ぼんくら

  • 講談社 (2000年4月1日発売)
3.84
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062100885

みんなの感想まとめ

心温まる人間ドラマと緻密な謎解きが魅力の本作は、江戸下町の長屋を舞台にした物語です。主人公の怠け者同心・井筒平四郎が心の内を語りながら、次々と巻き起こる事件に挑む姿が描かれています。登場人物たちの個性...

感想・レビュー・書評

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  • 宮部さんの時代物である本作を手に取ったのは
    『きたきた捕物帖』シリーズ以来ということになります。
    でも、本作は25年以上前の作品となるのですね。

    何かと面倒くさがり屋の主人公平四郎が
    心の内を語るという文体は、
    『きたきた』の北一が語るそれと似ていて、
    読む側に「そりゃそうだ」「しかたがないねえ」「いきだねえ」などと
    いちいち合いの手を入れさせてくれるような懐の深さを感じます。

    ですから、頁数はかなりボリューミーなのですが、
    謎解きの面白さに、人と人との心の交流の温かさが加わって
    読み応えあり!の読後感でした。

    どうやら本作中に残されたいくつかの謎は、
    次作『日暮らし』の中で明らかにされるとのこと。
    こちらを読むのも楽しみです。

    あ、それと本作中に登場する
    岡っ引きの“政五郎”親分や手下の“おでこ”は
    「きたきた」シリーズでも活躍していて、
    彼らを見つけて思わずほくそ笑んでしまうのでした。

  • 2013年5月14日再読

    読んでいるうちに、そうそうそうだった、といろいろ思い出しました。
    弓之助がまだおこちゃまだなぁ。かわいいなぁ。
    しかも、なかなか登場しないし。

    鉄瓶長屋で起こった殺人事件を端緒に、つぎつぎ騒動が起き、住人はどんどん減っていく。
    地主の湊屋の面々と、新しい差配人の佐吉と、鉄瓶長屋の住人を巻き込む事件が、物語の中心にしっかりあって、「おまえさん」のほうがそれぞれのキャラがより活きて周辺の小ネタで何倍にも楽しめた感じかな。

    これはこれで、とてもおもしろかった。
    「日暮らし」も思い出されてきたけど、もう一度読み返そうと思います。

  • 休日は、ぼんくら暮らし。一日中、宮部さんを読む

    同心、井筒平四郎は、転がりこんできた家督相続に困惑してはいたが、今では何とか勤めを続けている。
    面倒な付き合いや物事からはできるだけ遠ざかり、信仰心はもとより欲も得もないさっぱりした性格の愛すべき主人公である。ただうまいものを食べると言う楽しみは人一倍あるにはあるが。

    市中見回りにはできるだけ出かけているが、身を入れて仕事をしていないにもかかわらず上役から特に何も言われないのは、人柄のせいかもしれない。

    さて舞台は「鉄瓶長屋」。ここの住人が殺されたことが発端で、次々に歯が抜けるように店子が出て行き空き家が多くなる。
    持ち主(地主)にも何か仔細があるようだし、胡散臭い人物が顔を出すようになる。

    と言うことで、事件に巻き込まれることになるのだが、彼のまわりには、特異なキャラクターが揃っていて、それが事件の解決の鍵になるような働きをしてくれる。
    コレが面白い。宮部さんの読みやすい中にも、季節感や細やかな人物描写も、読後感が爽快で面白い。

  • 2020/10/28 読了

    だいぶ前に読んだ気がするけど、もう一度!
    ぼんくらシリーズの次を読まなくては。

    前回読んだ時、私がどう感じたかはすっかり忘れてしまったけど、
    こんな井筒平四郎みたいな面倒臭がり屋さんばかりだったら
    こんな大事にならなかったのにと思ってしまった。

    憎悪が憎悪を連れてくるよね。

  • 再読
    井筒平四郎、弓之助のコンビがとてもおもしろい。
    鉄瓶長屋の一連の事件は、スッキリ決着とは言えなかったが、しょうがないのかな。
    平四郎を取り巻く世界が気持ちよくて、好ましい。
    それにしても、平四郎がお徳を助け起こそうとしてぎっくり腰になった時のことを、平四郎の奥方に話したのは誰なんだろう?

  • きたきた二を読んだら、おでこと弓之助が気になりやっと再読了。幼き二人が、やはり良き(⁠^⁠^⁠)
    平四郎、政五郎親分にお徳さん。。。骨なんて出なかったけど、鉄瓶長屋なくなっちゃった。。。
    最後にお徳さんの前にあらわれたのは、おふじ!?まじ、やな女。そもそも湊屋宗右衛門が困ったお人だ!
    だから差配人佐吉もおくめさんも、残念だ。いや結局、佐吉は、良かったのか??
    ところで、平四郎の家の庭に椿が植えられてるのがきたきた読んだあとだとひっかかっちゃった。まあ、私お得意の思い込みだわね汗

  • 長屋からひとりずつ人が消えていく。店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。奉行所きっての怠けもの同心・井筒平四郎、超美形少年の弓之助のほか、神出鬼没の隠密同心・黒豆、回向院の茂七の手下・政五郎、驚異の人間テレコ・おでこ、若き差配人・佐吉と伝書鳩の官九郎など、最強キャラクターが続々登場!

