亡国のイージス

著者 :
  • 講談社
4.03
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本棚登録 : 906
感想 : 161
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062096881

作品紹介・あらすじ

自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。祖国に絶望して叛逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。男たちの底深い情念が最新のシステム護衛艦を暴走させ、一億二千万の民を擁する国家がなす術もなく立ちつくす。圧倒的筆力が描き出す、慟哭する魂の航路。

感想・レビュー・書評

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  • 長編映画を観ているような臨場感と映像感を感じた。実際に映画になったのは観てないけど。自衛隊の人で、こんな人たちがいるとは思えないが、それはいいとして、作者の筆力には、恐れ入ります。

  •  いやあ、長かった。最初に登場人物が載っているんですが、その多さに不安を感じ、また、護衛艦だとかそういう話は苦手分野。
     それでも最後まで読めたのは、冒頭の如月行の生い立ちで心を鷲掴みにされたから。でもやっぱり小難しい話だなぁと心が離れそうになると、また別のエピソードを持ってきて本に引き込まれるということを繰り返していくうちに、もはや途中で引き上げるという選択肢は無くなり、夢中になって登場人物に寄り添い物語に入り込んで読み上げた。
     
     読みながら、ふと自分が中学生の頃、非核三原則やら自衛隊に対しての矛盾やらを真剣に考えていたなぁと、結局答えは出せなかったと思い出だした。いつからそういうことを真剣に考えなくなってしまったんだろう。
     
     さて、内容は敢えて書く必要もないかな。ただ、山場がいくつもあってお腹いっぱいになること間違いなし。とりわけ千石と行の関係は素晴らしく、親子でもなく、友人でもないからこそこういう関係が成り立つんだろうな。それがすごく良かったし、特に最後のシーンは秀逸。一気に読後感を高めてくれた。

    • chie0305さん
      評価は☆3つだとかなりいいと思った作品なんです。☆5つを特別の作品だけにつけたくて。なので4つは物凄くいい作品です。
      ところで、前評判でハ...
      評価は☆3つだとかなりいいと思った作品なんです。☆5つを特別の作品だけにつけたくて。なので4つは物凄くいい作品です。
      ところで、前評判でハードル上げ過ぎたのは最近だと、「蜜蜂と~」です。皆さんの評価とは随分違った結果に…。なので、今後は先入観なく平常心で読みたいと思います。
      2017/05/20
    • chie0305さん
      ここ最近ジャンルとっぱらって、いろいろと手を出してみてます。真梨幸子さんや朱川湊人さんなんか、ちょっと面白いなと思ったりして。私も「蜜蜂~」...
      ここ最近ジャンルとっぱらって、いろいろと手を出してみてます。真梨幸子さんや朱川湊人さんなんか、ちょっと面白いなと思ったりして。私も「蜜蜂~」は全然好みではなかったです。恩田さんの「ネバーランド」は凄く好きだったんだけどな。
      2017/05/21
    • hs19501112さん
      横から失礼いたします。
      福井晴敏さんが大好きなので、ついつい・・。

      イージス、確かにかなりの長さに疲れますよね。勝手ながら、「イージ...
      横から失礼いたします。
      福井晴敏さんが大好きなので、ついつい・・。

      イージス、確かにかなりの長さに疲れますよね。勝手ながら、「イージス」を面白いと思えたならば・・・さらに福井さんを好きになって欲しくて、おすすめを一つ書かせていただきたいなと。

      「 Twelve Y.O.」、気が向いたら読んでみてください。イージスの半分以下の文量なので、さくっと読めます。世界観もつながっているし・・・(コレの数年後にイージスとなります。共通の登場人物も出てきたりして♪)

      2017/10/25
  • この本は、私の人生におけるとっておきの一冊です。如月 行…。彼の名前を生涯忘れない。福井晴敏さん、素晴らしい作品をありがとうございます。

    • ひとしさん
      やっと読み終わりました。苦手分野でしたが、ちえさんの一押しということで頑張りました。いやあ、熱いですね!行がカッコ良すぎました。
      やっと読み終わりました。苦手分野でしたが、ちえさんの一押しということで頑張りました。いやあ、熱いですね!行がカッコ良すぎました。
      2017/05/20
    • ひとしさん
      スゴイですね!この大作を再読してるんですか!?行のキャラは本当に魅力的ですよね。
      それより、いよいよ望み読めるんですね!でも、望みのハード...
      スゴイですね!この大作を再読してるんですか!?行のキャラは本当に魅力的ですよね。
      それより、いよいよ望み読めるんですね!でも、望みのハードル上げちゃったかも。ちえさん、全体的に評価低めですよね。なので、望みももしかしたらイマイチかも(^^;;人によったら感じ方もだいぶ違いますからね。できればあまり期待し過ぎずに読んでいただければと(笑)では、また感想をお待ちしてます!
      2017/05/20
    • ひとしさん
      なるほどぉ!3でもかなりいいんですね!(笑)じゃあ、5個だと要チェックですね!「蜜蜂と遠雷」は、読んだ人に聞くと結構いいって話も聞きますが、...
      なるほどぉ!3でもかなりいいんですね!(笑)じゃあ、5個だと要チェックですね!「蜜蜂と遠雷」は、読んだ人に聞くと結構いいって話も聞きますが、私のジャンルではないからこの先読むことはないかと(^^;;
      とにかく、自分にとって大切な本を見つけられたら幸せですね!
      2017/05/20
  • 祖国救済の大義のもと暴走したホ・ヨンファと、日本のある組織に息子を暗殺された恨みを持つ宮津が、手を組み復讐する物語。

