漁師さんの森づくり -森は海の恋人-

  • 講談社
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本棚登録 : 74
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062104111

作品紹介・あらすじ

森と川と海がひとつになった!著者・畠山氏の活動は小・中学校の多くの教科書に収められ天声人語などの有力紙コラムやNHK、TBS、NTVなどにも何度も取り上げられている。全国の小・中学校への講演活動、子どもたちを海に招いての「体験学習」も続けており受け入れた人数は5000人を超える。いうなれば、「森と海の親善大使」である。

感想・レビュー・書評

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  • 2000年に出た本なので東日本大震災については触れられていない。
    森の豊かさが海の豊かさにつながっているというのは、今では知られたこと、と言いたいけれど、多分まだほとんど知られていないと思う。残念ながら。
    でなければ山林をつぶしてメガソーラー作ったりしないし、植林した杉を手入れせず山が崩れやすい状態で放置したりしないでしょう。
    大抵の人間は自分の生活や目に見える範囲のことしか心配しない。戦争しかり、少子化しかり、自然破壊しかり。昨日まで100円だったものが300円になってはじめて「なんでこうなるんだ!」って言い出す。逆に言えば、100円のままだったら、何も問題なし、と考えるものである。
    こういう本はもっと読まれるべきもので、読まれないのなら動画にするとかしてなんとか届けなければいけないのにと思う。

    『苦海浄土』でも、水俣の海が豊かだった頃の描写が胸を打ったが、この本も著者が少年の頃の三陸の海が描かれている冒頭の部分が詩のように美しかった。このような豊かな海で育ち、何の疑問もなく漁師になった著者にとって、高度成長期の水質悪化は収入とか生活の変化以上に辛いものだっただろうと思う。
    まだまだこの本が果たす役割は大きい。

  • 森と海のことを中高生くらいにわかりやすく伝えるのに適した本でした。大人も入門編としてはとても良いと思います。

  • 人の気持ちがやさしくなれば、自然はちゃんとよみがえってくる。漁師が山に木を植えるということは、人の心に木を植えることでもありました。
    最後の文章がすべてを語っています。

  • 2022.08.01

  • 愛媛県の伊予灘に流れてくる漂着物は流木ばかりでした。長い川でも、流れてくるものは消えるわけではなく海をずっとぐるぐるまわり、海の生物や私たちの食べるものですら脅かすのです。
    森と川と海はつながっているということ、この本から学びました。(積読したい本として「今読んでいる」を選択しています。)

  • 4-06-210411-3 173p 2000・11・9 1刷

  • 森は海の恋人。初版からすでに10年経って増版でとてもわかりやすい内容です。自然のメカニズム、生態系がよくわかるし、自然環境の再生方法がよくわかる。そのひとつ。あとは誰がやるか?。震災後5年たち、東北の沿岸地帯は巨大な防波堤、防潮堤で覆われて、これからどう変わっていくのだろう。

  • 読み物として、とても優秀な本。興味深く、引き込まれました。

  •  ふらっと行った図書館の特集コーナー。
     気仙沼の漁師が森を育てる話は教科書で習ったな。
     有名なお話。

     気仙沼なんだよな・・。
     この森、漁業はどうなっているんだろうと思った。
     チリ沖地震の津波被害のことも出てきて身につまされた。
     
     今、森は海の恋人はどうなっているのかなとネットをたたいたら、作者も無事でいらっしゃって、NPOも活動を続けているようでした。

     食物連鎖、植物プランクトンの養分が森、川からつくられるという仕組みも超わかりやすく書いてある。

     環境教育のとりくみも出てきて、体験することが、海から川へとつないでいくことに共感。

     私がかかわるのは、矢作川流域で、三河湾⇒矢作川(碧南、安城、豊田)は、どんな状況なんだろう?と思いました。

     

  • 森ので育った木が葉を落とし、腐葉土となりその栄養分を含んだ水が海に流れ海を豊かにしている。その森を漁師が作っているというお話。「カキ三遷」なんていう言葉も興味深かかった。

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著者プロフィール

畠山凪の祖父。1943年中国・上海生まれ。漁師。気仙沼市舞根湾で牡蠣・帆立貝の養殖業(水山養殖場)を営む。1989年、「森は海の恋人」を合言葉に漁民による植林活動を始める。2005年より京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授。2012年に国連「フォレストヒーローズ」を受賞。著書に『日本〈汽水〉紀行』(文藝春秋/日本エッセイスト・クラブ賞)、『漁師さんの森づくり』(講談社/小学館児童出版文化賞及び産経児童出版文化賞)他多数。

「2022年 『ととのはたけと、うたれちゃったしか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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