  • 久しぶりに宮部みゆきを読んでみたら、夢中になってしまった。
    時代物、いいじゃないか。

    弓之助とおでこさんがかわいい。
    『日暮し』『おまえさん』と続けて読んだけれど、もっとシリーズで読みたいな。

  • たまたまドラマでやっているのを観たら面白く、続きが待ちきれずに図書館で借りて読破。母親のことも鉄瓶長屋のことも真実を知らずにただただ翻弄され、それでも真面目に頑張る実直で律儀な佐吉さんが好き。これを読み終わった時点では少しもやもやが残り「理解はできるが完全に納得したとは言えない」といった印象。すぐに続編の『日暮らし』も借りてきた。
    [読書メータ―から]

  • 本書発行時に読んでいるが、細かいところはすっかり忘れており、テレビ放映を機に14年ぶりの再読。
    やはり、映像の力は強く、読み進むうちに登場人物に、ドラマ出演者の顔が浮かんできてしまう。
    作品がよく映像化される湊かなえ氏が、新聞のエッセイで書いている。「一度、作品を視るとどの役もその方以外考えられなくなるほど、頭の中で上書きされ、本を読み返す時も役者の顔が浮かんでくるようになります。そうなると、作品の色が少し変わって見えたりもするのですが、その変化がまた楽しく、先に本を読んでいると作品を2度味わえるな、とニンマリしてしまいます。」
    言いえて妙で、こういう楽しみも、読書の楽しみの一つと言えるかも。

  • 最初はばらばらと起こっていたように思えた事件が次第にまとまりを見せ・・・そしてクライマックスに雪崩れこんでいく辺りはさすが宮部みゆき、引きずり込まれる。普段時代小説を読まない人にも勧められる一冊。

  • 「殺し屋」から「拝む男」まで5つの短編を連続させたあと、「長い影」という中編、そしてエピローグ的な「幽霊」。すべての物語が関連しあっていますから必ず最初から読みましょう……。
    「殺し屋」の事件をきっかけに鉄瓶長屋の差配人がいなくなってしまい、新しくやってきたのは若輩の佐吉であった。しかし、それからというもの奇妙な事件が連続し、店子はひとりまたひとりといなくなっていくのであった……。
    ううむ、単に同心の井筒平四郎を主人公に据えた連続短編かと思って読みはじめたのだが、「長い影」にかかってからは、前のほうを読み直してばかりである。ぼくは分析的には読まないので、こういうやりかたにはいつも素直にひっかかって喜んでおります。正しい読者のありかたでしょう?
    面白い登場人物も多いことだし、舞台を変えてまた読みたいものですね。『霊験お初』とならびたつシリーズになるとよいなあ。ちなみに回向院の茂七の手下で政五郎なんて方も登場します。

  • おもしろかった。次が楽しみ。

  • 2017.05.01

  • 「ぼんくら」ってタイトルだから、人情味溢れる話だろうと思っていたら、殺人事件も起きちゃうミステリーだった。ストーリーが嫌。頑張っている人を騙したりしていて読んでいて不快だった。でも登場人物たちのキャラは好き。ぼんくらな平四郎が良い。

  • 連作短編6編+長編1編
    鉄瓶長屋を舞台に起こる店子達の不穏な事件.それが一つに集約されていくのが見事.登場人物もそれぞれが魅力的だが,何と言っても養子の話の出ている顔の綺麗すぎる弓之助がアンバランスな魅力で微笑ましい.

  • 江戸・深川の長屋を舞台に同心の井筒平四郎と甥っ子で美少年の弓乃助が、長屋で連続する事件の真相に挑む時代ミステリー小説です。
    この本の手法は少し変わっておりまして前半は連作短編、後半は長編という形で成り立っています。始めは殺人事件をきっかりに、長屋内で起こる様々な事件の短編集かと思いますが、後半では全ての事件が繋がっていた事が分かります。付線の回収が見事でさすがとしか言いようがありません。また主人公の二人はもちろん脇役も魅力的な人物が多く登場するので会話の掛け合いもすごく面白いです。江戸時代の生活も生き生きと描写されて(食べ物が美味しそう!)ミステリーや江戸の情緒など様々な魅力がつまった、おすすめの一冊です。

    <まろ>

  • 最初は短編集なのかと思ってしまったんだけど、よみすすめるうちに一連の事件の関連性が見えてきて という造り。

    現代ものなんかではどちらかと言えば「悪」に主眼が置かれていて、それに対峙する一般の人たち という構図が多いようにも思うんだけど、今作ではその対峙の方法を見出している感。
    世の中に不条理も悪もたくさんあるしそれを罰しきることも解決することも難しいけど、それでも生きていかなくてはならない。
    そう考えるとこれは「生きる正義」の物語なのかもしれない。

  • タイトルが最高。
    冗長、ていねいな書き方とも言える。
    ドラマになると、おふざけが過ぎてダメ。
    おおまじめに作り、くすっと笑えるからいいのに。

  • 20151020?~1028『ぼんくら2』が始まったので読みたくなった。謎解きも面白いけど、江戸時代の市井の人の暮らしぶり、息遣いが聞こえてきそうでとても興味深い。ハードカバーを図書館で借りたので、もっぱら家読み、家事がおろそかになりそう。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ・みゆき):一九六〇年東京都生まれ。八七年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『火車』で山本周五郎賞、『理由』で直木三十五賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。『霊験お初捕物控』『ぼんくら』『三島屋変調百物語』シリーズ、『きたきた捕物帖』シリーズなど著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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