    この作品は以前読んだ「終戦のローレライ」、「川の深さは」と何か通じるものがあるため、福井晴敏さんの作品を知る人はより一層楽しめるはずだ。私自身、行を保やフリッツと、仙石を桃山と、そしてヨンファを浅倉と、それぞれ重ねて読んでしまった。それと同時に、これだけ読者の心に残る登場人物を描ける、福井晴敏さんの小説家としての力量にあらためて感動した。

    できるだけ短い期間で読み切りたかったが、思いの外長い期間での読了となってしまい、多少大づかみになってしまった。必ず再読したいと思う。

    hsさん、「川の深さは」に引き続き、また、このような素晴らしい作品を紹介してくださり、本当にありがとうございます!

    • hs19501112さん
      ここで、自分なんぞに言及くださってたのですね・・・(気づくのが遅くて、スミマセン)
      ここで、自分なんぞに言及くださってたのですね・・・(気づくのが遅くて、スミマセン)
      2016/09/07
  • 本を開くと、まず登場人物の数に驚かされる。その数36人。
    名前を覚えるのが苦手な私は、大丈夫か・・?と不安になる数である。
    しかしそんな心配は、文豪福井アニキの小説には無用なのだ!

    一人一人の人物のキャラが濃すぎる。無駄な人物なんて一人もいない。これまでに、全ての登場人物に感情移入できる小説があっただろうか・・。
    すごいのは、こんなに濃いキャラだらけなのに、ストーリーが決して薄くないことだ。スケールの大きいストーリーに、延べ30人を超える登場人物が、なんとも絶妙にコラボっている。
    映画も良かったけど、本のほうが好き。
    この本はもう読みすぎて、ここが好きさ!という箇所に付箋を付けすぎて、新品時代から比べ10g位重くなった。

  • 父親を殺めてしまった過去を持つ如月行。妻と娘に捨てられた先任伍長の仙石。息子を失った人望厚い幹部である宮津。三人の海上自衛官はそれぞれの事情で最新鋭のミサイル護衛艦「いそかぜ」に乗り込む。それは首都東京と一千万人の都民を人質にした大掛かりなテロの始まりでもあった。

    国を護るとはどういうことか。戦争とは何か。
    日米問題や北朝鮮問題を背景に、政治・国防・外交において現在の日本が抱える矛盾と問題を赤裸々に晒し読む者に問いかける。
    非常に濃いテーマを軸に、しかし描かれているのは人であり気持ちである。仙石と如月の物語であり、宮津や自衛官たちの物語である。そこが読ませる。
    アクションあり、人情あり、どんでんがえしあり。多少、都合が良すぎというか運が良すぎると思わないでもないが、息もつかせぬ展開で最後まで駆け抜ける。その筆力は凄い。

    そして、なんと言っても読後感の爽やかさが驚異的だ。
    はっきり言って事件は悲惨だ。結果も悲惨だと思う。決してめでたしめでたしとは思えない。それでも事件後、すべてが終わった後の描写があまりにも優しい。こんなに救いようのない話でこんなに救われてしまっていいのか、と思わずこれまでを振り返ってしまうぐらいちゃんと救ってくれている。
    この作品自体が国家規模の壮大な物語と見せかけて、実のところは仙石と如月の物語だったんだよな、と思ってしまう所以だ。国としては救えなくても個人としてなら救えてしまえるのだ、結局のところ。

    面白かった。本当に面白かったし、凄いと思う。
    でも、このテーマの重さと現実の怖さを考えると、暢気に面白がっている場合なのかと怖くなる。
    日本の行末はどうなるんだろう。今何をすべきなんだろうか。と。 (2005-08-11)

  • 福井晴敏の最高傑作。割と厚い本だが一気に読んでしまった覚えがある。
    設定的には前作「Twelve Y.O」の続編だが、ここから読んでも十分面白い。

  • 福井作品第三発目。
    私が福井ファンになったきっかけの作品。福井作品には藤子不二雄作品でよくある「ブタゴリラはドラえモンでいうジャイアンね」みたいなキャラ設定のパターン化があるけど、それがイージスで一番しっくりきている。分厚くて重いけど、エンタメ要素盛りだくさんなのでテンポよく読めます。ページが進むにしたがって「読み終わっちゃうのが寂しい」と思わせる。

  • 専門用語の漢字がいっぱいでなかなか進まなかった。お涙頂戴が否めない。

  • 長いくて途中で辛くなってしまった。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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