日本の敗因 歴史は勝つために学ぶ

  • 講談社 (2000年1月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784062100373

みんなの感想まとめ

歴史を学ぶことの重要性を説き、過去の失敗から未来への教訓を引き出す内容が魅力の一冊です。著者は、日本軍の敗因を多角的に分析し、戦略ミスや官僚主義の弊害、さらにはアメリカの世論を巧みに利用する必要性につ...

感想・レビュー・書評

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  • 小室直樹は日本軍の敗因分析を生涯の仕事と考えていた節がある。歴史にイフはない、みたいな語呂が良いだけのまやかしをぶった斬り、過去を反省してシミュレーションする大切さを説く主張にも物凄く共感する。わざわざ思考停止させるような、このような呪文を信じてはいけない。その挑戦を見てみたいと、本書を楽しみにしていた。

    重要なポイントは、ロドンビューロクラシー。腐った官僚主義。戦略ミスが幾つもあった。例えば、戦力を誇大アピールしてでも敵を日和らせるという発想の欠如。大和や武蔵といった戦艦を隠していたが、これは見せびらかすべきであった。サプライズには、戦略上、その瞬間のギャップにしか意味がない。或いは敵に油断をさせるという戦略もただの独りよがりな期待に過ぎない。

    ー アメリカの物量に敗けたとする意見もある。だが、これは迷信である。「物量に敗けた」とは、裏返せば、「物量が十分であれば、敗けることはなかった」となる。

    ー 女性たちは、さかんにルーズベルトに質問した。「あなたは戦争をやるつもりか」と。ルーズベルトは言明した。「重ねて、重ねて、重ねて、何度でも繰り返して誓うが、貴女がたの息子を戦場に送ることはない」このような公約で三選を果たしたルーズベルト大統領が、どうして戦争ができるだろうか。みずから進んでは、絶対に戦争はできないのである。日本は、アメリカ世論における反戦論とルーズベルトの選挙公約を活用するべきであった。

    さらに不必要だったのが、アリューシャン作戦。アリューシャン攻略のために、二艦の製母が割かれたが、これが余計だった。ミッドウェー海戦に集中すればよかったのだ。アリューシャンから東京まで飛んでこられる爆撃機など、この当時はなかった。だから、アリューシャンなどは、戦略上、少しも意味はなかったのだ。それもこれも、東京が爆撃を受けたという事実がもたらした心理的なパニックであったという。

    また「捕虜になった者は死刑に処す」という地獄の法。兵站の不足。精神主義。幾らでも学びはある。イフを繰り返すことを恐れず、批判を臆さず。

  • 「こうすれば戦争を回避できた」「こうすればアメリカに勝てた」の部分は「そんなに都合よくいく訳ない」主張だが、それでも何かしら知恵を絞って考えてみることが重要なのだと思う。

    戦争の目的は?という問いに対する「勝つことだ」というごく当然の答。

    「戦争はいけません」という思考停止よりはよほどまし。

  • どう失敗したかと言う戦史分析は多いが、どうあるべきだったかをデータに基づいて具体的に提示しようとするこの本はそれらとは一線を画す。

  • 大東亜戦争の敗因を探ることにより、現代にも続く日本人の弱点を考察する内容。主題の内容よりも主とするのは大東亜戦争時の詳細な軍備解説。
    これだけ詳細なデータと戦力を基にして考察する一書はそうそう出会えない。さらに小室直樹の地に足のついた史観も随所に的を得るものであり、見ていてる者としては戦力構成や参謀本部が如何なる組織だったのかを具体的に知ることができる。
    変に史観に偏るものではなく、あくまでも詳細なデータと背景をもとに考えられる戦争の様子は偶像でしかない戦争の考えを覆すものになる。

  • 戦争反省・戦争研究のベクトルは『戦争は悲惨悲劇反対』ではなく『次はどうやって勝つか』に向けられるべきである。超進歩的で建設的な大東亜戦争研究本。

  • 歴史から学ぶのは大切。

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年、東京大学から法学博士号を授与される。2010年没。著書は『ソビエト帝国の崩壊』『韓国の悲劇』『日本人のための経済原論』『日本人のための宗教原論』『戦争と国際法を知らない日本人へ』他多数。渡部昇一氏との共著に『自ら国を潰すのか』『封印の昭和史』がある。

「2023年 『「天皇」の原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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