幽(かすか)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 53
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062098557

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  • 『無縁』
    内容について
    血が繋がっているからといって特別な関係だとは思わないという感覚は分かる。
    欲望から男と女が交わり、男は性欲を満たすことができればよく、女は情が深くなっていく。
    「男の頭を自分の乳房の間に抱えこむようにしていつくしんだ。」
    女のその深い情が、疎まれるのは嫌だから、深い情を隠して、性欲に都合の良い軽いと言われる女になることもあるだろう。
    そうして女もひらりひらりとしながら、それが本当に求めるものではなく、その中で深い情を注げる男を求めていることもあるだろう。
    結婚も同棲もせず、吉行淳之介が求めた関係のように。
    鯵の頭と開花しなかった植物、それは印象的な画。
    最後、ナイフのあたりは、ついていけない。
    象徴として捉えていけばついていけるか?

    突慳貪(つっけんどん)

    『幽』
    松浦寿輝を読んでいる人はいるかな?とSNSで名を検索すると、古井由吉と共に松浦寿輝の名が出てきたからだろうか、沙知子と伽村が家で2度目の酒を飲むところの伽村の情欲の描写が、古井由吉『杳』と似ているなと、ふたりが繋がった。
    男のその気持ちのおこりと、起こった気持ちの弱まり、揺らぐ気持ち、特にその弱まりは小説以外ではなかなか表されているものに出会わない。
    気持ちのおこりによって、歌ならばぐっと盛り上げてサビに達し、映画ならば気持ちのおこりに任せた身体の重なりが情熱的なまま映されることが多い。
    歌や映画のその盛り上がりの部分に、隠された弱まりが見えずにあるのか。
    弱まりは、表すとシラけてしまう事実か。
    女の側の気持ちのおこりと弱まりのようなゆらめきは、もうどこかで表されているだろうか?

    人それぞれに、よく使う言葉があり、松浦寿輝は夕餉、、、、その小説の重要な一部だ。
    常用されないから、読み方がわからず、読者に手書き辞書で漢字を調べるために、本を横に置きスマホで手書きする手間を強いる。
    調べるのが面倒な人も、同じ言葉が頻発したら調べるだろうし、なんとなく分かるでは納得できないくらい興味を持つ人ならば調べるし、意味がよくわからない言葉や読み方が分からない言葉ってすごく引っかかって気持ち悪い、その気持ち悪さが印象に残って調べるまたはその言葉が印象に残る。
    言葉が小説世界を作り出しているんだなと思う。

  • 丑三つ時から未明に移る間際に読み終えた。『花腐し』よりはよかった。というより、¨マシ¨って言い方のほうが合ってるかな。そんな程度のもの。

  • 四篇の短編。練り上げられた精緻な文章は字面を眺めるだけで十分酔える。削ぎ落とされた簡潔な文体には、迂闊な読み方を許さない緊張感がある。警句的な一行、含蓄のある一行一行に、一々立ち止まり考察を余儀なくされた。読み通すには相当なエネルギーを要する。再読が楽しみな良書。

  • 屈折感の強い文章で、一度では、理解できなかったので、また何回か読み直そうと思います。

  • 川だ。
    表紙のポーズにビビったんだけど、やってみたらカンタンにできた。

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著者プロフィール

作家・詩人

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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