範は陸幼にあり―真の人間教育とは

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062079648

感想・レビュー・書評

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  • 著者はジェネリックな教育という観点で、幼年学校は米国の大学の教育と似ていると指摘する。
    本論が幼年学校の長所に偏っていることを認めているが、短所については二先輩との鼎談も使って補っている。
    陸軍について多くの人が持っているであろうイメージの対極の教育をしていたという点で、新鮮な本であった。

  • 良かった。教育する上で意識をしていったらいいと思う。

    ・「行動→思考(ビリーフ)」 あるべき姿の行動を続けることで自分に対する受け取り方(思考)が変わる。IDを育てる。
     「われ将校生徒なり」のアイデンティティを育てる第二の方法は周りの人間が、将校生徒として遇すること。他者からの評価・処遇を取り入れて自分とは何かというイメージ(アイデンティティ)が定まる。(p.30)
    ・社会学の言葉に役割期待ということばがある。人の期待に応えようとして行動しているうちに、性格・行動に変化が出てくるという意味である。「あなたはそれでも男なの?」と言われ続けて育った男児は骨抜き男になる。「やっぱりあなたは男の子ね」と評され続けてそだった男児は頼もしい男になる。
     わが子に敬意を表す親。クラスの生徒に敬意を表す教師。これが大切。(p.32)

    一人ひとりを大事にする教育指導(p.38)
    ?生徒1人ひとりの物理的存在に気づくこと。
    ?1人ひとりの言動に反応を示すこと。
    ?1人ひとりのためになることを物理的にすること。

    ○自己開示の内容は三つ。感情表明、価値観・思考の表明、事実(体験)の表明
    自己開示の教育的意味
    ?生徒監が軍人とか上官には見えず、ひとりの人間に見えることが師弟関係を深める。
    ?生徒監の体験や思考から生徒が人生の指針を学びとれる。

    注目が人を育てる。
    人は誰でも認められたいという欲求がある。この欲求が満たされないと自信喪失、自己卑下、屈辱感、負け惜しみのかたまりになる。したがって生徒の目立ちたい欲求に応える教育行政・教育方法はきわめて大事なことである。青年の心意気を養うという意味があるからである。
    認められたいという欲求を満たしてくれる集団にはメンバーがいつまでもとどまりたくなる。(p.64)

    ○グループ体験(p.83)
    ?遮断療法−物理的に家庭と離れることが心理的離乳の促進になる。
    ?グルーピングの多様化−目標別に様々なグループをつくることで、誰とでも気兼ねなく交流できるようになる。
    ?慣例化された共有体験を豊かにする。→きまりきった行事を仲間と一緒に体験する中でグループ意識、仲間意識が育つ。
    ?学級委員の輪番制−リーダー体験をすることで協力的になる。現実能力を高める

    ○ルールを決める(p.105)
    ?心的エネルギーの節約になる。−することが明確であれば、無駄に気を使う必要がない。
    ?集団への所属感が増す。−グループのメンバーがあるルールに従ってワンパターンの行動をとることによって、仲間意識が生まれる。
    ?アイデンティティ形成に役立つ−将校生徒はドアや壁にもたれてはならない、暑いときでも暑そうな顔はしない、音を立ててお茶や味噌汁をすすらないといった躾は「自分はやがてリーダーシップをとる人間なのだ」というアイデンティティ(自分は何物かという意識)をつくるのに大変有効である。職業倫理に縛られることによって「自分は○○である」という職業上の使命感を確認することになる。
















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