蒼穹の昴(下)

著者 :
  • 講談社
4.15
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本棚登録 : 1275
感想 : 149
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062080392

作品紹介・あらすじ

落日の清朝には領土を分割せんと狙う列強の牙が迫っていた。科挙進士の友とも別れ、西太后の側近となった宦官の春児は、野望渦巻く紫禁城で権力をつかんでいった

感想・レビュー・書評

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  • 胸に迫るクライマックス。
    下巻に入り、怒涛のような展開に、振り回されっぱなしの心!

    清朝末期の動乱に翻弄される登場人物たち。
    立場や思想はばらばらでも同じ願いを持っていた彼ら。
    対外的には列強に国土を蹂躙され、体内的には不正や汚職にまみれて失墜間際の清朝末期。
    断末魔にあえぐ王朝を司る西太后。この人物造形が類型的ではなく、斬新。人の心を持ち、知性を兼ね備えている彼女の姿はちょっとした驚き。

    政にかかわる官僚、宦官、軍人。市井の人々、外国人報道記者、スパイ……
    多くの登場人物の視点から中国の歴史の一部分を切り取っていく重厚な物語。

    涙なくして最後は読めないだろう。しかし、余りにも多い登場人物ゆえ、その全てを描ききれていないのも確かなところだろう。

    • 九月猫さん
      グレープフルーツちょうだいさん、こんばんは。

      フォローいただき、ありがとうございます。
      九月猫と申します。

      『蒼穹の昴』、わた...
      グレープフルーツちょうだいさん、こんばんは。

      フォローいただき、ありがとうございます。
      九月猫と申します。

      『蒼穹の昴』、わたしも最後は号泣でした。
      ぜひともこの感動を残しておかなきゃ、と
      ブクログに登録してすぐにレビューを書いたのですが、
      まったく言葉にすることができず、お茶を濁したような
      不甲斐ないレビューになってしまいました。
      『珍妃の井戸』は読んだのですが、『中原の虹』はまだ積んでます。
      そちらを読み終わる頃には、もう少しまともなレビューが書けるように
      なっているとよいのですが……。

      この作品の西太后はとても魅力的に描かれていましたよね。
      すごくいろんな顔を持っていて、時には可愛らしい少女のようで。

      グレープフルーツちょうだいさんが書いていらっしゃるように、
      『蒼穹の昴』では人物たちの全てを描ききれていないような気がするので、
      『中原の虹』が楽しみです。


      グレープフルーツちょうだいさんの本棚には、
      自分では手に取らない作品や、
      気になりながらまだ読めていない作品がたくさんあるので、
      本棚とレビュー、ぜひ参考にさせてくださいね。

      これからどうぞよろしくお願いいたします。
      2013/05/10
  • 『中国の歴史認識はどう作られたのか』(東洋経済)という
    中国育ちの在米国際政治家学者、ワン・ジョン氏が書いた専門的な本を
    興味があるので、読みたいとは思っているのだが
    ちょっと難しそうで、いまだ手に取らず、積んである


    これまたぐっとくだけて、でも力作、浅田次郎『蒼穹の昴』を読了しての感想
    清国の末期、有名な西太后の執政時代の物語
    書き下ろしの当時(1996年)にもてはやされた本だけあって、さすがおもしろい
    でも、これって、それって中国のひとたちはどう思うんだろうねと考えた

    長い歴史、広い中国、その歴史上人物を物語にする日本の作家は多い
    司馬遼太郎、井上靖、宮城谷昌光など
    日本人がたとえ資料を読み漁り、読みこんだとしても
    想像し、創造するについての当然、違和感あるのだろう

    また
    本国ではそういう時代をどんな風に教えているのか、考えているのか

    やっぱり『中国の歴史認識はどう作られたのか』も読まなくちゃならないなあ

  • 地方の有力者の妾腹の次男、文秀。最貧の家の子、糞拾いの春児。
    都で試験にも合格し出世していく文秀。自ら男性性器を切って宦官になり、苦労して道を切り開いていく春児。
    そして、複雑で怜悧でもあり情もある西太后。
    この三人に様々な個性的な登場人物がからみあい、とても面白かった。
    史実とフィクションが微妙に混じり合っているのだろう。全部本とかもと思わせられるのは著者の力量が凄いのね。
    悪女としか知らなかった西太后が、とても魅力的。日本に亡命した文秀は、モデルとなった実在の人物がいるよう。
    清朝が衰退していく大きな原因になったであろう、科挙という高級官僚への試験制度は、リアルに丁寧に描かれていて興味深い。龍玉というダイヤモンドはどうやら作者の創造物のようだ。
    しっかしマダム・チャンが西太后の孫とはねえ!

