ゆるやかな絆

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本棚登録 : 25
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062081429

作品紹介・あらすじ

わが子、光へ。「いつかふたりが会ったらぼくだとわかるかなきみだと」ノーベル賞作家が心をこめて贈る魂の花束。『恢復する家族』続編。

感想・レビュー・書評

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  • (2015.04.15読了)(2007.05.06購入)
    【ノーベル文学賞受賞】
    「恢復する家族」の続編ということですが、雑誌の連載ではなく、「黄昏の読書」以外は書き下ろし、とのことです。
    大江光さんのことがメインですが、恩師の渡辺一夫さんのことや映画『静かな生活』のこと、ノーベル文学賞受賞関連のこと、フランスの核実験のこと、等が綴られています。
    題名の「ゆるやかな絆」は、「親はいずれ先に亡くなるので残された子どもがその後も生きていくためには、親は子離れをしていかないといけない」ということを、言っています。
    子どもが心配だからと、きつい絆で縛りつけておきたいでしょうけど、何かあったときには対処するという、緩やかな絆にしておかないという自戒です。
    大江光さんは、時々てんかんの発作が起きるということなので、その時は、対応が結構大変なようで、いくつかの事例が述べられています。光さんは、体重がありそうなので。

    【目次】
    ゆるやかな絆
    マエストロの涙
    ベーコン
    熊が出て来るまで
    今日で終りということ/不思議な気がするね
    後期のスタイル
    「道徳」という言葉
    ニルスと『源氏物語』
    そんなことをして、何になる!
    国際エミー賞
    黄昏の読書 その1
    黄昏の読書 その2
    黄昏の読書 その3
    黄昏の読書 その4
    『静かな生活』をめぐる二通の手紙
    私が、もう、闘いましたからね!
    Upstanding
    ディーセントな食事
    「感情」、「感情的」というのでなく
    発願、発心
    あとがき  大江ゆかり

    ●不思議(48頁)
    僕は子供の頃から、いつでも、楽しい日がすぐに過ぎ去ってしまうので、その終わってしまうということが、不思議だと思う、のんびりした、かつ、あわてものの性格でした。
    ●正しいこと(80頁)
    世の中に行われることで正しいこと、というものはない、と子供の私には謎のように思われることを答えたのです。そして、今君が言ったことを、外に行って口に出してはならない、ともさとしたのでした。
    ●複数の翻訳(133頁)
    ドイツ語の小説の英訳を読んで、細かな部分の意味がはっきりつかめないとき、同じ個所の仏訳を読んでみると、くっきりその意味が明らかになる、ということはしばしばあるから。
    ●小説の秘密(144頁)
    小説の秘密は―私のこれまでのかなり永い経験からいうことですが―それがどのように語られるか、ということに尽きるように思われます。
    ●なんでもない人(147頁)
    私の感じ方でいえばね、自分はなんでもない人として生まれてきてそのように生きているし、あといくらかそのように生きて、やがてなんでもない人として死んでゆくということなのよ。

    ☆関連図書(既読)
    「個人的な体験」大江健三郎著、新潮文庫、1981.02.25
    「新しい人よ眼ざめよ」大江健三郎著、講談社文庫、1986.06.15
    「静かな生活」大江健三郎著、講談社、1990.10.25
    「あいまいな日本の私」大江健三郎著、岩波新書、1995.01.31
    「恢復する家族」大江健三郎著・大江ゆかり画、講談社、1995.02.18
    ☆関連CD
    「大江光の音楽」日本コロムビア、1992/10/21
    「大江光ふたたび」日本コロムビア、1994/9/10
    「静かな生活 オリジナル・サウンドトラック」日本コロムビア、1995/10/21
    (2015年4月15日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    わが子、光へ。「いつかふたりが会ったらぼくだとわかるかなきみだと」ノーベル賞作家が心をこめて贈る魂の花束。『恢復する家族』続編。

  • この中の「~昏の読書1~3」は「世界、1996-1」に残りは1995に書下し

  • 子供たちが成長するにつれて家族の関係性は変わってゆく。
    お互いの間を結んでいる絆は、ゆったりしたロープのようにはいつも下向きに垂れているのに、必要な時にはどちらかがそれをわずかに引っぱって、相手に自分の方へやってきてもらう、あるいはロープを手さぐりしつつ、先方に近づいて行く。

    障害を持っていたり、問題を抱えたりしている子供はどう自立し、家族はその関係をどう結んでゆけばいいのか。
    読んでいる間、ずっとそれを考えていました。

    大江ゆかりさんが描かれた表紙の、遠い日のご自分とお母様、やさしく印象的でした。

  • 自分以外の人を100%理解することはできない。
    けれど寄り添うことはできる。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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