天声美語

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062101813

作品紹介・あらすじ

「美人」を超えた「麗人」になる
読んですぐ役に立つ秘訣を懇切丁寧に教える。

いつ何時でもお困りになったとき、不安になったとき、心のビタミン剤として、ページを開いてみてくださいますか。
「美輪さんの言葉は、納得できるところがある」最近、そんな声をよくうかがいます。有難いことです。テレビや雑誌、講演会などの発言をお聴きになって、そう思ってくださるんでしょうか。また、生きていくうえで大切なのは常識ではなく真理を信じること、いつの時代でも本物の愛情や美しさが必ず勝利すると信じているからでしょうか。──「天使からのことづて」より

感想・レビュー・書評

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  • 美輪明宏さんによる人生のヒントが
    満載のエッセイ集です。

    ん?と思うところもありますが、
    美輪さんの人生を思えば
    そうした考え方が出てくるのも
    うなずけるところがあります。

    気持ち、心をどうもって生きるか…。
    美のちからが、心になぜ必要なのか…。

    ○○らしい美しさを追い求めて生きるよりも
    「自分らしい美しさ」を持ちながら
    生きることが大切なんだ、と
    読み終えたときには心から思えるとともに、

    ○○らしさという外から押しつけられた
    レッテルから自分の心が解放され、
    軽くラクになっている自分に
    気づくはずです。

    外から押しつけられた○○らしく
    という生き方が、つらくて仕方がない方に
    特にオススメの1冊です。

  • 〈本から〉
     知識の八方美人になれ。

    「正負の法則」

    シンプル・イズ・ワースト
    真のシンプルとは、殺風景とは違う

    中原淳一が教えてくれた美しく生きるということ

    人類は保護色の動物である
    その人が置かれている住環境、使用している小物類、
    普段の会話、読んでいる本や聴いている音楽などが、
    そのまま滋養となり、見えない膜となってその人を
    包んでいるのです。色なき色となりその人を包み込み、
    その「人となり」を如実に語っていくのです。

    世の中には目に見えるものと見えないものがあって、
    肉眼で見えないものは粗略に扱われがちだけど、
    実はそういうものこそが美を作るのです。

    めんどうくさがって利便性ばかりを追わず、
    手間暇かけて苦労して、「自分」という作品を
    完成に近づけさせていくのは、実に楽しい作業なのです。

    ”美意識”というのは、贅沢なものでも、生きていく
    うえでの余剰のものでもない。それこそが世界を
    活性化させ、社会を変えていくうえで、空気や水の
    ように必要不可欠な原動力になっていくものなのです。

    愛さえしっかりあれば、腹六分か七分で付き合う。
    できるならば、人のつきあいは、つかずはなれずの
    腹六分か七分ぐらいにとどめておきたい。それこそが
    人間関係を円滑に保つうえでの生活の智慧だと思います。

    見るひとによって、青にでも赤にでも、紫にさえ
    なりうる玉虫色。この、世にも美しい色の持つ心地よい
    曖昧さ、柔軟さこそが実は日本人の心の原点なのでは
    ないでしょうか。

    病んだ心を癒す滋養物、それは美しき「文化」である
    無機質な空間に情緒が悲鳴
    音楽、香り・・・・・心にも栄養を

    『椿姫』の描いた無償の愛が愛なき世界を救う

    若さでは敵わない洗練された美しさがある
    人生にも正負のバランスがある
    (略)
    「正」と「負」には磁気エネルギーがあるのです。
    それぞれのエネルギーのちょうど境界線に地球は
    浮かんでいるのです。よいことが極まれば、あとは
    悪いことが起こる。反対に悪いことが極まると、
    よいことが起こる。これが地球の法則。