  • 中国もので人物の名前に字があり、人物も西太后くらいしかなじみないしすごく読みにくい・・と思っていたけど、キャラがたっているし、何より面白いので楽しく読めました。

    浅田次郎さんは大変文章がうまいとのことで
    以前から読んでみれば?と勧められましたが本当ですね。

    物の見方を変える、頭の体操にもなります。

    自分を成長させる、強くするヒントがこの小説には沢山ちりばめられています。
    「幸せ」についても同じことがいえます。


    「康有為は、改革は自強であると言った。まさにその通りである。自らを悟り、自らを鍛え強めることのほか、改革は有りえない。外国の侵略とか、天変地異とか、そうしたものは自己の改革とはもっぱら関係ない、いわば人間を取り巻く環境の一種であろう。」400p

    特に史了が日本へ脱出する辺りから手紙の部分に凝縮されています。
    史了は、難しい科挙試験に合格して月日をも動かす進士になりましたが、自分という人間とその立場を本当に理解し、悟ったのは全てが終わった後でした。

    自分自身の生れ落ちた境遇に甘んじていないと思っていたようですが、実際は与えられた身分に何の疑問もなく、目の前にいる献身的な侍女もまたそうすることに何の疑問もなく身を投げ出していることから気づいた場面は感動的でした。



    丁度「八重の桜」で会津藩士たちが維新をどう生きたか描かれていたのもあって、読書の助けにもなります。
    また占い師もキーパーソンとして出てきます。見ただけでどんな運命をたどるのかわかるようなそんな占い師がいるなら便利ですが、運命を変えること、運命にさからえないこととはなんだろうと改めて考えさせられました。

    ベネツィアから布教のためにやってきた宣教師とベネツィアに残って名を成した芸術家の手紙のやりとりや、外国の記者たちのエピソード。
    王逸を逃がした少女の話など、いろんな話が交じり合うのですが、それがまたしっかりまとまっていて読み応えがあります。

  • どこまでが 史実 だとか そうでないとか
    そんなもの どうでもいいや
    と おもわせてもらえるほど 愉しませてもらいました

    一気に読んでしまうのはもったいない
    途中で 今日はここまでにしておこう
    と 次の愉しみのために栞の紐をはさんでいたのですが
    やはり 気になって
    いつのまにか また 手にしている

    噂には聞いていたのですが
    それ以上の満足感、読後感を持つことができます

  • やっぱり、
    運は自分次第
    と勇気付けられました。

    • maria888さん
      強く生きていく勇気をもらいました。
      強く生きていく勇気をもらいました。
      2009/12/30
  • 75/100
    よく出来てる。ガチで。
    伏線の回収の仕方も上手だし、上巻と下巻で話の繋がり方被り方が現代と昔で重なり合うのが面白い。

    だけど、途中で読んでて飽きてしまった…
    1冊読むのに3週間くらいかかっちゃった

    両親が私くらいの時に熱中して読んでたという激推し本だっただけに圧があったのかもしれない

  • そこに繋がるのか!と。

  • 清の歴史、日本がどのような立ち位置だったのか、西太后とその次代の帝との関係や史実の背景などおもしろく読めた。清、中国の歴史について勉強したいと感じた。

  • なかなか進まない本だったが最後は一気に読んだ。
    実在する人物がたくさんいて清朝末期の歴史がよく分かった。

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著者プロフィール

1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞を受賞。以降、一九九七年『鉄道員』で直木賞、二〇〇〇年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、二〇〇六年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、二〇〇八年『中原の虹』で吉川英治文学賞、二〇一〇年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、二〇一六年『帰郷』で大佛次郎賞を、それぞれ受賞。二〇一五年紫綬褒章受章、二〇一九年菊池寛賞受賞。他の著書に『蒼穹の昴』『天国までの百マイル』『大名倒産』『流人道中記』『おもかげ』など多数。

「2021年 『日輪の遺産 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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