家族シネマ

著者 :
  • 講談社
2.83
  • (3)
  • (10)
  • (60)
  • (21)
  • (6)
本棚登録 : 267
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062086073

作品紹介・あらすじ

失われた家をもとめて。もし家族で、映画に出演したら?第116回芥川賞受賞。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『家族シネマ』
    離婚するべき状況の両親とAVに出演した妹と何年も大学生を続けている弟が突然家に来て、家族の映画を撮ると言う。
    林素美はしぶしぶ付き合うがうまくいくはずがない。仕事では、芸術家の男性に尻を見せるように言われ、全裸になる。

    『真夏』
    男はその女とこの三年間不倫して、平日は一緒に暮らしていた。その女は三日間部屋に帰ってこなかった。女はあとをつけてきた初老の家に泊まっていたが、帰ってくれと頼まれたので帰ってきた。

    『潮合い』
    小学六年生。転校してきた色白の女の子が気にいらない真由美。転校初日にいじめられて怪我をする里奈。いじめの事実をなかったことにしたい担任教師。

    ---------------------------------------

    予測できない方向へと勢いよく進んでいく物語に、登場人物たちすら戸惑っているように思えた。急に裸になってお尻の写真を撮らせたり、両親が感情を爆発させたりする展開についていくのがやっとだった。芥川賞受賞作なんだな、『家族シネマ』。わけのわからない感じが芥川賞っぽいといえば芥川賞っぽいように感じる。

    『潮合い』も、転校してきたその日にいきなりそこまでいじめないだろって思ってしまい、なかなか話に入り込めなかった。くやしい気持ちだ。

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/68197

  •   柳美里「家族シネマ」、1997.1発行。芥川賞受賞作品。柳美里さんの家族5人の私小説だと思います。バラバラな家族の様子が描かれています。テーマは不明、意味も不明ですw。さすが、芥川賞。失礼しました。

  • 【家族シネマ】
    折り合いをつけたかったんだ。もう、元には戻れない家族との。それが色々な事柄に投影されている。
    誰が好き好んで、とっくに壊れている家族の映画に出演するんだ。
    それはきっと、寂しさや、怒りや、失望や、諦めとの折り合いなんだ。
    そして、縋っている。

    【真夏】
    ホラーだ。怖すぎる。
    執着しているのは、実は女の方だ。
    観察している。自分も相手も。
    内省的に観察してる視点が1番怖い。笑ってるし。

    【潮合い】
    ぶつかり合うところ。
    なるほど、ぶつかってるけれども、お互い同じ波長だ。
    周りにいるヤツらも、そんな所にいるから、巻き込まれて、のみこまれていくんだ。

    総じて、拠り所が皆欲しいのかな。
    歪んでいたとしても。

  • 前衛的な映像作品を見ているみたいな小説。

    これは…小説って言うんだろうか?詩?芸術?

    初対面の相手に仕事を依頼しに行ったと思ったら急にゴムボートで寝てたり、尻を写真に撮らせたり、脈絡がなさすぎて、私にはちょっと難しかった…。

    著者の心象風景を描いているのかな。だとしたら、ちょっと心配になる(大きなお世話)。

  • う~ん。誰も救われない感じに違和感。

  • 柳美里は短編小説に向いてない⁇

  • 1997年 - 『家族シネマ』で第116回芥川龍之介賞を受賞(辻仁成と同時受賞『海峡の光』)。

  • 途中投げ出したかった・・・。

    こういう感じの小説は苦手だ。

  • いい意味で重くなくてよかった。
    脇役にイライラするのは楽しい。小説だから。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柳美里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
瀬尾 まいこ
フランツ・カフカ
桜庭 一樹
綿矢 りさ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×