勝者のシステム―勝ち負けの前に何をなすべきか

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062082310

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  • 「ラクビーとはなにか」ということについて、きわめてシンプルにしてある。
    でこぼこの選手たちが、有機的に結合して、
    チームとしてのひとつの力が発揮されるスポーツ。
    自分のテンションを高めていけないようでは、
    スポーツに限らず、なにかを成しえることはできない。

    私は、ラクビーは「関係」を発見するスポーツであると考えている。
    相手チームとの関係、選手相互の関係である。
    「思う存分、好きなラクビーをやる。」
    結果や表面にあらわれたものより、
    そのプロセスや見えない部分を評価しようとするあまり、
    ともすれば本質を見誤ることもある。

    厳しい評価、練習と実力は別のもの。
    練習とは、「自分ができないプレイをできるようにすること。」
    ひとつのプレイを「より確実にするため」
    ラクビーでは、ボールを放ること。

    「何時」「どこへ」「どのように」

    もっと局面を考えた幅広い戦い方を取り入れるべきだ。
    スポーツとは。プレイするものだ。
    プレイとは、すなわち遊びである。
    遊びである以上エンジョイしなければならない。
    エンジョイすることに犠牲的精神はいらない。
    ひとりよがりの意識を改革する。

    「ボールをつないでトライをとるラクビー」

    パスをだしたらすぐにフォローにまわる。
    倒れないでプレイする。
    プレイが止まっても頭のスイッチは切るな。

    技術を習得するまでは、「きつい」と思ったことでも、
    「何でこんなことができなかったのだろう。」と思えるようになるものだ。

    体育会的な考え方が、想像力を奪う。
     →「判断力」、「自由な発想」

    かつては、一つのことをやれと言われたら、
    それができればよかった。
    言われたことに疑問を持たずに、何があっても遂行していく、
    上からの命令に対して徹底にやる。
    これは、先輩の言うことは何でもやります。
    何を犠牲にしてもやりますという発想です。

    日本が、日本の中だけで生きていくなら、それでもよかっただろう。
    しかし、スポーツも企業も、
    世界の中の日本という視点を持たなければ、
    通用しなくなってくる。
    個人のイマジネーション、個性、独創性、そういったものを育てるような、
    新しい体質を作り上げるためには、力による上下関係ではなく、
    人間的な信頼関係で結ばれた上下関係というものが必要になってくるだろう。

    人を活かすプレイがうまくなければならない。
    まず、彼自身がまわりの人間を動かすことに興味を持ってくれなければ駄目だった。人を活かすということに喜びを感じ、積極的に取り組む気持ちになってくれる。
    そしてなによりも、
    そうしたプレイがおもしろいことだと知ってくれなければ駄目だ。

    人間の潜在的能力をどう発揮するのか
    自分なりに積み上げてきたもののを、
    すべて捨ててやり直すのはたしかに難しいことだが、
    「それが身につくまで、とにかく続けてみよう。」
    と意欲的になれないのは、やはり、
    「問題意識」が低いと言わざるを得ないだろう。
    自分の能力を高めるのに、時間は無駄にしない。

    言葉にインパクトがなくてはならない。
    言葉で人を動かす。

    「あの人が言うことなら。」
    「あの人は別の世界の人だから。」

    スペースというのは、可能性である。
    その可能性を開くのは個人のイマジネーションだ。
    インからアウトへ、アウトからインへ、
    自分をコントロールすることは、
    ゲームコントロールを行う上で重要なことだと考えている。

    勝つ可能性が1パーセントでも2パーセントでも高まるのなら、
    そのためのあらゆる手段をとるべきだし、
    ゲームの1分前、2分前でもそれが高まるなら、
    最後の最後まで手を尽くすべきだと考えている。

    あらゆるケースを想定して、ゲームに望む。時間を殺して勝つ。
    戦略的なゲームコンセプト。
    戦略を考え、コンセプトを考え、ゲームを組み立てる。
    いろいろな情報、経験、知識、人間の心理、
    そういったものを圧縮して戦略を立てる。「最後の一絞り。」

  • 神戸製鋼が8連覇を逃した後に,「勝者のシステム」というこの本が書かれているのが興味深い。負けたからこそ,それまでの神戸のラグビーを深く分析できたのだろう。彼のことばはそのまま教育にも生きる。ただただ「がんばれ」とか「きみはすばらしい」とかいう誉め方・励まし方をするのではなく,相手に次のイメージを持たせつつ誉めたり,指示していく。「釣り針」のようにひっかかるよう叱られたら,めちゃめちゃ傷つくと思うけど,失敗を繰り返さないためにはそれも必要なのだ。

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著者プロフィール

元ラグビー日本代表監督、元神戸製鋼ラグビー部GM


「2017年 『生きつづける言葉 情と知で動かす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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