揚羽の蝶―半次捕物控〈下〉

著者 :
  • 講談社
3.57
  • (0)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 17
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062093170

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お家騒動の中に巻き込まれて、死ぬところだった半次。
    やっと江戸に帰ってこれたが、
    まだ事件は解決していなかった。

    日常の事件に奔走する半次だが、
    その動向を凝視する目があった。

  • [上下巻 レビュー]
    半次捕物控の第二弾

    大店の娘に"いが茄子"の毒を飲ませて操を奪った備前岡山松平家の足軽小者らしき犯人を突き止めるため、帰国の参勤に紛れて犯人を捜しの旅をするところから始まる。岡山松平家内の跡目争いと、将軍家の子息を岡山松平家の跡目にして出世を目論む林肥後守の家臣や、薩摩の子息を跡目にしようとする奥女中などの画策に巻き込まれていく話。

    この主人公半次は、正義の為に働いているわけではない。岡っ引きという家業がら同心の立場を考えしぶしぶ引き受けた仕事である。ましてや自分とは関係のないお家騒動であるから、同心の顔が立つ程度の仕事をしてすませようと思ったり、途中から関わり合いになるのを止めようとしたりと、なんとも普通の人らしい判断をする。しかし、命を狙われた上、養育している幼い娘をさらわれたため、必死に事件の真相を突き止めせざるを得ず、最後は真相にたどり着く。この無理のない人間らしい判断の元でのストーリ展開がとても好感持てる。ただ正義感を振りかざし悪を正すためで働く、よくある岡っ引き小説とは大きな違いである。

    この時代、人殺しは重罪ではあるが、川や海で見つかった死体はよっぽどの事情がない限りいちいち調べられない。裏を返せば、人を殺しても川に捨ててしまえば、ほぼ罪に問われないのである。そういう殺人でさえやり方次第という時代で生きているそれぞれの立場と価値判断を持った人たちが必死に画策する話なので、悪人らしい悪人も存在しない。時代背景とともに先祖から所属している組織の価値観の元で正しい方向に導こうとしている人、降りかかった火の粉を必死で払う人など、単純明快な正解がなく読めば読むほど味わい深い。

  • あれあれ・・・その続きがあるんない? 腑に落ちない〜いが茄子を使った昏倒強姦は若年寄の用人・吉岡は,池田の小仕置・中山と通じて将軍の子を引き入れようと,奥女中は薩摩の子を引き入れようと画策していた。口入れ屋の親分からの情報で,痺れ薬を使ったのは吉岡だと分かった半次は,娘・美代を取り戻すためにこれを拐かし,預けられた奉行は牢死した。中山は薩摩の芋侍に拉致され,海に沈められ,池田の跡取りは薩摩からはいることになった。誘拐された美代は,二度目の江戸行きの志摩に預けられ,熱を出して藪医者で10の養生をした後,無事に帰ってきて,志摩もいつきそうな塩梅だ〜これで奉行に貸しを作ったという事ね。そして義兄弟二人とも対面したってこと。英五郎との繋がりも読めました。志摩は押しつけられた?

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤雅美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×