わたしは猫の病院のお医者さん

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 14
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062097147

感想・レビュー・書評

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  • 医療者の立場から、猫とキャットラバーたちのエピソード。気軽に読めました

  • とくに会話の文体が、翻訳かと見まごうほどぎこちないように思うのですが、途中で以下の文章に出くわしてなんとなく合点がいったのです。

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    わたしたちドクターは、常に飼い主の気持ちを理解していなければなりません。しかし飼い主とまるで同じ気持ちになってしまうと、大きな悲しみと苦しみまでも背負ってしまうことになります。何年かこの仕事を続けていると、飼い主の立場になって考えることはできても、同じ苦しみを背負うことをいつのまにか避けていることに気づきます。…(略)常に死と付き合っていかなければならない病院では、感情をコントロールすることがドクターにもスタッフにも時として必要になるのです(p.217)。
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    この、著者の飼い主との距離感が、どこか現実味のない台詞描写に表れているのか、と感じました。そのおかげで、状況からすればかなり悲壮感漂っているはずの第4章「小さな命が終わるとき」も、涙は出るのですが結構すらすらと読めてしまいました。また、カリフォルニアでの研修期間での出来事と、日本での診察風景がごちゃまぜに出てくるのですが、それもしっくりこない翻訳調の台詞(日本の場面であっても)のために、あまり違和感なく受け入れられました。

    内容も、人工的な文体の貢献度も高いのでしょうがまるで小説のようで、一般の猫飼いブログでは目にしないようなお話ばかりでした。また、著者の冷静な視点からの細かな状況描写や、飼い主の心理分析も、猫飼いとして非常にためになりました。章割りも的確で整理されています。続編が出ていたら是非また読んでみたいと思います。

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著者プロフィール

1962年、東京に生まれる。獣医師。北里大学区獣医学部卒業。厚生省(現厚生労働省)厚生技官を経て、千葉県岩井町(現南房総市)で動物病院を開業。94年米国カリフォルニア州アーバイン(当時。現在は移転)の猫専門病院「T.H.E. CAT HOSPITAL」でネコに特化した医療を学ぶ。帰国後、東京・千駄ヶ谷にネコの専門病院「キャットホスピタル」を開業する。
著書には『ネコの真実』(中日新聞社)、『ネコともっと楽しく暮らす本』(三笠書房)、『愛するネコとの暮らし方』(講談社)、『痛快!ねこ学』(集英社インターナショナル)、『0才から2才のネコの育て方』(高橋書店)、などがある。

「2021年 『愛ネコにやってはいけない88の常識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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