墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 245
感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092593

作品紹介・あらすじ

遺体は何かを語りかけてきた…520人、全遺体の身元確認までの127日を最前線で捜査にあたった責任者が切々と語る!人間の極限の悲しみの記録。

感想・レビュー・書評

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  • 事故が起き、誰かが亡くなれば、その遺体を、現場から拾い上げ、検死し、身元を割り出す。
    行ってくれる誰かがいるから、家族の元に帰れるんですよね。

    愛する人のどんな姿の亡骸だとしても、頬を寄せて涙するというエピソードには、人の愛情の深さを感じました。

  • 今年はなぜか日航機墜落事故の事が気になり、この本を読みました。当時は子ども心に「大変な事故だなぁ」くらいにしか思いませんでしたが、遺体の収容、ご遺族への対応、決して新聞やテレビでは報道されない事がリアルに書かれています。血が苦手な人は読めないと思いますが、戦後にこういう状態にさらされた人たちがいた事を知る事が出来ました。

  • どうしても読みたかった本ですが、家に置いておくには、私には重すぎる、と思ってレンタル。

    日航機123便の墜落事故の時に、身元確認作業を行っていた警察官が、当時の様子を描いている。歯、指、かけらひとつでも探そうとする人たち。包帯などで遺体をきれいに直そうとする看護師さん、運ばれた遺体が子供だと涙する医者…。当時の事故現場の生々しさや凄惨さをセンセーショナルに書きたてる雑誌も当時はあったらしいけれど、この本にはただただ「死者を丁寧に扱い、家に帰してあげようとする奮闘」だけが描かれている。

    また、外国人の方で被害にあった方は、遺体は荼毘にふしてかまわないと言ったという宗教観の違いや、遺族の怒りと憤り、日航の社員の苦しさなど、丁寧に丁寧に描かれたドキュメンタリ。

    日本人が災害現場の救助に行くと、その遺体への敬意の持ち方や丁寧さに、その国の人たちが感動するという話を聞きますが、この本を読むと本当にそれを実感します。すごい精神性だし、美しいと思います。

  • なぜかこの事故が気になって。
    もう35年以上も前のことなのに。

    筆者は群馬県警の警察官の方で、ご遺体の身元確認をご担当された方です。

    作家やジャーナリストではありません。プロの文章ではない分、先走る感情や現場の臨場感がとてもリアルに感じました。




    当時のニュース報道、テレビ、新聞等あらゆるメディア、度を越した写真週刊誌、
    今では考えられない、航空機墜落事故の生存者による記者会見。


    「怖いです。怖かったです。思いださせないでください、もう。思いだしたくない恐怖です。」

    生存者の1人、JALのCAさんの言葉です。


    そして、医師、看護師、警察、自衛官の皆さん。
    みなさん、ご遺族を前に

    坂本九さんの歌のように

    上(天井)を向いていらっしゃいました。
    涙がこぼれないように。

    航空機の墜落事故の遺体の様子が克明に書かれ、胸が詰まります。

  • 御巣鷹山の尾根に日航機が墜落してからもうすぐ13年がたつ。事故から127日かかった520人全遺体の確認作業。当時、身元確認班長として最前線の捜査にあたった著者が切々と語る、人間の極限の悲しみの記録。
    (1998年)
    — 目次 —
    第1章 出動命令
    第2章 大量遺体
    第3章 最初の遺体確認
    第4章 悲しみの体育館
    第5章 看護婦たちの胸の内
    第6章 指紋、歯が語る
    第7章 身を粉にした医師の仕事ぶり
    第8章 遺体の引き取り
    第9章 過酷な任務
    第10章 極限の日々
    第11章 最後の最後まで

  • ページをめくる手が止まらない、緊張感と臨場感に溢れる1冊。遺体の生なましい描写もあるが、それ以上に法医、看護師、県警の真摯な仕事ぶりに心打たれる。

  • Amazonマケプレで単行本を買って読んだ。2021年現在、36年前の事故で自分はまだ生まれていない。数年ごとにTVで御巣鷹山追悼の番組があったりするので、事故の存在は知っていたが、その実態を知ったのは本書を読んでからだ。
    著者は当時、刑事官で事故発生後は身元確認班長として100名以上の部下を指揮して現場の第一線で奮闘した元、警察組織の飯塚訓氏で、ジャーナリストによる第三者的な考察ではなく、本当にその事故の時、その現場で対応した者にしか理解し得ない生々しすぎる記述が本書の特徴だと思う。
    身元確認という仕事もあって、舞台のメインは藤岡市民体育館である。検視(本書では「検屍」)や遺族対策班とも密接な関わりがあるので記述があるが、御巣鷹山に離散した遺体を回収し、藤岡市まで輸送してくるところは本書には記述がない。事故の凄惨を物語るように、後部の客席以外は五肢揃った遺体ではなく、且つ墜落後の火災による損傷も激しいので、御巣鷹山での仕事も想像を絶するものがあったのだろうと思う。
    警察だけではなく、地元医師会、歯科医師、日赤看護士、日航職員、地域ボランティアと様々な人が不眠不休で協力し、事故対応に追われた。直接的な過労死者が出なかったことが唯一の救いだろう。

  • 時系列も事実と私見も何もかもゴッチャになっており極めて読みづらい。
    凄惨な現場とご遺体の詳細な描写など、筆者が書きたいであろう部分だけが先走ってる感。章タイトルと内容がそもそも合っていない。本当に編集の手が入っているのだろうか?
    言ってしまえば、感想などで取り上げられる部分は、かろうじて「読める部分」だということ。ショッキングな描写で釣っている感も否めない。

    日航ジャンボの事件を知りたいなら他の作品をお勧めします。プロの作品脚色はあるけれどもやっぱりすごいなと思った。

  • あの日、長野にいて墜落の音を聞きました。飛行機事故の悲惨さを、少しでも理解するのに役立つと思う本。現場で遺体確認捜査の責任者として働いた方の回顧録。過酷な任務にあたってくださった方々に頭が下がる思いです。

  • 最近読んだ小川洋子のエッセイで触れられていたのを機に再読。重いの一言。ある意味当方に最も影響を及ぼしたとも言える事故でありますが、そこから生まれた最良の作品の一つかと。この惨劇を目の当たりにしても人間は良心を働かせることが可能だというごく単純で深遠な結論を、平易で抑制を効かせた文章で説いてくれます。

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著者プロフィール

飯塚訓
1937(昭和12)年、群馬県に生まれる。日本大学法学部卒業。1960年、群馬県警察官として採用され、以後、警察本部課長、警察署長、警察学校長等を歴任。
1985(昭和60)年、高崎署刑事官在職時に、日航機墜落事故が発生、身元確認班長になる。1996年、退官。
著書に、『新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便』(講談社+α文庫)、『墜落の村 御巣鷹山日航機墜落事故をめぐる人びと』(河出書房新社)、『完全自供 殺人魔大久保清vs.捜査官』(講談社)、『墜落捜査 秘境捜索 警察官とその妻たちの事件史』(さくら舎)、『刑事病』(文藝春秋)などがある。
現在は、講演活動などを通じて、日航機事故の語り部として、命の尊さを伝えている。

「2015年 『新装版 墜落現場 遺された人たち 御巣鷹山、日航機123便の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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