地の掟 月のまなざし

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 407
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062100342

作品紹介・あらすじ

第37回野間児童文芸賞受賞の『月神(げっしん)の統(す)べる森で』に続く連作長編第2弾
縄文から弥生へ。まぼろしの超古代にいどむファンタジー

すべての自然には神が宿り、人はその恵みによって生かされている、と信じられていた縄文の時代。数千年続いたその平和を脅かす、新来の弥生の民との闘いの火ぶたが、今まさに切られようとしていた、その時──。縄文のムラと、弥生のクニに、それぞれの時代の命運を握る、ふたりの少年が現れた。動物のカムイに育まれ、ムラの救い主になるべく宿命づけられたポイシュマ。女王ヒメカの甥であるにもかかわらず、クニを逐われるワカヒコ。ふたりの出会いが、また新たなる運命の歯車を回していく──。

感想・レビュー・書評

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  • 縄文文化はアイヌを参考にしているとあとがきにあり、そのモチーフを強く感じていたので納得です。
    異なる人間の集団とは戦うものだと思うので、争いは避けられないものだろうが、ワカヒコはどうするのか。これからどんな物語に収斂するか楽しみに読みます。

  • 前巻は始まりに過ぎなかった!
    今まで知っていた狭い価値観から新しい世界を知り、進め、少年たちよ。…ていうか、ヒメカよぉ。。。

  • シリーズ第二弾。
    明らかになるヒメカの秘密。追われる形でクニを出たワカヒコたちは、故郷に戻れるのか?

  • 俄然面白くなってきた!
    どうやらシリーズと言うより、一つの長大編と受け取るべき作品のようだ。
    5冊を順番に読み進めていこうと思う。

    ムラの暮らしの描写が興味深い。
    ポイシュマの緩やかな成長が微笑ましい。
    一方のクニ側ではヒメカの秘密とワカヒコとオシワの関係構築、そして逃亡。そうこなくっちゃね。
    複雑な背景と感情、賢さを備えたオシワの存在が気になる。

    ここから二人の運命がどう転がっていくのか。先が楽しみだ。

  • 相変わらず挿絵が美しいです。
    ワカヒコとポイシュマがそれぞれ別々にクニとムラに帰り、再び会うまで。
    お互いが自分の世界を味わって再会する、という感じかな?
    一巻でとりあえずわーっと事が起こって、なになに?どうなってるの?という感じで進んでいて、ここで背景などがわかる、と。
    それでも、ヒメカがあんまりにもあんまりでびっくりしたわ。
    あと、マユハとか存在を忘れていた。

    ムラ会議でポイシュマがムラにいることをよしとしない考えがあり、ポイシュマはムラを出て行こうとするが、クマに襲われ、倒し、そのことで、ムラに迎えられる。
    ワカヒコはヒメカに濡れ衣を着せられ牢に幽閉され、秘密を知ったホムタと託宣を受けたユツとともに火あぶりにされるところだったが、月の船に助けられ、ヤタカを加えポイシュマの暮らすムラへ向かう。
    アテイルは
    一人は知恵を、一人は言葉を、一人は運命を、そして残りの一人は災厄を携えてやってくる客
    を迎え入れることにし、ポイシュマとワカヒコは再会を喜ぶ

  • こども向きで、よい本ですね。
    冒険部分だけじゃなくて日常も描かれていてほのぼのしました。
    シクイルケが聖人君子すぎてちょっと物足りないかな。

  • ワカヒコの回。疎まれる理由とか、ヒミカの罪とか。ヒミカまったくだめじゃんね
    ヒミカの葛藤が見たいなあ。
    ワカヒコの受け入れられ方も興味深い。民族同士の争いの火種をなんとか消そうとする。現在もし続けるべき努力だなあ。

  • 1巻も良かったけれど、2巻はアテルイのムラで暮らす事になったポイシュマの日々の暮らしと、ヒメカの国に帰還したワカヒコが陰謀に晒され、話が動き出して益々面白くなってきました。“クニ”の方のホムタとその母の考えは現実的でシビア、冷たいようだけれど、現代の価値観と通じていて一概に批判できないです。ポイシュマとワカヒコが再会し、また農耕だけでなく経済活動の概念も出始め、今後どのようにクニとムラは向き合っていくのでしょうか。

  • 前作、「月神の統べる森で」の Review で書いたいくつかの否定的なポイントに関して、まだまだ十分とは言えないけれど少しずつ解き明かされてきている感があって、KiKi には楽しい読書となりました。  縄文側のポイシュマと弥生側のワカヒコがそれぞれの世界に帰ってからの生活の描写が描かれるのと同時に、前作では一方的な悪役扱い(?)だった弥生側の事情も少しずつ明らかになってきたのが何よりも嬉しい1冊でした。

    月と蛇が出てくるあたりは日本古代史を舞台にしたファンタジーでありながらも、ファンタジーのお膝元のケルトっぽさも感じさせ、人間っていうのは所が変わっても案外同じような感性を持って暮らしていたんだなぁと何だか嬉しくなってしまいます。  第2巻にして、この段階ではまだまだ物語も動き始めたばかりだったんですねぇ。  運命的な再会を果たしたポイシュマとワカヒコのこれからに期待が持てそうな終わり方がなかなか素敵です。

    (全文はブログにて)

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