- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062107150
作品紹介・あらすじ
彼らの戦いはなぜこんなにもせつなく胸に迫ってくるのだろう-ベストセラー『聖の青春』著者が放つ感動のドラマ!!夢と挫折の奨励会物語。
感想・レビュー・書評
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奨励会で26歳の年齢制限までにプロになれず退会した人物に、著者が会いに行く話。その過程で、成功した者、挫折した者のエピソードがちりばめられ、将棋の世界の厳しさと特殊性がよくわかる。一人の人間の再生が描かれている。読後感は爽快!将棋は何も奪わない、ただ与えるだけという言葉が、最後まで読んでこそ沁みる。おススメ
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個人的に将棋を趣味にしていることを差し引いても興味深く考えさせられた。奨励会でプロ棋士目指して戦っている少年たちの希望や不安、焦り、絶望などを読んでいるとスティーブン・キングの「ロング・ウォーク」を思い出してしまった。
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将棋界を知悉する作者の、奨励会の悲喜こもごもが実在の棋士も登場しながら語られる。とりわけ三段リーグの苛酷なふるい分けにより様々なその後の人生を歩む者、わけても去らざるを得なかった者たちへの作者の眼差しに感じ入る。そして自分が立てない場所 奨励会へのリスペクトと、苛酷だけれどもやはり勇気と優しさを醸成する場であるに違いない と断言する作者の温かくも厳しい思いが伝わってくる。そして、藤井聡太くんの凄さにあらためて思いが至る将棋素人の私なのでした 笑
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「聖の青春」を読み返したんだから、やっぱりこれも読まずばなるまい。
最初に読んだときは、まだ瀬川昌司さんの「泣き虫しょったんの奇跡」(これは大傑作!)を読む前だったので、本書に瀬川さんのことがちらっと出てきていたのに今回初めて気がついた。
まったく、将棋にまつわる数々のドラマティックな話の中でも、奨励会をめぐる逸話ほど胸に迫るものはないだろう。子供の頃からただただ将棋を指してきて、家族や周囲の人の期待や献身を一身に集め、プロ棋士になること以外のことを考えもしなかった若者が、年齢制限という何とも厳しい壁の前に挫折していく姿には、痛々しいなんて言葉ではとても足りない壮絶さがある。
将棋連盟で勤務し、多くの奨励会員と親しくつきあった著者にしか書けない迫真の一冊だと思う。やや感傷過多かと思われるところがちらほらあるけれど、ことこの題材に関しては、距離を置いた書き方ができなかったんだろうなあという気がする。
奨励会を去って行く人、晴れてプロ棋士となる人、登場するどの人もそれぞれに強い印象を残すが、何と言っても心に残って離れないのは、最も多くのページが割かれている成田英二さんだ。天才少年と呼ばれながらプロになれず、支えてくれた両親も亡くし、不運もあって社会の底辺にまで落ちていく。その成田さんが、どん底で苦しみながらも「今でも将棋が自分に自信を与えてくれるんだ」と語る場面には圧倒された。 -
人物が多く、場面転換も急で分かりにくい部分も多かったが、これがノンフィクションであることに驚きを隠せない。人生に躓いたときに勇気を貰える本。
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幼い時から棋士という夢にひたむきになって、でも挫折して、って人たちがどのように生きているか知ることができた。ノンフィクション小説。
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若くして天才と言われた少年達の生き残りの物語。なんとも残酷な世界だな、と読みながらハラハラさせられました。著者が言うところの`産児制限としての奨励会リーグ戦`。今も、こんな世界なのでしょうか。また、プロ野球、Jリーグ、大相撲等、プロを目指す若者たちの挫折(殆どの若者たちは大体ににおいて挫折するわけですが)に対し、各々のプロ活動を営む組織体として、挫折する若者たちに、どう向き合っているのか。どのような救済プログラム等を設定しているのか(社会復帰というか、普通の人生をどう生きるか等)、その必要性の有無に気づいているのか等、少し気になる次第です。
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2018.02
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再読
まえいつ読んだんだろう?
まえもおもしろかったけど、
今回も。。。
身につまされた。 -
加藤昌彦って加藤雅也!?と一瞬間違えた。
著者プロフィール
大崎善生の作品






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