墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便

著者 : 飯塚訓
  • 講談社 (1998年6月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092593

作品紹介

遺体は何かを語りかけてきた…520人、全遺体の身元確認までの127日を最前線で捜査にあたった責任者が切々と語る!人間の極限の悲しみの記録。

墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便の感想・レビュー・書評

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  • 事故が起き、誰かが亡くなれば、その遺体を、現場から拾い上げ、検死し、身元を割り出す。
    行ってくれる誰かがいるから、家族の元に帰れるんですよね。

    愛する人のどんな姿の亡骸だとしても、頬を寄せて涙するというエピソードには、人の愛情の深さを感じました。

  • 最近読んだ小川洋子のエッセイで触れられていたのを機に再読。重いの一言。ある意味当方に最も影響を及ぼしたとも言える事故でありますが、そこから生まれた最良の作品の一つかと。この惨劇を目の当たりにしても人間は良心を働かせることが可能だというごく単純で深遠な結論を、平易で抑制を効かせた文章で説いてくれます。

  • とにかく何ともすごい。

    報道関係、救助に向かった地元消防団などの話は聞いたが、少し離れた場所で行われていた検死の現場も地獄のようだったこと、初めて知りました。
    警察関係者の皆さん、お医者さん、歯医者さん、看護師さん、なんと言っていいのかわかりませんが、やはりありがとうございました と言いたいです

  • どうしても読みたかった本ですが、家に置いておくには、私には重すぎる、と思ってレンタル。

    日航機123便の墜落事故の時に、身元確認作業を行っていた警察官が、当時の様子を描いている。歯、指、かけらひとつでも探そうとする人たち。包帯などで遺体をきれいに直そうとする看護師さん、運ばれた遺体が子供だと涙する医者…。当時の事故現場の生々しさや凄惨さをセンセーショナルに書きたてる雑誌も当時はあったらしいけれど、この本にはただただ「死者を丁寧に扱い、家に帰してあげようとする奮闘」だけが描かれている。

    また、外国人の方で被害にあった方は、遺体は荼毘にふしてかまわないと言ったという宗教観の違いや、遺族の怒りと憤り、日航の社員の苦しさなど、丁寧に丁寧に描かれたドキュメンタリ。

    日本人が災害現場の救助に行くと、その遺体への敬意の持ち方や丁寧さに、その国の人たちが感動するという話を聞きますが、この本を読むと本当にそれを実感します。すごい精神性だし、美しいと思います。

  •  警察官の視点からこの大事件の犠牲者身元確認を始終記録した本。
     もう30年近くも前のことだが強烈な印象があり、色々情報を見てきた。本書は事故後10年以上たってから、にわかに出てきた事件史本の初期に当たるものと思われる。強烈すぎてきついが、現場状況を知ることができてありがたかった。
     この事故以降、5の年には大事件が起きているので来年は危険かもしれない。発生のないことを祈りたい。

  • 緊張感を持って最後まで一気に読み終わりました。

    この本を書く為に文章の修行をしたという著者の文は、凄惨な状況を淡々と無駄無く描いており、見事です。

    遺体の変わり果てた様子も、命の儚さも、愛に溢れるエピソードも、縦割り組織の弊害も、野次馬の醜悪さも、状況に耐えられず作業に加わることのできなかった医師や警察官のことも、筆者の感じた印象が素直に書かれています。

    中でも、日頃マスコミでも日の当たらない遺体の清掃、保管、身元確認作業などに従事した医師、歯科医師、看護師他の活躍は印象的でした。文中で著者が書いている様に尊敬の念を抱かずにはおられません。

    重たく悲しい主題であり、遺体についての描写は受け付けない人もいるかもしれません。しかし、読み終えた後には生きることのありがたさや、人間の絆といったものが感じられ、一種清々しい気持ちにさえなりました。

    読んで損はない本です。

  • 看護師として、当時対処された医療従事者の皆様に、尊敬の念を抱きました。最愛の人が突然亡くなることほど、辛いことはないと、痛感しました。

  • 「沈まぬ太陽」、「クライマーズ・ハイ」と、日航機の墜落事故に関係する本を読んでいたので、たまたまこの本を図書館で見つけ、手にとってみました。これは当時群馬県警の刑事官で、身元確認班長だった飯塚氏の47日間の記録です。まだ、遺体が体育館に運ばれる前の状況からもう涙がこみ上げてきて、とにかくずっと泣きながら読みました。凄惨な体育館の中で、極限状態のまま、遺体を親族に返したいという一途な想いが警察官、医師、看護婦の方々などの心を本当にひとつにしていたのではないでしょうか。突然愛する人を失うことの喪失感とはどんなものか、その心情は計り知れません。その気持ちを分かち合って、職務以上のものを遂行していた人たちに、なんとも言えない生き様を感じました。二度と在ってはいけない事故であったと胸に刻まれました。機会があれば、他の立場の方が書いたものも読んでみたいと思います。

  • 刑事視点。法医学的視点。27年前の事件で私はリアルタイムでは何も知らないので、ますはこの本から、と思ったが、御巣鷹山の事故の話よりも、タイトル通り、遺体を扱うことを中心とした本。なので、事件のあらましを知りたい人にはおすすめできない。興味深く読ませていただきました。まず自分では絶対経験したくないです。

  • 【墜落遺体】 飯塚訓さん

    1985年8月12日、日航機の墜落事故がおきた。
    乗客乗員あわせて500人以上が犠牲になった大事故だ。

    当時、この事故の遺体確認班長になった著者の
    ドキュメンタリー。



    まず、この本は悲しい本でした。
    そしていい本でもありました。

    墜落の衝撃により遺体は原型をとどめないほど
    激しく損傷している。

    骨や肉の一片になった遺体。
    エンジン近くの遺体は焼けて炭化してい

    遺体は完全遺体と離断遺体とに区別される。

    完全遺体といっても、潰されて形を失った顔面。
    前頭部の吹き飛んだ頭蓋。二つに切断された遺体。
    焼けただれて分解しつつある焼死体。手足がちぎれ、
    下顎骨がかろうじて首と繋がっている遺体が多い。

    そしてそれらに分類されない離断遺体。

    乗客は500人であっても、遺体の数は1000人を越える。

    このバラバラに砕けた遺体を出来る限り元の
    本人に戻し遺族へ引き渡す。

    そういう過酷な作業に従事した警察、医者、歯科医
    看護婦、日赤ボランティアなどの記録が連綿と
    つづられています。

    宗教感の違いも大きい。
    人は死ねば魂は天に帰り、「残った体はただのパーツ
    でしかない」という外国人には肉骨片の一つに到る
    まで「人」として扱う日本人の感覚は理解できない
    ようです。

    過酷な作業内容等、細かく書くとキリが無いので
    書きませんが、日本人の心の温かさや優しさを感じる
    本でもありました。

    この本はきっと忘れないと思います。
    ただし、すごく悲しい本です。

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