穴 HOLES (ユースセレクション)

  • 講談社
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本棚登録 : 821
感想 : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062096454

作品紹介・あらすじ

「まずい時にまずいところに」いたために、代々、イェルナッツ家の人々は辛酸をなめてきた。スタンリー(イェルナッツ四世)は、無実の罪で、砂漠の真ん中の少年院にぶちこまれ、残酷な女所長の命令で、くる日もくる日も不毛の地に"穴"を掘る毎日。ある日、ついにスタンリーは、どこかにあるかもしれないイェルナッツ家の"約束の地"をめざして、決死の脱出を図るのだった。五代にわたる不運をみごとに大逆転する少年。ニューベリー賞、全米図書賞ほか多数受賞。おなかの底から元気がわいてくる冒険文学。

感想・レビュー・書評

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  • 無実の罪で放り込まれたグリーン・レイク・キャンプ(少年院)で、スタンリーは来る日も来る日も直径1.5メートル深さ1.5メートルの穴を掘り続ける‥‥なんという不条理‥‥初めは安部公房の『砂の女』を思い起こしました。
    しかし、穴を掘らされている本当の理由が分かった時、大人とはなんとズルい生き物だろう、という気持ちが沸々と沸き起こりました。
    “子どものために“の名の下に、自分の都合の良いように子どもを操作する。
    ここで生き抜いていくためには、要領よく(ズル賢く)やっていかなければならないと一瞬思うスタンリー。でも、自分の頭で考えて動くことを選んだスタンリーは、生まれて初めて自分のことを好きになる。

    児童書なので、ちょっとコミカルに描かれていますが、人種差別や貧富の差などさまざまな問題が盛り込まれていて読み応えがありました。

  • スニーカー泥棒の濡れ衣を着せられたスタンリーは、非行少年として更生施設に送られる。
    施設ではこれまでにない友人関係を作り始めたスタンリー。そして、延々と穴を掘り続ける日々のなかで、スタンリーは所長が何かを探していることに気づく。

    理不尽な待遇を受けた友人、ゼロは先に施設を離れ、数日後、スタンリーも施設を飛び出していく。彼らを飢えと渇きから救ったのは何代も前の先祖のタマネギだった。
    こっそり施設に帰ってきた二人は先祖の宝を掘り出し、所長は痛い目を見て、弁護士がもろもろを片付けてくれて、二人は大金持ち!! スーパーハッピーエンド!!!

    ---------------------------------------

    すべてはスタンリーとゼロのために存在していた、という感じ。二人がこの更生施設に来なかったらケイト・バーロウの隠したスーツケースは見つからなかっただろう。
    そう考えると、イェルナッツ家ではなく、ウォーカー家の人たちこそが呪われていたように思えてくる。
    よくもわるくも運命には逆らえないということなのだろうか。皮肉だ。

  • けっこうツライ内容なのに、なんだかカラリとした感じがするのは何故?

  • 大好きな児童書。
    初めて知ったのは映画版でした(スタンリー役のシャイア・ラブーフはじめキャストすべての演技と音楽がすばらしく、爽快な映画でお勧めです)。
    その後原作を読み、アメリカの語学学校で教材として再開して…と個人的に何かと縁深い作品です。
    児童書ミステリーとはいえ、圧倒的な伏線伏線伏線!
    進むにつれて、ああ、これは…!と唸るエピソードや小ネタがたくさんあって、子供心に帰ってわくわくしながら読める一冊です。
    個人的に先に映画から入ったため、それとの対比をしてしまうのですが、映画では描ききれなかったサブエピソードなども多く、映画は見たよ!という人にぜひ読んでいただきたいです。
    あと、とてもきれいにつむぎ上げられている物語なので、読了感が良く、ちょっと疲れて元気がなくなったときに読むとスッキリ。

    スピンオフの「道」なども、本作のキャラクターをより楽しむためにもお勧めしたいです。
    いつの間にかDテントのメンバーともっと友達になった気持ちになれます。

  • 児童文学の傑作
    お子様向けといえど、大人にもオススメできる伏線の張り巡らせ方
    そして、各キャラクターの個性と描写設定の独特さがとても興味関心を引き寄せられます。

