歩兵の本領

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  • 講談社
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感想 : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062106245

感想・レビュー・書評

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  • 浅田次郎の青春グラフィティ小説。
    また、陸上自衛隊員が「歩兵」なのだと改めてはっとさせられた表題でもある。それぞれの話を読んでいると、帝国陸軍の内務班での生活を彷彿させるが、さすがに現代っぽく類似している。(笑)
    本来は厳しい組織なのだろうが、浅田次郎ならではの筆致と物語が温かみを感じ、ほのぼのとさせてくれます。

  • 「全国ビブリオバトル2015~首都決戦~四国Aブロック地区予選会」
    (2015年10月25日/図書館1階視聴覚コーナー)

    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=215004062

  • -2018/09/02
    浅田次郎本人の自衛隊経験をもとに書いたであろう作品。軍隊を引きずってきた自衛隊アンソロジー。浅田愛は不滅です。

  • 自衛隊市ヶ谷駐屯地内での日々の出来事。

    「若鷲の歌」
    戦中、予科練におり、特攻出撃を基地で待っていた川原准尉。戦後も自衛隊に残り、終戦日に死亡と書かれた自分の名の位牌を持ち、夜の営庭で若鷲の歌を歌う…。
    戦争を生きてきた人の悲壮感の伝わる話。

    「小村二等兵の憂鬱」
    補給品の点検を明日に控え、小村二等兵は半長靴を無くしたことに気づく。相談した森部屋長に無下にあしらわれ、夜に半長靴を盗みにいった先でも挫折し、当日を迎える。しかし、実は…なコミカルな話。
    部屋長の森士長が実はいい人。

    「門前金融」
    薄給のため、自衛隊専用の高利貸で3万の借金をする赤間一士。同じ班内には、多額の借金のために25歳で入隊した石川二士がいた。妻子がおり、子供は小学生に上がる年齢。ある月、上官はに石川二士以外の月給から500円を徴収し、あるものを買ってくる…。
    それを渡したときの石川二士の反応と、他の隊員の対応にほっこり。

    「入営」
    ビフテキにつられ、いつの間にか自衛隊に入隊することになった19歳の青年の話。
    「…軍隊っていうのはどこの国でもそうだけど、優秀な兵隊を作るんじゃなくて、クズのいない部隊をつくろうとするんだ…日本中どこを探したって、そんな学校も職場もあるわけはない…」

    「越年歩哨」
    軍隊には2種類の階級がある。階級章の星の数と、飯の数(在籍年数)。
    「軍人は星の数で部下に命令を下し、飯の数で目下を思いやるのだ」

    「歩兵の本領」
    自衛隊を除隊する一隊員(これだけ名前が書かれていなかった)と、隊員を引き止めようとする坂崎先任陸曹。
    「尺余の銃は 武器ならず
    寸余の剣 何かせん
    知らずやここに二千年
    鍛え鍛えし 大和魂」
    最後のこの短編の主人公に名前がないのは、「鍛え鍛えし 大和魂」が、「自衛隊員」の本領だから。

    第二次世界大戦ものは読んだが、自衛隊に関する話は初。
    階級出てくるけど、難しい。

  • 名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。
    世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。
    軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ!
    (アマゾンより引用)

    図書館で借りてあんま面白くないだろうなと思ったのに、意外や意外、面白かった(*´∀`*)
    オムニバス短編で、最初の話と最後の話に出てくる「私」は一体誰だったんだろう?

  • 軍隊の話かと思ったら、軍隊のような自衛隊の話だった。
    浅田さんの本を読むといつも、なんだかんだ人間っていいよなって思う。

  • 1970年代の自衛隊にまつわる短編集です。
    この時代は高度経済成長期なので、職にも困らないはずの若い人達が、自衛隊に入り、軍隊のような中で成長していく話です。
    短編集なので、読みやすく、この時代にはこのようなことも許されたのか。と思いました。
    最近自衛隊の話をよく読み、以前よりより一層自衛隊の方への尊敬、感謝の気持ちでいっぱいです。

  • 実際に「生き死にがつきまとう訓練」という特別な業務のある職種についたものしかわからない苦痛
    自身似たような職種であるので共感できた。面白い

  • 災害が続く最近、身近だけど、よく分からない自衛隊を身近に感じさせてくる短編集。

  • 1970年代の自衛隊を舞台にした九つの短編集。
    一作目を読み終えたときは、ふーん?外れかなーなんて思っていたけど、三作目あたりから浅田ワールド炸裂でした。
    鬱憤とか苛立ちとかどうしようもない理不尽さとか。そういったものの後ろに隠れているどっしりとしたあたたかさがちらっと垣間見えるところに、いつも救われる気がします。
    バトル・ラインと脱柵者が特に良かった。

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著者プロフィール

1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞を受賞。以降、一九九七年『鉄道員』で直木賞、二〇〇〇年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、二〇〇六年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、二〇〇八年『中原の虹』で吉川英治文学賞、二〇一〇年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、二〇一六年『帰郷』で大佛次郎賞を、それぞれ受賞。二〇一五年紫綬褒章受章、二〇一九年菊池寛賞受賞。他の著書に『蒼穹の昴』『天国までの百マイル』『大名倒産』『流人道中記』『おもかげ』など多数。

「2021年 『日輪の遺産 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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