牙-江夏豊とその時代

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062108621

作品紹介・あらすじ

現役生活十八年の通算成績は、二百六勝百五十八敗百九十三セーブ。最優秀防御率一回、最多勝二回、最優秀救援投手五回、セ・パ両リーグにまたがってMVP(最優秀選手賞)…。残した数字も傑出しているが、江夏は記録よりも記憶に残る投手だった。

感想・レビュー・書評

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  •  短い手で、王貞治と、門田博光と、真っ向勝負を続けた江夏豊。残した記録も傑出しているが、記録よりも記憶に残る投手。阪神9年~南海2年~広島3年~日ハム3年~西武1年。後藤正治「牙 江夏豊とその時代」、2002.2発行、ノンフィクション。伝説① 1971年オールスター第1戦、9連続3振、41球 伝説② 広島時代、1979年日本シリーズ近鉄との最終戦、9回裏無死満塁での江夏の21球。

  •  ON全盛時代のジャイアンツ相手にダブル・ヘッダーで連投して1点も取られず、自分のバットで片をつけた飛び切り熱い男、江夏豊。今ではほとんど見ることもない野球だが、この本を読んでいるうちに40年以上も昔のその時の彼のマウンド上の雄姿とそれを取り巻く時代の熱気が蘇ってくる。

  • 大投手江夏、広島でもなく、日本ハムでもなく阪神の江夏とその時代を全て描ききっている、一冊。
    大胆なイメージをもっていたが、コントロールの良さと記憶力の良さがあって、そこにスピードもあったので、間違いなくNo1の投手という証言。
    当時の知らない先週も多数でてくるが、そのどれもが職人・文面からも近寄りがたさが伝わってくる、プロの選手でそのどれもが魅力的。
    冴えない監督のイメージの村山実も、ものすごい大投手だったんだと勉強になる。
    後半、江夏に関わった色々な選手、有名どころから無名どころまでを上げていき、最後に林健三という全く無名の選手、しかし何故か江夏が一番苦手にしていた打者、現在は個人タクシーの運転手。彼の江夏を通じた野球の思い出の一言には、何故か感動してしまう。
    後藤正治の、最高の一冊だと思っています。

  • 後藤 正治 / 講談社 (2002/02)

  • 有名、無名の選手、関係者へのインタビューを通じて描写した、かつてのプロ野球黄金時代への賛辞というべきノンフィクション

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著者プロフィール

1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。

2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。

他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)、『拗ね者たらん 本田靖春 人と作品』(講談社.2018)などがある。

「2021年 『拠るべなき時代に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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