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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062100540
感想・レビュー・書評
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日本人の差別意識を考えさせられる小説。
日本の歴史を知るべきなのかなっと考えさせられました。
正直、日本の歴史や経緯は詳しくありません。でも、自分は日本人だからこそ歴史を知る必要が必須ではないのかと思いました。
少し、重く考えすぎかもしれませんが・・・
物語自体は全体的に重い感じではなく面白さはしっかりありました。
どのような展開になるのか、楽しめながら読めます。
そして、自分はどう思われようが自分自身は変わることがない。
人の評価に振り回されないようにしたいと思います。
誰もが読む価値のある小説ではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつものように内容は一切確認しないで読み始めたが、何のきっかけで読もうと思ったのかは思い出せない。
内容は、在日コリアンが差別と向き合いながら懸命に生きていく物語で、主人公に純粋さとヒーロー性を感じら、気持ち良く読み進められた。
ネットに無責任に書かれた事実だけでは分からない在日コリアンの苦悩と内情が理解できた。
ネットなどの表面的な評価だけ見れば、日本が気に入らないのなら出ていけばいいという思いに至るのかもしれないが、当事者の苦悩と実情を知った上で公平に判断すべきことだと思う。日本人の立場から見れば、現在の状況は互いが負のスパイラルが絡まり合っているように感じる。
本書を選んだきっかけは、韓国関係の本を読んだ際に当事者の立場で書かれた本を読んでみようと思ったのだと思うが、お互いの内情に踏み込みお互いを知って柔軟に判断すべきと感じ、考えさせられる1冊であった。
⭐️4.5 -
読んでよかった。
今年のベストに入る。
とてもとても良い小説でした。
読み終わった時、「在日コリアンを描いていることを“抜きにしても”/”関係なく“素晴らしい青春小説」、という時折色々な作品の感想で見る定型句が自動的に頭に浮かんで、それが自分の素の感想だとは思わないし思いたくないのだけど、とにかく浮かんでしまったことにもう自分の頭を殴りたかった。
そういうところだよって。
まさにマジョリティの傲慢。
杉原が叩きのめしたかったのはそういうものじゃないかって。
本当に素晴らしかったのだけど、読んでいてとても苦しかったのは、この作品が書かれてから随分と経っているのに、まるで変わっていない、どころか悪化していることを知っているから。
「いつか、俺が国境線を消してやるよ」
というセリフは見事だったのだけど、そうなっていない。ごめんね杉原、ごめん。
「ジニのパズル」(崔実)を読んでいるので余計にね…。
昔はこんなだったんだね、と思えないことがとても悲しい。
それとまた別の意味で、古びなさに驚いた。
文章最高!
全然古くさくない。
読んでいてとっても気持ちが良かった。
比喩の選び方もみんな素敵。
大好き。
あと、作者が作品を見る視野がすごく広いなと思いました。
他の作品も読みます。
登場人物がみんな良かったなぁ…。
生き生きと躍動してた。
正一大好きで、だから読み終わっても、彼のことをまだ消化できない。
でも消化できないままでいたいと思います。
安易に消化してはいけないのだと思います。
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アイデンティティやルーツが誇りではなく障壁となっていたり常に意識せざるを得なかったり。在日という言葉の冷たさにもハッとしました。もっと知らなければいけない事ですね。ライ麦畑を思い出す雰囲気で青春小説としてもすごく熱いし、父との信頼関係がよかった。
"この前、電話を切ったあとに気づいたのだけれど、僕たちは会う約束だけを取りつけて、何をするかについてはまったく話し合っていなかった。きっと、僕たちは、ただ会いたかったのだろう" -
「自分はナニモノなのか…」読んでて考えさせられました。別に日本人じゃなくてもいーじゃん!そうだ!アメリカ人になろう!ってゆー生き方…
憧れます。
井の中の蛙じゃだめだ!もっと広いところに目を向けて生きて行こうじゃないか! -
こんな痛快な小説を読んだのは久しぶりだった。シリアスなテーマナはずなのに,軽妙なテンポで話が進んでいく。コリアン・ジャパニーズの味わってきた差別を笑いに換えてしまう強さと筆力にどんどん惹きこまれた。
苗字しかしらない「桜井」との恋愛は,在日の告白を避けて通ることができず・・・暗礁にのりあげるかに見える。
「俺は俺であることからも解放されたいんだ。俺は俺であることを忘れさせてくれるものを探して,どこにでも行ってやるぞ。」
このことばにおしつぶされそうになっている時,いきなり光明が見えてくる。後味の良さに思わずHPを更新したくなった。 -
在日朝鮮人、在日韓国人の心情がわかりやすくテンポよく描かれている。人種や国籍が違うと元々のルーツは一緒なのに不当な差別を受けることの理不尽さ。男子高校生が現実に悩み苦しみ立ち向かっていく。硬派でかっこよくエンタメ要素もあるので、スタイリッシュに読めてオススメしやすい。
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「僕は在日朝鮮人だ」
在日と聞いて日本人はどう意識するだろうか。
「在日」
この言葉が意味するものはなんであろうか。
日本で生まれて日本で育った。
なのにルーツは朝鮮籍。自ら望んだのではなく生まれた時からそうだった。
なのに日本人ではなく在日という言葉を使われ、それだけでなく差別の対象となるのだ。
