奇跡の子

  • 講談社
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感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062107884

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  • 羊の出産に立ち会うため、羊小屋に泊まり込んでいた羊飼いのトムは、そこに人間の赤ちゃんが置かれているのに気づく。
    ついに引き取り手の現れなかったその子を、子どものいないトムとキャシー夫婦は自分の子として育てることにする。

    成長するにつれ、明らかにほかの子とは違っている。
    ほとんどしゃべることがなく、2歳になっても歩けない。
    膝をつかない高這いの姿は、まるでクモ。
    スパイダーとあだ名されたその少年は、動物と心を通わせることができるのだった。

    他の人よりゆっくり成長しているスパイダーは、学校には行かず、農場の手伝いをして過ごす。
    町に出ればいじめる子もいるけれど、農場にいれば動物たちと幸せに暮らすことができる。

    戦争がはじまり、周囲は騒然としていても、スパイダーの毎日は変わらない。
    小さないざこざはあっても、スパイダーは静かにそこにいた。

    普通の子ではないスパイダーを育てる羽目になったトムとキャシーは、近所の人たちから同情の目で見られていたが、彼らは本当に心からスパイダーを愛し慈しんで育てていた。
    何度も何度もトムは「あいつは幸せなんだよな」と自分に問う。
    スパイダーが幸せであれば、他人がどう思おうと関係ない。
    そこまで愛されているスパイダーが幸せでないわけがない。

    物語の終わりはあまりにも突然で、私も心の準備はできなかった。
    でも間違いなく、スパイダーは幸せだったと思う。

  • 第二次世界大戦のころのお話。
    知的障害者の多くがそうであるように、優しさと素直さと鋭い感受性を秘めているお話でもあります。
    彼の場合は養父母にそのままの状態お受け入れてもらえ、静かに愛されたので持って生まれた正確そのままに育ったようです。
    英国の片田舎にある牧場に捨て子があった。
    夜遅く羊のお産をしている間に、乳飲み子が「かわいそうな子羊をお願いします」とメモを残して置き去りにされる。拾って育てたのは羊飼いのトムとキャッシー。拾われたのは男の子で、その不器用なハイハイの仕方からスパイダーとニックネームされる。
    知恵遅れで片言しか話せないのに、動物の鳴き声を兼ねるのはうまくて、野生動物に慕われて仲良く付き合うことができる。
    そしてナイフ一本で木彫り(カービング)をすることを覚え、動物を掘り出すことを楽しむようになる。
    哀れまれたりバカにされたりいじめられたりしていたけれど、すべてを否定することなく楽しんでいるスパイダーは段々に愛されるようになる。
    牧場の仕事を楽しく手伝いおだやかに暮らしていましたが、心臓の具合が悪く、愛犬と散歩の途中に死んでしまいました。と言う極めて日常的な中でのお話です。

  • ディック キング=スミス 作
       さくま ゆみこ 訳
       講談社 (2001/07)


    心が洗われるような美しい物語でした

    丘の上の農場で静かに流れる時間を共に過ごし
    透き通った瑠璃色の水がしみ渡るような心地よさでそっと本を閉じました
    決してハッピーエンドではないのですが

    華鼓(はなこ)さんのイラストもあまり好きではないなあと思っていたのですが
    読み終わった後 表紙もいとしく感じられました


    ≪ 動物と 心通わせ 邪気もなく ≫

  • 子のいない夫婦のもとに捨てられた子供は普通と少し違っていた。

    内容はすばらしく、題材も好きだし、暖かい話だと思った。
    が、起承転結が無い。
    しかし、それでもいい話だなと思って読めた。

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