神谷美恵子 聖なる声

著者 :
  • 講談社
3.25
  • (0)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062087155

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 神谷美恵子さんの伝記。
    彼女のエッセイがとても好きなので読んでみました。

    彼女のお父さん前田多門さんがすごい経歴を持っていることを知りました。
    今話題の「官僚」だったり「新潟県知事」だったり「朝日新聞」にいたり、
    ニューヨークの日本文化会館館長、文部大臣、ソニーの社長などなど。
    そして子どもたちの中で一番その素質を受け継いでいるのは美恵子さんなのでは。

    彼女も言葉で言いつくせないほど多才。
    そして日本の近現代史とともに大活躍して生きてきたのです。

    でありながら、彼女の選んだ一番重要な道は、ハンセン病への献身。
    「こういう患者さんのところで働きたい!
    ここにこそ私の仕事があったのだ!という心が強く深く湧きあがった。
    苦しむ人、悲しむ人のところにしか私の居どころはない、とすぐさま思いさだめてしまった」

    お嬢様のなかに、ときどきそういう方がいらっしゃいますよね。
    「蟻の町のマリアさん」とか、この間見た西部劇『シャイアン』にもいました。

    また恵美子さん自身、若い頃結核におかされ、
    死とむかいあう経験をされています。
    その結果、一生独身で仕事を頑張っていくことを決意。

    ところが「ストーカー」にあってしまい、
    男社会の中で、独身で働き続けるのは難しいと思う。
    それがきっかけとなって結婚を決めた、というのは大変興味深いです。
    けっきょく結婚したことによって、仕事や研究のための多くの時間がさかれてしまうのですから。

    それでも素晴らしいパートナーと子どもたちに恵まれた美恵子さんの結婚生活は幸せだったことでしょう。
    いっぽう彼女より先に結婚した妹さんは、離婚という道を選びました。
    そちらにも興味があるので、その関連の本を読む予定。

    また、前田多門さんも神谷美恵子さんも、ずっとキリスト教に親しんでいたのに、最期には仏教にひかれていたのも興味深いです。

  • 「生きがいについて」(みすず書房)で著名な精神科医・神谷美恵子氏(神戸女学院の教授をしていたに知性的な年配の女性の美しさを感じ、以前からどんな人なのか、興味がありました。クエーカーの影響を受けたということぐらいしか知りませんでした。前田多門(元文部大臣)・房子の長女、陽一(東大教授)の弟、そして神谷宣郎という阪大教授の妻、律という東大教授の母という華麗なる親族。しかし、恋人を肺結核に失い、自らも闘病、そしてハンセン氏病の長島愛生園に重荷をもつ。英、仏、ギリシャ、ヘブライ語を自由に使いこなす知性。読んだ後、爽やかな生き方に清々しさを覚えます。印象に残ったのは、美智子皇后の話し相手に選ばれ、心の触れあい、皇太子妃時代に聖書に興味をもつ妃と常陸宮への昭和天皇の怒り(?)、華族出身の姑、義叔母・各妃殿下からの冷たい視線。森首相の「神の国発言」で揺れる今、キリスト教と天皇家の接触という意味で実に興味深いものがあります。侍従長クラスには随分、内村の影響を受けたクリスチャンがいた模様です。

全3件中 1 - 3件を表示

宮原安春の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×