    普段の生活と本人の醸し出す雰囲気は密接なつながりが
    あるものなのです。

  • ここ数年美輪さんの有料サイトに登録していたけれど、今年になって退会した。それでも、やっぱ
    り勉強になるなと思う。
    以下忘れたくない備忘録。

    時々は批評などするときもありますが、それはあくまでも冷静で客観的で、平和で穏やかで、ユーモア混じりのです。けっして闘争的で、下品で、また悪意に満ちた猛々しく禍(凶)々しい口調ではありません。
    P32

    洋服だけではない。たとえばお店だって、自分がそこにいて美しく映るそんなカフェやレストランにしか行かないようにするのです。
    P94

    ひとつひとつはほんのささやかなこと。けれども、その小道具のつみかさねがキメの細かい雰囲気や情緒を育んでいったのです。
    いかがですか?これで私の考える"文化としてのインテリア"の意味がわかっていただけたでしょうか。
    コチョコチョとした無駄と思われるものが、実は無駄なんぞではなく、人の精神衛生に絶対必要不可欠なものだということがよくおわかりでしょう。
    P152

    年をとったらとったで、年相応の、若い娘たちが逆立ちしても敵わないような洗練された美しさがあるのです。貫禄や存在感を手に入れなければならない。
    P190

    怨霊になっている霊に「あなたはすでに肉体がなく想念だけなんだから自分で醜いと卑下せずに美しいと思ってごらんなさい」といってあげる。そうすると、霊は「あっそうか。私は醜くなく美しかったんだ」と思い直し、安心し、心を入れかえるようになる。そうやって、仏さまのような平和な心になっていく。
    P196

  • 意外と面白かった。全て美しさを大切にすることを基本に生活することが心豊かに幸せにつながるということ。
    でも、その美しさとは、自分自身に自信を持つことなんだろうな。

    人の意見に惑わされず、自分を持つことなんでしょうね。

    男は下心で近づいてる、そうだろうな。
    やっぱりね。
    このことも改めて確信。

  • 忘れている大事なモノ、コトについて触れてある本。連載時から好きで、必ず読んでました。本になると読みごたえがあります。

  • 正直彼ほどの美意識を生活の中に常に持つことは、今の世の中ではかなり難しいだろう。
    というか、私には無理だ。
    だって美意識、平均以下だもの。

    でも、目次から引き込まれる。
    ・信仰と宗教は違います
    ここから始まるのである。

    信仰とは神様を信じて尊ぶこと。
    では、宗教とは何か。
    神様と人間の間に立ちはだかって、こんなグッズも売ってまっせと商売するのが宗教。
    1998年に雑誌に連載された文章に、既にこう書いていたのには驚く。

    美しい人生にはロマンティシズムが大切だ、とも言う。
    音楽、絵画、建築、ファッション、文学etc。
    でも演歌は大嫌いのようです。

    ”今はみんな演歌が日本の心なんだと思っているようだけど、けっしてそうじゃない。(中略)戦前の日本にあったのは演歌じゃなく「叙情歌」なんです。こぶしなんかまわさない。”
    確かにそうかも、と思いかけたけど、叙情歌もせいぜい明治の後半か大正くらいのはず。
    民謡はいつからできたのだろう?
    日本の心というのなら和歌まで行かねばダメじゃない?

    がさつで粗忽で美意識とは真逆な私だけど、心にとめておこうと思った言葉。
    ”めんどうくさがって利便性ばかりを追わず、手間暇かけて苦労して、「自分」という作品を完成に近づけていくのは、じつに楽しい作業なのです。”
    ここまで達観できるようになれればいいよね。