  • 「まずい時にまずいところに」いたために、代々、イェルナッツ家の人々は辛酸をなめてきた。われらが太っちょスタンリーもまたしかり。無実の罪で、砂漠の真ん中の矯正施設にぶちこまれ、残酷な女所長の命令で、くる日もくる日も、焼ける大地に<穴>を掘る。けれどもついに、決死の脱出。どこかにあるかもしれない<約束の地>をめざして、スタンリーは、黒人少年ゼロとゆく。五代にわたる不運をみごとに大逆転する少年たちの、友情とプライドをかけた冒険物語!
    原題:Holes
    (1998年)
    — 目次 —
    第一部 グリーン・レイク・キャンプ
    第二部 最後の穴
    第三部 それから
    訳者あとがき

  • 再読
    ブクログはじめる前に読んだのだったと思う。
    始めはなんじゃこの話と思ったけど結果的にすごく面白かったので。
    掘り下げればいろんなテーマが内蔵されている。そのままでも充分楽しめるが。
    再読してよかった。


  • 掛け値無しの傑作ジュブナイル小説!もっと早く読んで、息子達と共有したかった、と思いました。

    主人公のスタンリー・イェルナッツは太っちょで、学校ではいじめられっ子。友達らしい友達もなく何をやっても間が悪い。ある日「まずい時にまずいところ」にいた為に、無実の罪で〈グリーン・レイク・キャンプ少年矯正所〉に送られてしまいます。

    イェルナッツ家の男達は代々こんな感じで、ツキに見放されて辛酸を舐めて来ているのですが、それは全て「ひいひいひいじいさんがしでかした事が原因で、末代まで呪いをかけられたから」と言うことになっています。そんな馬鹿な…なのですが、辛い事が山ほどあっても、イェルナッツ家の人々は、全てはひいひいひいじいさんのせいだ!と言うジョークで明るく切り抜けて来ました。

    スタンリーも冤罪によって一年半も矯正キャンプに送られる事になったのを「あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいひいじいさんのせいだ!」と受け入れます。

    しかし、だからと言ってスタンリーの苦しみが楽になるわけでも無く、砂漠の真ん中の干上がった湖に、来る日も来る日も「穴」を掘ることになるのです。この、悪ガキ達を収容して「根性を養うため」に照りつける日差しの中、毎日直径1.5メートル、深さ1.5メートルの穴を掘らせるキャンプの環境と、サディスティックな女所長や監督者である大人達にはぞっとさせられます。しかも砂漠には毒トカゲもいるし、水は無いし、食事も酷いものです。心身共にすり減り、疲れきって感覚さえ麻痺するような日常。でも、毎日の過酷な穴を掘りと、悪ガキ仲間の中で上手くやって行こうとするスタンリーが日に日に成長しているのが読んでいて伝わってきます。

    さて、ここで予想通りの友情物語が始まる…かと思うのですが、その前にスタンリーの知らなかったひいひいひいじいさんの若かりし頃の話、ひいひいじいさんの過去の事件の話、干上がったグリーンレイクがまだ水をたたえていた頃の恋物語、天使の桃ジャム、不思議な玉ねぎ、そこで起きた恐ろしい事件、月の子守唄…色々な話が所々に語られます。

    班のメンバーとひたすら穴を掘り続けるスタンリーが、穴を掘る目的には何か別の意味がある事に気付き、キャンプから居なくなった仲間を探しに命知らずの冒険に踏み出してからのお話が、最後はアッと驚く結末へと見事に繋がって行きます。

    説教じみた意味づけなどする気はありません。とにかく読んで面白い。元気が出る。そして最後の月の歌にあるように、疲れたオオカミも立ち上がり、小さな鳥も宙はるかに飛べ、と心の中で呟きたくなるのです。

    ご紹介下さった方、この本を下さった順子さん、ありがとうございます。本当に良かったです。純粋に物語を楽しみました!

  • 色々な施設の中では、何が行われているのか❓施設の透明性が必要なのでは⁉️

  • 思ってたのはもっとくらい話かと。読んでみたら後半から希望、友情、奇跡という感じの話。
    ストーリーは過去の話も織り交ぜつつ同時進行で、飽きさせない書き方。大人が読んで普通に面白いと思わされた。
    深い話で一回読んだだけじゃ伏線開始しきれてないかもしれないので、また読みます。

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