巧く書けなくて情けない…)。一気読み。謎を残す幕引き(幕は降りてませんけど)も脳内にこびりついたまま。傑作。
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内容関係無いが、尊敬している井上雄彦先生が、自分とぴったり同時期にこの本を読んでおられて嬉しかった。新刊というわけでもなかったのに。