猫に満ちる日

著者 : 稲葉真弓
  • 講談社 (1998年7月発売)
3.42
  • (1)
  • (4)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • 本棚登録 :25
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092869

猫に満ちる日の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 『作家と猫のものがたり』の(確か…)小池真理子さんがこの「猫に満ちる日」にふれていて、さっそく借りて読んでみた。

    検索して稲葉真弓さん(倉田悠子!)は、最近亡くなり覆面作家だったと発表になったのは去年のことで、はじめて知って少し驚きでした。

    内容は…薄暗く静かで重く海底みたいな感じで猫もの。19歳の猫がマンションの床を這いずり回り、床にキラキラと光る液体の帯をまきながら、においの中で猫と二人きりで暮らす、ちょっとせつないお話だった。

    夜の胞子、漂う箱、竹が走る、朝が二度くる、交歓、七千日、あとがき。

    猫と一体化している女主人公。(たぶん稲葉さん)こんな状況なのに猫は(動物は)最期の最期まで「絶望しない」。体はもう立って歩けないし毛と皮だけの存在、自分で用だって足せないのに最期は力強く、生き生きとしているとさえ思えた。猫と飼い主は表裏一体、一心同体の写し鏡なのかな。猫が自分になったり母親になったりして本当に鏡!

    猫の名は「ミー」。ミーと一緒だった20年間、出会いや別れ、困難も数々あったんだろうと読んでて思ったんだけど、最後はきっとお互いにわかっていたんだろうかな…。

    “思い出せ、思い出せ、足は土を踏むためにあるのだと、私は猫の体を支えながら、自分まで素足になっている。=189ページ=”あたりから、急にじーんときてたまらなくなった。

    文章が詩的で、ねちっこいので読むのに苦労したけど、女の生涯と猫の生涯が重なって、感慨深い作品でした。エロい部分なんて一切ないのに、雰囲気がつやめかしい…のがすごい不思議。なんか濃密で濃厚だった。猫を使っているけど猫は女性に近いものだから、潜在的にそう感じたのかも。小池昌代さんの「タタド」みたいな読み心地。

    読んでいると何か窒息しそうな、溺れそうな感じになるんだけど「猫に満ちる日」だから、海の潮でもないけどやっぱりものが満ちてきて溺れそうになる。(ちょっと重苦しい…)タイトルも読み終えてから納得できた。お次は「ミーのいない朝」。

    • まっき~♪さん
      vilureefさんへ

      こんばんは。
      コメントありがとうございます♪

      あ、わかっていただいて光栄です(o^∀^)
      本当はエロいなんて書きたくはないんだけど、エロス!って感じで
      生々しい…というか、ほんと色気があって不思議でした。

      私も検索して亡くなったと知って、残念だなぁ…と思いました。
      ほかの作品も色々と読んでみたいと思える作家さんになったので
      作品を探してみようかな、と思っています。


      ところで、タイムライン変ですよね(x_x;)
      私だけなのかなー?と思ってました。
      フォロワーさんのタイムラインが数人くらいの時があって(;^_^A
      あれ~、連休だからこうなのかな…?とか思いましたね。

      文字の大きさも小さくなったし、サイトも重いし…。
      改良するたびにおかしくなっていくような気もします…(+_+)

      少し前?去年あたりから、ブクログ、なんかいじり過ぎかな…と感じていました。(こっそり)

      vilureefさん、問い合わせるとなんてすごいカッコいいです!
      私からお礼を言わせてください。「ありがとうございます」
      キャッシュをクリアするといいですね。


      調査して解決して改善されればいいのですが…どうなんでしょうね。

      タイムラインって、かなり貴重なので、機能しないと少し不便ですよね。
      2015/01/27
    • vilureefさん
      こんにちは!

      ああ、やっぱり~。
      私だけじゃなかったんですねぇ。
      しばらく我慢してたんですけど、全然改善されないので思わず問い合わせちゃいました(^_^;)
      たくさんクレームが来てそう急に対応してくれればいいですけど・・・。
      今のところまだみたいですね。

      最近お仲間さん達もご無沙汰の方が増えていますよね。
      ブクログが使いにくいとどんどん離れて言っちゃいますよね。
      2015/01/29
    • まっき~♪さん
      vilureefさん

      ご無沙汰さん多くって悲しいですよね。

      私は去年末から読書メーターを初めて、細々とやってます。
      最初はブクログの方がいいなぁーと思っていましたが
      最近は読メも、なかなかいいなぁ~と思えるようにもなってきました。

      ブクログは本棚形式で見やすいのに、勿体ないですよね。
      感想も長々と書けるので便利で好きなのに…最近、ちょっぴり残念でもあります(-_-;)

      2015/01/29
  • 連作短編集。一話で漂った濃厚な死の匂いがまさかまさか最終話まで続く。そしてまさかの作者の実話を元にしてるというんだから堪ったもんじゃない。きついです。(桐切)

  • 年老い、そして死に向かう猫の存在感と匂い、そして刻まれてゆく記憶。

  • 深夜、仕事から帰る私を、猫はいつも玄関の扉のところで待っていた。闇の中にひっそりとうずくまっている猫を見るたびに、私の心はしなびた袋から弾力のある柔らかな袋へと回復していく。夜気で冷えた体を抱けば、頬や首に触れる毛の1本1本から、迎えられている情感が広がっていくのだった。私は家に帰るのではなく、猫のいる場所に帰っていたのだ。猫に迎えられ、毛に包まれ、舌で顔中を舐められるために。──

全4件中 1 - 4件を表示

稲葉真弓の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

猫に満ちる日はこんな本です

ツイートする