13階段

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1258
感想 : 211
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062108560

作品紹介・あらすじ

無実の死刑因を救い出せ。期限は3ヵ月、報酬は1000万円。喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、犯罪者の矯正に絶望した刑務官。彼らに持ちかけられた仕事は、記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすことだった。最大級の衝撃を放つデッド・リミット型サスペンス!第47回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • やはり骨太のミステリーの醍醐味はいいもんだ と思わせてくれた作品。元刑務官 南郷正二と彼が選んだ傷害致死罪の前科ある三上純一の二人が、ある冤罪事件を掘り起こす仕事の依頼を請け負い奔走する。まさに一気呵成に駆け抜ける話の面白さに引き込まれたし、終盤の えっ?!えっ?!えっ?!の展開には参った(笑) ラストの南郷の振舞いと三上の独白はちょっとザンネン部分だったけど、20年ほど前の作品だが江戸川乱歩賞に相応しい作品でした♪

  • とても面白かった。続きが気になって、先を急ぐように読んでしまった。江戸川乱歩賞受賞作を読んだのは初めてだが、他の作品も読んでみたい。

  • 冤罪を晴らす話し。
    死刑制度についても深く考えさせられる内容。
    伏線が張り巡らされていて、予想を裏切られ、ミステリーとしてとても面白かった。

  • 第47回江戸川乱歩賞受賞作

    犯罪矯正制度の実状に落胆した刑務官・南郷正二と、傷害致死により二年の実刑をくらい、仮釈放になった青年・三上純一が無実の死刑囚を救い出すために奔走する。

    ある依頼人から、保護司夫婦殺害事件の犯人として収監されている死刑囚・樹原亮の冤罪を晴らす仕事を受けた南郷は、自分が担当していた囚人の三上純一を相棒に選んだ。

    しかし樹原は事件の前後4時間の記憶がないために、死刑が確定してしまい、唯一、記憶が戻ったのが「階段」というキーワード。

    事件の現場で、真犯人につながる証拠と階段を探す二人。
    その間にも死刑執行へのタイムリミットは刻々と迫っていた。

    二人は冤罪を晴らし、真犯人を見つけ出すことはできるのか?


    刑務所での矯正制度への疑問、死刑制度についてのあり方を投げかける一方で、伏線をいくつも用意してあり、ミステリーとしての楽しさ、意外性も盛り込んだ作品。

  • 物凄くおもしろかった。重厚な作品。序盤〜中盤にかけては犯罪に関わる各人(犯罪者、犯罪者家族、被害者、被害者遺族、刑務官、弁護士、検察官など)のそれぞれの苦悩が濃密に描かれていて、深く考えさせられた。終盤は怒涛の展開で、驚きと緊迫の連続だった。

  • 10年前、ボランティアで保護司活動をしていた夫婦が惨殺された。その犯人として死刑判決を受けた男の死刑執行が近づいている。
    そんな時期に、刑務官の南郷は、とある弁護士から「死刑囚の無実の証拠を見つけよ」という依頼を受ける。南郷は、傷害致死で服役中で、仮釈放になったばかりの純一に、この仕事を手伝わないかと持ちかける。
    調べれば調べるほど、この男が冤罪である可能性が強くなる。
    死刑執行までに証拠を見つけ、この男の執行を止めることができるのか?
    真犯人はいったい誰なのか?

    第47回江戸川乱歩賞受賞作だけあって、いろいろな伏線が張り巡らされ、それが最後に一つにつながる。また、死刑制度についても詳しく描かれていて、興味深い。

    この作品では死刑の是非については、どちらの立場もとっていない。
    けれど、刑務官である南郷の立場からは、死刑を執行する人間の苦悩を。また被害者家族の立場からは、強い報復感情を。また死刑囚自身も、直前になっても「助けてくれ」と懇願する者、宗教に帰依することによって達観し死を受け入れる者と、それぞれの心情が強く伝わってくる。

    ただのミステリーでは済まされない1冊だ。

  • 記憶を失った死刑囚を救う話。
    とても読みやすくて、展開もよくて思わず引き込まれました。読書でこんなに魅力を感じたのは初めてです。
    私は本に対して苦手意識があるせいか、本を読むのは億劫でしたが、この「13階段」はとっても面白かった!
    最後のどんでん返しとかも最高によく出来た話でしたが、まるでパズルがはまるかのような感覚になりました。
    映画化もされてるみたいです^ ^
    この本との出会いがあったお陰で、読書を続けたいと思いました。

  • 法という纏が隅々まで張り巡らされている現代社会、いつ犯罪者へと身を変えても 不思議は無い。法が法において裁きを下すなら問題は生じないが、人が法の下に 裁きを行う場合は否か。現代の司法・死刑制度に一考を要するのにこの上ない本。 刑務官と死刑囚相反する対場の心理を詳細に分析し死刑制度の根本を問うが、 それをどの席で捕らえるかで回るメリーゴランドの上では解は定まらない。刑務官の殺人、犯罪者のそれは同一線上の物。誰が真偽の区物をつけ得るか。ミステリーとしても最後のページまで読者を楽しませ乱歩賞の作品の中でも秀逸。

  • 独居房でひとりの男が「死」と直面し震えていた。樹原亮。身の覚えのない罪のために、彼は死刑を処されようとしていた。
    彼の冤罪を晴らすために、弁護士に頼まれ二人の男が動き出す。刑務官の南郷と、傷害致死の罪で仮釈放中の純一。
    彼らはそれぞれの過去と向き合いながら、必死に冤罪の証拠を探し出していく。
    一段ずつ「13階段」を上り始めた樹原を二人は止めることができるのか。

    小説の中に出てきた南郷のセリフが忘れられない。
     "「どうしてあんな馬鹿どもが、次から次に出てくるんだろうな?あんな奴らがいなくなれば、制度があろうがなかろうが、死刑は行なわれなくなるんだ。死刑制度を維持してるのは、国民でも国家でもなく、他人を殺しまくる犯罪者自身なんだ」"
    任務遂行のために死刑を執行しなければならない者の痛烈な叫びだ。
    自分に責任がないのに、正しいことをやりたいだけなのに、人の命を奪わなければならない人がいる。
    当たり前のことさえ理解できず、反省の意を表さない死刑囚のために、彼らは一生罪の意識を背負わなければならないのだ。
    その事実を目の前に叩きつけられて、鈍器で頭を殴られたような気がした。
    ようやく私は理解した。
    死刑を執行する人もまた被害者なのだと。

    罪は罪を呼び、復讐は復讐を呼ぶ。
    この本をただの推理小説として読むのはやめた方が良いだろう。

  • どっしりと重みのある話なのに、面白くて一気読みでした。

    死刑という制度、深く考えたことは一度もありませんでした。
    死刑を受ける人がいるということは、その法律のせいで、死刑囚の命を奪うボタンを押している人がいる、
    当たり前のことなのに頭にありませんでした。

    人の命の重さ
    罪への向き合い方
    人が人を裁くということ

    正解なんてあるはずがないと改めて感じます。

    どんなに真っ直ぐで優しい心の持ち主でも、何かを守るために人を殺めてしまうこともあるし

    みんなが身近な人を大切にしてくれればいいのになぁと、心の隅で願うことしかできませんが、、


    暗い話、考えさせられる話なのに、テンポが良く、一気に読めましたし、こちらが負の感情に流されることもなかったので、いい塩梅の小説でした。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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