僕の名前は。―アルピニスト野口健の青春

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 18
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062105019

感想・レビュー・書評

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  • 生き方に魅せられます。

  • 登頂シーンで泣いた本ってはじめてかもしれない。
    非常に感動しました。

    野口さんに関しては、彼が異端児?なためなのか、目立つためなのか、とにかくバッシングの声ばかり聞く。
    私のようなものでも彼にたいするバッシングというかあれは半分ヤッカミなのだろうが、それを知ってるぐらいだから、相当な風当たりなのだろう。

    彼の苦労、、、それは生い立ちの苦労であるが、私にはとてもよくわかる。
    私は両親こそ日本人だが、彼と非常によく似た環境に育ったからだ。
    そしてアイデンティティを捜し求めて、いまだにまだ落ち着いていないから。
    私が中高時代に山の本にのめりこんだのも、野口さんとまったく同じ理由だし、私の体に喘息という病魔が巣食っていなければ、野口さんと同じく本格的山屋になってたのは間違いない。(笑)
    植村直巳の本を読みふけり妄想するところや、漢字の書き順が違うところまでそっくりで、思わず笑ってしまった。ヤマヤだった亡父に、「ねえ、明大山岳部って女子も入れるかな」と聞いたことがあるが、「60キロの重荷を背負ってのボッカがおまえにできるか。パパでもしんどいのに。」と一笑されたことを思い出した。

    また、野口さんのお父さんと野口さんのあり方は、やはり同じように帰国子女であり、日本や世界をテンテンとしている自分の息子との自分のあり方への示唆に含まれていた。
    数多い読者の中でも、多分私はかなり深層に近い部分まで共感できているのではないかと思う。

    エベレストのゴミ拾い登山にしても、売名行為と罵られるわけですが、その気持ちもよくわかる。海外にいると「日本人は〜〜〜」と言われることに敏感になる。自分が国を代表しているような立場にたたされることがよくあるからだ。よく責められるし。。。それは日本人がマナーが悪かったりモラルがなかったり、品がなかったりするせいなのだが、そういう「いやな」国のフラッグをもつことがとてもイヤになることがあるわけで。これも非常に共感します。
    だから、日本の登山隊がエベレストにたくさんゴミを置いていく、といわれたら、それを取り去りたくなるのは彼にとってはアタリマエ。一般の日本人にとっては「売名行為」かもしれないが、私は共感できる。自分が属する国を悪く言われるのは耐えられないのだ。
    自分が属する国から出たことがない人にはそのことはわからないだろうけど。

    というわけで、アクも個性も強い野口さんにすっかり興味を持ってしまいました。
    筆者の文章の書き方も平易で読みやすかった。専門用語があまり出てこないので、山に興味がない人にもオススメ。
    思春期の帰国子女にはとくにお奨めです。
    私も子供に読ませてみようと思います。

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