  • 三輪明宏氏が美学は普遍的な美と愛の讃歌。
    古くさいと思われる事無かれ。
    日々の所作やちょっとした事に手間を掛ける事も美意識に繋がる。

    この本は心が荒んだ時に手にとり読むと、確かに心のビタミン剤となる。

  • 美輪様の言葉は、心にしみます。
    普段聞かなくなった、素敵な日本語を読み起こさせてくれます。
    心の穴も埋めてもらえそうです。


    28美人より上の麗人
    洋裁の美しさのためには、クラシックかモダンバレエを習うとよい
    34自分の交際範囲の招待客リストを大切にしている
    82中原淳一 本当の美
    88人間は保護色の動物 おかれている住環境等が、滋養となり、見えない膜となって、その人を包んでいる。
    94自分がそこにいて美しく映るカフェやレストランにしか行かないようにする
    96JR九州のソニック電車
    105俯瞰する 一軒のアパートで同じ時間帯に憎しみ合っている人、寝てる人…さまざまな人が同じ時間帯を生きている。世界はオムニバス。
    120愛や文化こそが適正なお金を生み出す
    121美しいと感じるものを選びとって、積極的に生活にとりいれてゆく。そうすればどんな時代にあっても、きっと豊な人生を送っていけます。
    130服装やアクセサリーは舞台衣装、仕事場の人間は共演の役者
    144紫や金、パステルカラーは、どこかはかなげで、情緒がある
    150一杯のお茶でずっと話していられる雰囲気のある。。。場所。文化の発信地。
    162香りも大切。香合わせという遊び
    163精神におけるビタミン剤や栄養補助食品に匹敵するものは、文化
    167宇野千代さん
    170仕事さえきちんとやって他人に迷惑さえかけなければ、プライベートは何をしてもいい…あとはその人の勝手。責任を持つのもその人だし、不幸になるのもその人なんです。
    178相手に何も求めずに、相手を愛し続けられる人はいったい何人いるでしょう。
    馴れ合いが生じて要求ばかりになるのは悲しい。
    179生活というのは、『生きることを活かす』と書く。
    194この地球に修業をしにきている。自然死までがんばった方がいい。

  • 昔自費購入しました:三木(2011.03.23)
    オーラの泉で興味を持って?購入しました。初めて見た時は驚きの余り絶句しましたが、美輪さん曰く、オシャレとは強烈なインパクトだ!とのこと。確かに自ら装いで実践されています。この本では、美人を超越した麗人を目指しましょう、と説いています。普段から美しいグッズ、音、匂い、映画等に囲まれて生活することが情緒を養うというのは共感できましたが、ユーモアの一例など古―っ!と感じる節もありました。あとやや自慢ぽく聞えたり、話が矛盾しているように感じる所もありましたが、美輪さんオススメの映画や音楽は一度聞いてみようかな、と思いました。小説を読むと表現力が身につくとのことでしたので、意識して読もうと思います。

  • 「ほほえみを忘れずに。ルンルンでいきましょう」
    「強く生きるために」
    「愛の話 幸福の話」に続き、
    三輪さんの本 4冊目になります。

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著者プロフィール

長崎に生まれ、小学校の頃から声楽を習い16歳でプロの歌手としてデビューし、1957年「メケメケ」、1966年「ヨイトマケの唄」が大ヒット。
ファッション革命と美貌で衝撃を与える。
俳優としては、寺山修司の「演劇実験室◎天井棧敷」の「青森県のせむし男」「毛皮のマリー」、三島由紀夫に熱望された「黒蜥蜴」をはじめ、ジャン・コクトー作「双頭の鷲」、デュマ・フィス原作「椿姫」、エディット・ピアフの生涯を描いた「愛の讃歌」など数々の当たり役を持つ。
作家としても、衝撃の自伝「紫の履歴書」(水書房)をはじめ、「人生ノート」(パルコ出版)など数多くのベストセラーがあり、テレビや映画も、宮崎駿監督によるアニメーション映画「もののけ姫」「ハウルの動く城」への声優としての参加、「ありえへん∞世界」(テレビ東京系)にもレギュラー出演中など枚挙にいとまがない。
2012年から四年連続の出場となったNHK「紅白歌合戦」では、「ヨイトマケの唄」や日本語バージョンの「愛の讃歌」で大晦日のお茶の間を圧倒した。

「2021年 『新装版 天声美語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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