赤瀬川原平の名画探険 印象派の水辺

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  • Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092227

感想・レビュー・書評

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  • 僕は印象派の絵画が好きだ。

    印象派の絵画には、照らいもなければケレンもない。
    ただただ、あるべきものを実感するそのままに描こうとする、その素直さががとても好きなのだ。
    そこには妙な自意識や、押しつけがましい自己主張などというものは一切ない。
    気持ちが良いくらいに純粋でシンプルだ。

    そういう意味において、水辺の風景というのは印象派にとってうってつけの題材だという気がする。
    水と緑、光と影、そこにたむろす人々。
    あるがままの自然の姿を描くだけで、十分、鑑賞に耐え得る絵画となる。

    本書でも数多く取り上げられているのは、やはりモネ。水辺の絵画と言えば、真っ先に思い浮かべる「水蓮」をはじめ、霧のロンドンを題材にした絵画が何点も掲載されている。

    興味深いのはモネ、そしてルノワールの手によって描かれている「ラ・グルヌイエール」。
    この二枚の絵は二人がイーゼルを並べて描いたそうだ。
    二人の絵はそれぞれに個性があってどちらもチャーミングな一枚になっているが、人物に対する描きこみ方に大きな相違がある。
    ルノワールはしっかりと人物を描きこんでおり、そこに描かれている人々の談笑まで聞こえてきそうな気すらする。
    この作品の中心が水辺に遊ぶ「人」であることは一目瞭然だ。
    一方、モネの作品の人物は荒く、とてもじゃないが声など聞こえてはこない。
    しかしその分、人物が風景に溶け込んで全体的にバランスの取れた一枚になっている。
    光の加減、水面に落とされる木々の影までもが主役級の働きをしているのだ。

    どちらが良いというのではない。
    どちらも素直で素敵な一枚だと思う。

  • 単に、印象派の絵が好きだから購入しました。優しいタッチの作品が多く載っていて、とても癒されます。

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