3M・未来を拓くイノベーション

制作 : 講談社インターナショナル 
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本棚登録 : 21
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062089951

作品紹介・あらすじ

3Mは、「イノベーション」というテーマを1世紀にわたって追いかけ、アメリカの経済通をして、「今後50年から100年ののち、もっとも成功を持続させている企業を一社あげるとしたら、3M以外にない」と絶賛させた企業である。3Mの成長に限界はない。それは、失敗から成功をよみ、上司に反対されても正しいと思うことをなしとげようという雰囲気が、長い年月をかけてつちかわれてきたからである。すぐれた研究開発力、そして未来への適応力で世界に知られる3M、その秘密はイノベーションを尊ぶ社風にあった。本書は、失敗を恐れず、新しい発想を大事に育てあげ、次々と世界的商品を生み出していく3Mの徹底分析を通して、イノベーションに不可欠な条件を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 一つ一つのイノベーションの背景やそこから得られる教訓の掘り下げが浅く、「3Mの挑戦」を読んだ後となっては物足りない。日本の住友スリーエム(今のスリーエムジャパン)に関する情報が多かった点は良かったが、逆に住友の事例からは日本の優良企業の一つ、程度の感想しか持てなかった。確かに素晴らしい会社ではあるのだろうけど、唯一無二という程ではない。
    一つ納得したのは、会社の戦略や施策と言うのはビジョンに基づく整合性が重要であって、社風に合わない施策を真似たとろで成果は出ないということ。ウチの会社も15%ルールを導入したことがあったが、結局定着しなかった。これは形だけ真似たものの、業務でもないブートレギングまでやってやろうと言う研究者のモチベーションの土台がなかったためだ。そもそも産み出したアイデアを正式な開発プログラムに移行できる仕組みが無ければ研究者もやる気が起こらないし、15%分を犠牲にした本業の失敗をマイナス評価されるだけなら誰もそんな事やろうとしない。
    表面だけ真似ても上手くいかない好例だ。

  •  本書を始めて読んだのは10年以上前になるが、その時は3Mという会社の企業文化に強い感銘を受けたのを覚えている。その後、自分自身のマネジメントに関する知識や経験も増え、改めて本書を読み返してみた。
     「ビジョナリー・カンパニー」として知られている3Mも、さすがに昨今の経済情勢下ではいろいろと苦戦しているようだが、同社の先駆的なR&Dマネジメントには学ぶべきものが多い。今では広く一般に用いられる「15%ルール」や「テクノロジープラットフォーム」等の用語や概念も同社発のものである。ただし、本書が執筆されたのは1999年であり、内容的にはやや古い。3Mは2001年に初めて社外からCEOを迎えて企業変革を行っており、現在はよりR&Dにスピードが求められるようになっている。最新の3Mの状況が知りたければ他の著作を当たる方がいいだろう。
     3Mに関する著作は日本語でも多数出版されているが、本書の特徴は米国のコンサルタントであるガンドリング氏と日本のコンサルタントである賀川氏の共著であることだろう。3M独特の企業文化についてもよく分析されているが、米国の3Mと日本の住友3Mの両面からアプローチすることで、海外子会社への企業文化の継承について詳細に説明されている。
     7重苦とも言われる日本の経済環境の下で多くの製造業は海外移転を進めているが、今でも販社や工場といった営業・製造段階にとどまり、R&D機能まで海外移転を進めている会社はまだ多くはない。しかし、日本の少子化・理科離れ等の社会情勢を考慮すれば、近い将来に日本の製造業も海外でR&D活動を強化せざるを得ない。非定型業務であるR&D活動を、言葉も文化も異なる海外子会社と連携していくことは容易ではないが、そんな時に本書は大いに参考になるだろう。

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