夢幻の宴

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062080422

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  • このエッセイを集めて本になさったのが1996年。それまでの10年間に書き溜めたものという。その10年間は体調が思わしくなく、大作も書けず、よく生きていたと思われると「あとがき」にある。

    その後約10年経ち、とうとう去年(2005年)亡くなってしまった。いまから考えるともうこのころから死を覚悟された様な文章になっていたのだと。

    「夢幻の宴」とは人間の世界を騒々しい宴だとして、この愚行と乱交でいっぱいの無礼講の宴が当分続くだろうけれど、自分が見聞きした夢幻に過ぎないので、自分が消滅するとともにそれもまた無に帰するのではないかと言っている。

    「やがて私がいなくなる時、みなさんもこの世も消えてなくなります」悪しからず。

    なんともおかしみのある人をくった妄想で、倉橋由美子風発想に満ちていた。

    小品「移転」「漂流記」も付され、「漂流記」は桂子さんシリーズであった。

    エッセイ「『嵐が丘にかえる』あとがき」はアンナ・レストレンジというひとが『嵐が丘』の続編を書き、それを翻訳したもののあとがき。自身は訳者ではないが。「嵐が丘」への旅紀行文もそえてある。

    続編『嵐が丘にかえる』の本文にも興味惹かれる。
    澁澤龍彦、内田百けんについても一家言あるのはやはり、である。


  • 夢幻の宴
    好き嫌い
    転居のお知らせ
    自然の中のシュンポシオン
    酒と茶
    夜 その過去と現在
    犬のエディのこと
    虫の声
    野分

    知的魔力の泉
    近況
    「花の下」を観る楽しみ
    妖しい世界からのいざない
    案外役に立つもの
    列子
    漢字の世界
    正月の漢詩
    春の漢詩
    感想
    小説風作文の現代
    良質の収穫
    『ラヴレター』に寄せて
    成熟の苦味とユーモア
    ジェイン・オースティンの『説得』
    『嵐が丘にかえる』あとがき

    北杜夫『父っちゃんは大変人』解説
    「よい病院」を求めて
    虚のヒーロー
    先生・評論家・小説家・中村光夫先生
    童子の玩具箱
    澁澤龍彦の世界
    百間雑感
    地獄の一形式としての俳句

    飛島・酒田
    津和野・萩
    『嵐が丘』への旅

    移転
    漂流記
     あとがき


    ■講談社 1996.2.20
     装幀 大泉拓 装画 Jan Montyn 銅版画「Mekong」
     オビコピー「独自の感性と文体 待望のエッセイ集」「エッセイ36篇+小説2篇 1986〜95年の倉橋文学の宴」


    *「澁澤龍彦の世界」収録
    「犬狼都市」所収「解説」 福武文庫 1986.7

    *「地獄の一形式としての俳句」収録
    「斎藤慎爾全句集」 斎藤 慎爾著 河出書房新社 2000.3 p321-323
    「雷帝 創刊終刊号」斎藤信爾 深夜叢書社 1993.12

    *「飛島・酒田」
    「雷帝 創刊終刊号」斎藤信爾 深夜叢書社 1993.12 →「飛島・酒田紀行」として収録?

    *「案外役に立つもの」
    「ファックス深夜便 エッセイ'91」日本文芸家協会  楡出版 1991.5

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著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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