夏の約束

著者 :
  • 講談社
3.10
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本棚登録 : 112
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062100809

作品紹介・あらすじ

八月になったらキャンプに行こうって、みんなで約束したのだった。芥川賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 気になって早速読んだ かつて芥川賞の「夏の約束」152頁の小品で明るく軽いけど実はとても重い本だった。恥ずかしながら てっきり女性だと思っていたけど、外見は違っていて中身は女性の福岡出の作者さんだった。そしてこの本を芥川賞に推した人たちの識見と言うか時代と言うか多分 昔だったら無かっただろうな と感じながら読了した。それでも今でも住み難いのでしょうねぇ!とりわけ偏見の強い国だからなぁ。

  • 恋人同士のマモルとヒカル。二人のやさしく流れていく日常を綴っている。二人はゲイのカップル。普通と“違う”関係を嘆いたり、隠すこともなく、ふわっとした文体で包み込んだその空気感がいい。終盤に込められたさりげない主張。まだまだ人から気持ち悪いといわれるホモセクシャルな関係を作者の感性で透明感を持たせた点が上手いと思う。
    私の間違いでなければ作者は男性だと聞いている。なるほど頷ける。第122回芥川賞作品。

  • 人と違うことって全然何も問題ないんだけど、「人と違ったっていい」価値観がすっかり浸透したら「人と違うこと」に意味とかアイデンティティを見出すことはできなくなるんだな。凡人には辛い。

  • 各お話の最後の方に大きめの出来事が起こるだけなので感想の言いようがないのだけれど、何となく和むような、でも根っこの方はちょっと寂しいような雰囲気が好きです。自分の欠点や世間からの批判対象となる部分を受け入れられてはいる。友達や恋人、家族に全部認めてもらおうとは思っていないけれど、すれ違うと孤独も感じる。そのリアルな距離感を、温かく描いた作品だと思います。
    読み終わってから気付きましたが、表題作で芥川賞をとってたんですね。

  • 途中、男二人の会話にちょっぴり涙しそうになったけれども、終始よくわからない空気。いわゆる複雑で繊細なのでわからないということよりも、記述の量と描写が薄すぎて、想像が膨らまずに、よくわからないという感想。なーんかこの惜しい感じ、ちょっぴりもったいない。
    でも2000年にゲイカップルの小説を書くってセンセーショナルなことだったんだろうか?とかそっちのことを考えてしまった。

  • 第122回芥川賞。

    やれ密室殺人だ不可能犯罪だアリバイ崩しだロジカルだ、そんなミステリばかり読んでいると、こういった本を読んだときにあまりの「何も起こらなさ」にびっくりする。悪い意味では無く。
    2000年の作品だから、もう13年も前である。いわゆるオネエが(この言い方好きじゃない)テレビで引っ張りだこの今と違って、当時はまだこういった人たちは比較的表に出て来なかったんじゃないか、と思うのだけれどどうだろう。
    まあ今だって、相変わらず「ちょっとヘンな人たち」という消費のされ方しかしていなくて(芸能界でオネエ以外にセクシャルマイノリティを告白している人間は極僅かである)、だからこの作品の、当たり前の日常というものがそういった人たちにも存在している、というメッセージは、今でも十分に通用するものではないか。
    それは勿論、歓迎するべきことではないのかもしれない。

  • 装丁と題名だけだと、小中学生くらいの子どもの話なのかな~と思ったんですが、読んでみたら全然違うので驚きました!
    ゲイ、トランスジェンダー?女装家?、売れない作家、など何となく世の中のド真ん中本流から外れてしまったような人たちが出てきます。類は友を呼ぶ・・と言っちゃあいけませんよ。
    彼らは、そのことを取り立ててマイナスに思うわけでもなく、「普通のこと」として生きていて。
    トイレの個室の壁にあんなような落書きをするサラリーマンっているんだな・・・て違う所で、ふ~ん。って意外に思いました。

  • 「八月になったらキャンプに行こう」そう約束していたマルオたち。発起人はオカマちゃんのたま代だ。マルオと彼を取り巻く心優しい人々の、ある夏の物語。
    主人公のマルオはゲイでヒカルという恋人がいる。堂々と手をつないで町を歩く。小学生に卑劣な野次を飛ばされたりするが、マルオは黙って受け流す…。
    あまりにも淡々としすぎて、読んだ後ちょっと呆然としてしまう。 “差別”というテーマにしてはおとなしすぎるし、本当に、起伏のない日常を描いたって感じ。この中にどんなメッセージがあるのか、私には分かりません。
    ☆芥川賞

  • 芥川賞受賞作。
    さくっと読めました。
    わりと明るくてさっぱりしていて、嫌いではないかな。
    マルチーズのアポロンかわいい、と、ただそればかり考えていました。

  • え?これが芥川賞?と思った

    いかにも2000年!って感じ

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著者プロフィール

藤野千夜(ふじの・ちや)
一九六二年福岡県生まれ。一九九五年「午後の時間割」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。一九九八年『おしゃべり怪談』で野間文芸新人賞、二〇〇〇年「夏の約束」で芥川賞受賞。

「2019年 『掌篇歳時記 秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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