少年H (下)

  • 講談社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (358ページ) / ISBN・EAN: 9784062084963

みんなの感想まとめ

多感な少年期に戦争を経験した主人公の成長と葛藤が描かれた作品は、戦争の現実とその影響をリアルに伝えています。下巻では特に戦争色が濃くなり、主人公Hやその友人たちの行動力が際立ちます。彼らの反応や感情は...

感想・レビュー・書評

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  •  27年ぶりに「少年H」上下巻読みました。前に読んだときは全然内容がわからなかったんですけど、今回読み返してあらすじが自分なりに分かってきました。
     主人公は小学校高学年の年齢の「妹尾肇」でこの物語の中では「H」と書いてあります。理由は名前「Hajime」の最初の文字のHや、主人公が着ていたセーターに大きくHの文字が刺繍してあったことからきたんだと思います。時代は戦時中〜戦後で、舞台は神戸市です。主人公の実家は「妹尾洋服店」です。
     この少年H目線から見た第2次世界大戦を上手く書いてありました。「大人や新聞は嘘ばっかりで信用できない」ということが特に上巻で書かれていました。下巻では「日独伊三国同盟」をしたのにイタリアとドイツが無条件降伏したこと、ポツダム宣言を受け入れて日本も無条件降伏したことを一般庶民にすぐ知らせなかったのは何故だろう、というようなことが書かれていました。下巻で印象に残ったのは、日本軍が庶民に知らせる際、「敗戦」という表現を使わず「終戦」という表現にしたことです。
     少年Hは玉音放送を学校の校庭で聞いたそうですが、その玉音放送で何を言っているのかいまいち少年Hはわからなかったそうですが、周りの大人たちはわかっていたみたいです。敢えて子供達には教えなかったみたいです。
     どうせ「子供」だから、「庶民」だから正しい情報はすぐに知らせなくてもいいんだ、偽情報を知らせておけばいいんだ、という日本軍の甘ったれた考えがこの戦争の悲惨さを産んだと思います。
     また、この小説は作者自身の体験をもとに書いたものだと思いました。
     読み直して良かった小説でした。面白かった小説でした。また、「子供は大人に舐められる存在だから注意してね」という教訓を学んだような気がします。

  • 再読。
    一気に戦争色が濃くなった下巻。
    本作に関して色々事実と違う事や、批判があったらしい。
    そうなのかもしれない。
    でも、当時の現実の少年の感じ方は、現実は本当にそんなものだったのかも知れないなぁ…と思ったりもした。
    小説だしなぁ…とか。

    わたしには事実と違う事象よりも、Hとその友達の行動力の凄さの方が信じられなかったりしている。
    現代なら相当怒られるレベルで、私がHの保護者なら病んでそうだ 笑

  • クリスマス前のバタバタでなかなか読書の時間が取れなかった、、、。「少年H」、やっと下巻を読み終えました。

    多感な少年期に終戦を迎えた子供たちの中には世の中の変化に順応してたくましく生きられる子もいれば、変化に戸惑い「この戦争は一体何だったんだ」と怒りを覚えるHのような子も多かったと思う。

    私の両親は終戦時にはHよりも小さい少年少女だった。その頃のことを今度じっくり聞いてみたい。そんな風に思わせる本でした。

  • 自分では買わないかも。
    でも知人からもらい、読んでみました。
    気付いたら完読。
    戦争を歴史でしか知らない私には、とても興味深く、勉強になりました。
    当たり前のことだけど、過去の人たちも自分と同じように感じたり、
    戸惑ったりすることもあるのだなと思いました。

  • 実際の戦争やそれが終わってからの人々の苦しみというのが身に染みた。Hも最後自殺に追いやられるほどの苦しみを感じていたのは本当に戦争が辛かったからだと思う。昨日原爆が落とされてから76年経ったが今でも忘れてはいけないと思う

  • サザエさんに登場するカツオみたいに地頭のいい主人公。小気味いい。

  • この下巻では、入隊後から終戦後の話です。

  • '99.10図書館で借りて読了。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】913.6||S
    【資料ID】19609656

  • 終戦後の混乱について、庶民目線でわかりやすかった。
    大昔、戦時中の話を聞いたときに、そのころの家は隣が丸見えやったというのを聞いて、当時はさっぱり理解できなかったが、そういうことだったんだなと思い出した。
    Hがキレるのもわかる。

  • 2014/05/12

  • 【517】

    おもしろかった。
    戦時下でみんなが何を考えて生きていたかがよくわかる作品。

    軍国主義から民主主義に思想を転換していく人々が印象的。
    そしてそれに反発心を抱く主人公の姿も良かった。

    飛行機で映画を見ていたが、小説の方がおもしろい。

  • 下巻はいよいよ第二次世界大戦も激しくなって、物資不足に学徒勤労、空襲による被災と苦難は続きます。
    戦争に対する考え方があの時代には似つかわしくなく、国の方針に従うのも辛い時代だったろうとわかります。
    戦中小説はいくつか読んでいるけれど、子どもの視点でかなりいいも悪いも率直な物語でした。

  • 少年Hが、戦争から戦後までの間に感じたり思ったりしたことが、その時代をわかりやすく表現している。
    ただ単に戦争の悲しさだけでなく、戦後の人々の感情や生活の変化にも目を向け、そんな状況の変化に戸惑う少年Hは、本当に純粋で自分に正直に生きている。
    戦争から立ち直り、少年Hも自分の好きな道を歩んでいく、前向きさに力をもらえた。

    2013.10.28

  • おもしろす

  • 筆者の幼年期から青年となるまでの日記の様な小説。中学生から高校生になる筆者の目線で戦時中の状況が記載されている。
    空襲を受け避難する際に血液型を名札に書いていたらしい。そして、血液型占いはこの頃から始まったらしい。と言ったエピソードから、当時の生徒が戦争中どんなことを考え、何をしていたか、戦争に対する天皇陛下の責任はあるか?ということまで書かれている。別の本の影響で、戦争に対する天皇陛下の責任について考えた事があり、当時の雰囲気を知る上で、勉強になりました。

  • 敗戦前後の、少年Hの精神状態・気持が印象的だった。
    いつの時代も、若布のようになれたら、楽なんだろうなぁ。
    でも、若布のように見える人たちだって、
    いろんな葛藤や混乱を抱えて、それを消化しようとしていたんだ。

    戦争は、きついなぁ。

  • 2013/8/6

  • 小説とエッセイとどっちなんだろう。私小説?河童がのぞいたシリーズから入ったので、こっちを読んでいろいろと驚いた。人生いろいろ...

  • 面白かった。それにしてもHは自分の考えをしっかりもっていて、持ちすぎて苦しむ、みたいなところもあるんだけど、行動力もあり、学校の美術室に隠れ住んだり、すごいなあと思った。Ⅱは中学時代=戦争時代についてだったが、体験談と言う感じでリアルだった。親との関係も書かれていて、面白かった。母親との関係が変わったのは、母親を連れて空襲の中逃げた日からだ。とか。父親が、前みたいにはっきりと考えを言わなくなったことに不満を感じるとか。映画をぜひ見たい。

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著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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