私たち日本人は多様化、平和という言葉を愛するが一方で在日に対して冷ややかな視線を浴びている。
なぜ日本で生まれたのに差別対象となるのだろうか。なぜ人は他人を差別してしまうのだろうか。
アイデンティティとは何か。人とは何か。
自ずと答えを導いてくれる。
小学校の教科書で採用してほしい、そんな特別な一冊である。 -
スカッとする青春小説が読みたくなって本棚から久しぶりに引っ張り出した。青春小説であり在日小説でもある。でも暗くはない軽くもないけど重くもない。国籍を朝鮮から韓国へ変え、朝鮮学校から日本の高校に進学した杉原の、これは青春小説である。在日韓国朝鮮民族(ここで二つに分けるのもどうかと)や朝鮮学校について知らないならおすすめ。
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2021.19
これは良書。
難しいテーマを親しみやすく扱ってるので非常に読みやすかった。
国籍、差別、偏見など色々なことを考えるきっかけになる本。
是非子供にも読ませたい。 -
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いい小説を読んだという読後感。一気に読めました。
杉原の伝記だと感じました。「在日」に私は馴染みがなく、身近にいない(知らないだけかも)ので新たな知識となりました。在日に馴染みがなくても日本という場所で同じように扱われてこなかったということだけは知っていました。
主人公はすぐ手が出ちゃう人ですが、暴力とかケンカとかの話が苦手な私も読める程度、むしろ清々しいほど主人公強いのであまりそこは気になりませんでした。
直木賞をとったとのことで初めて金城さんの小説を読みました。直木賞に選ばれるってこういう作品なんだって直木賞とった他のも読んでみようと思ったのと、金城さんの他のも読んでみたいです。
人にオススメしていきたい本だと思います。特に桜井にこの本読んでほしいって思います。 -
さらっと読める青春小説だが、内容は深い。軽快な筆致が余計に心にこたえる。この国で生まれ育った子どもたち(と親)が、国籍が違うというだけで国からも社会からも差別を受ける日常がさらりと書かれている。それから在日朝鮮/韓国コミュニティ内での同調圧力も(日本の高校を受験するのを歓迎しない民族学校とか)。こちらのほうはあまり知らなかったので興味深かった。自分がもし日本社会と朝鮮韓国コミュニティ双方から互いを意識した圧力や差別意識にさらされる毎日を送らなくてはならなかったらと、考えただけでしんどくなる。
李くんが本名で嫌な思いをすることなく暮らせる国に変えていきたい。
最後にタイトルの意味なんだけど、これはやはり英語で「行く」を意味するGoなのかな?碁ではないですよね… -
歴史を知ることの大切さ。知ろうとすることの大切さ。本当この本の1つのテーマであろう人種や国籍って何なんだろうと考えさせられる。同じ1人の人間だけども、国によって見方や捉え方が違い、それが世の中に蔓延っている。そんなもの取っ払って、知ろうとすることの大切さ。主人公のお父さんがボクシングを教える時の、リーチの長さが自分を安全に守れる範囲などの話が好き。
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2022/09/09
教えてもらった。教えてくれた人の一番好きな本らしい。あんまり読むことのないジャンル。ちょうど韓国人の推しが日本語ちゃんと喋れないのがかわいいって言うことは、みたいなものを見たあとやったから読んだときちょこちょこ思い出した。
p223「僕は真面目に受験勉強を続け、オフクロは真面目に自動車教習所に通い、オヤジは真面目にゴルフ場に通った。」 -
youthful days!
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バイブルです。
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面白かった。誰にでも書けない小説だった。
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自分の中でもトップクラスに好きな物語。
映画も見たことがあるけれど、本で読むと映像とリンクしながら読めて、感情移入しやすかった。
主人公の生き様がめちゃくちゃかっこいい。
生まれた環境の複雑さ、理不尽な出来事が日常茶飯事の生活、信じられないような絶望、自分という存在に向き合いながら、何事にも屈せず、自らの信念を突き通す力。こんな強く、それでいてまっすぐな姿は憧れる。
性格は遺伝子の部分も大きいかもしれないが、やっぱり環境が一番影響を与えていると思う。自分はどれだけ甘い環境でこれまで生活してきたのか、なんだか自分自身がちっぽけで惨めに感じてくる。
生まれとか名前とか過去とかそういったものにとらわれないで、目の前のその人間に向き合えるようにならないと。
「名前ってなに?
バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても
美しい香りはそのまま。」
この主人公は誰よりもかっこいい。 -
在日朝鮮人の杉原の苦悩と青春の話。
身近に外国人がいないため、国籍について考えたことは皆無でした。
アメリカに生まれていれば韓国系アメリカ人なのに、日本だと在日韓国人になる。
その違いは大きい、はわかる気がします。
20年近く前の作品の為、現在は随分変わってきているとは思いますが、杉原の苦悩がリアルに伝わります。
重く大切なテーマではあるのに、若者の恋愛小説としたことで、身近で分かりやすい作品になっていました。
素晴らしい作品だと思います。
クドカン監督の映画も、すぐに見る予定です。
著者プロフィール
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