ぼくはここにいる

著者 :
  • 講談社
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感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062094498

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  • 絶えられないイジメに遭い、「死のう」と登ったマンションの屋上で、突然現れた姿の見えない”星”に
    「その命預からせてもらいます」と言われ、夜空の散歩へ…。そこで”星”といろんなことを語り合う内、
    自分の世界を違う視点から見ることを教えられ、生きる希望が湧いてくる…。
    全国でイジメに遭ってる子ども達一人一人のところへ、この”星”が届きますように…

  • 私たちが絶対に忘れてはいけないのは、いじめを原因として自死を考える者は、周りに波風を立てるくらいならば自分で我慢と忍従することを選ぶ者が大半であり、言い方を変えれば、純真で、他人に優しく、迷惑をかけたくないと先に考えてしまう心優しくて繊細な者である。
    そして決して間違ってはいけないのは、その者たちが自死を選んだとしても、それは『誤った選択』でもなければ『現実から逃げた選択』でもない。もちろん『卑怯な選択』ではない。

    そう考えていくと、この物語で自死を考える14才の少年に「こんなばかげた事態もそのうち終わる思て、やり過ごしたらいいんですわ」と語り掛けているのに猛烈な違和感を感じた。
    いじめで精神的または肉体的に追い込まれている者は、すでに我慢に我慢を重ね、周りに気を使いすぎる程に気を使っていてへとへとに疲れている。それなのに非現実的存在の「星」の口を借りて「遅かれ早かれかならずそこから脱出できるゆう保証がありますやないか」「夢を持ちなはれ」と語らせている。

    大きなお世話ではないか?いじめで苦しんでいる者も夢は持ってるし(または持っていたが潰された)、また、先になれば変われるなんてことは改めて言われんでもわかっているって。
    -大層なことは望んでない。ただ「自分でいたい」だけなんや。

    自分が自分でいることを全面的に否定された状況に陥ってるのに、やり過ごせられるか!
    1分1秒を生きることが自分を否定することになるのに、やり過ごせとか何を悠長なこと言うてるねん!
    『傘がない』のなら、雨はいつかやむものだから、それを待っていたらいいとでも言うのか?いや、問題はどしゃぶりのなかで傘がなくて、それでもどしゃぶりの中を進むしか選択肢がない状況ということだ。「星」の語りを聞いている時はわかったつもりになるかも知れないが、現実に戻り夢から覚めたらまたどしゃぶりの雨にさらされるのである。
    マッチ売りの少女が売り物のマッチを擦って夢を見て、そのあとどういう結末を迎えたか?

    それともう1つ激しい違和感に晒されたのは、いじめている奴も悩んでるんや、みたいなことを星が言うところ。まるで殺人犯について「貧しい境遇ゆえに人を殺めざるをえなかった」などと弁護する、エセ人権派弁護士の被害者を馬鹿にした口上と同じではないか。

    少なくとも、親や先生にも言わず誰も信用できず孤独がどんどん深まり、何もかもに不信を抱き生きることに絶望した時期の私の少年時代にこの本を読んでも、何の足しにもならん、と放り投げていたと思う。
    自分のことを思い出して言うが、近しい者に声をかけられなくて孤独を深めていく人間を救ってくれるのは、例えばミュージシャンの歌詞であったり、手はなかなか届かないかもしれないが実在して実世界で活躍するスポーツ選手や芸能人や著名人などの発言であり、同世代の現実を切り取った橋口譲二さんの写真集などだ。リアルな世界でいじめられてリアルな世界で追い込まれているからこそ、リアルな世界のリアルな言葉だけが意味をもっているはずである。

    いじめで自ら死を選ぶ者がいるということに心を痛め「目先にとらわれず、ゆとりと夢をもって困難をやりすごせ」ということを人生の先輩から悩める少年少女に伝えたいという強い動機からこの物語を著したというのは評価してる。
    だけど、切迫している少年少女の心を本当に慰め癒してくれるのは、こんな教科書に載ってそうな話よりも、「気ぃが狂いそう、ラララララララ…」と歌い叫ぶブルーハーツの歌だったりする、ということを言いたかった。

  •               『みえぬものこそ。』                                                                   見えないけれど、確かに自分を救ったものがある。見えないけれど、確かに自分と同じ、境遇の人は、どこかにいる。そして戦っているはずなのだと。それは思いがけない人かもしれない。見えていなかっただけで。                         まだ「本は買わずに借りる物」という考えだった子供?のころに、何度も何度も図書館で借りて読んだ貴重な一冊。そろそろ買って、我が宝箱=本棚に収めたい。

  • 読書感想文で自己満足のために自由課題図書として読んだ。ずっと凝っているものがある。

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