空を駆けるジェーン

  • 講談社
3.68
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本棚登録 : 122
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062108959

作品紹介・あらすじ

待望の村上春樹訳"空飛び猫"の魅力的な世界、再び。ル=グウィンの描く女性の自立と成長。

感想・レビュー・書評

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  • 空飛び猫シリーズの最終巻。

    今回の主人公は翼のはえた美しい黒猫・ジェーンです。
    丘の上農場の納屋で、4匹の空飛び猫のお兄さん、お姉さんや、なかよしのアレキサンダーと暮らすジェーン。
    しかし、若くて怖いもの知らずな彼女にとって、田舎の暮らしはとっても退屈…。
    ある朝ジェーンはひとりで都会へと飛び立ちます。

    明るくて無邪気で、ちょっと危なっかしいジェーンに、はらはらさせられてしまいました。
    2作目、3作目でも彼女の成長を見守ってきたせいか、すっかり年頃の天真爛漫な娘を都会に送り出したお父さんのような気持ちになって読んでいたのでした。(お母さんではなくてお父さんだったのはなぜ…?)

    物語の最後のジェーンのセリフがすてきです。
    自由で自信に満ちあふれた、美しい都会の女の子、という感じがとってもキュートでかっこいい!

    今回も原著を読んでから翻訳を読んだので、巻末の村上春樹氏の訳注がよりおもしろく感じられました。
    ジェーンは"human being"(にんげん)とうまく言えなくて、"human bean"と言ってしまうのですが、それを"いんげん"と訳すセンスにしびれます。

  • やっぱり猫って素晴らしい!ことに、空飛び猫ときたら、とりわけ♪

    前作『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』で
    翼のないアレキサンダーと、空飛び猫ジェーンが結婚したら
    生まれるのは空飛び猫?ふつうの猫?と、いらない心配をしていた私。

    まさに「いらない心配」でした!
    自由に飛ぶことができるというのに、どうして私たちは同じところにじっとしているの?
    と、そんな思惑は黒い翼でかるがると飛び越えて、
    居心地のいい農場から冒険の旅に飛び立つジェーン。

    作者のアーシュラ・K・ル=グウィンが
    スラム育ちの黒人少女のイメージで描いたという黒猫ジェーンの、
    はちきれるような好奇心と自立心の眩しいこと♪

    大好きなアレキサンダーや兄や姉と離れることになっても
    退屈は嫌い、冒険と自由が好きだから、ここにはいられない、と宣言し、
    大都会でマスメディアの餌食になり、窮屈で怖ろしい体験をしてもなお
    ここが私の居場所!と、都会に住むリスクも気軽さもわきまえて
    溌剌と生きる姿に、予想を裏切られて驚きながらも感動がこみ上げます。

    ゴミゴミして危険がいっぱいの都会を飛び立ち、
    のどかな自然の中で穏やかなしあわせを見つける自然回帰の物語として
    綺麗に纏めてしまえるところを、敢えて出発地点に立ち戻らせて
    自分の選んだ場所で、リスクを背負いながら自由に生きる結末を用意する。
    厳しい現実の中を生きるひとたちへの作者からのエールが聞こえてくるようです。

    都会の喧噪の中で生きるジェーンも、
    自然の恵みに満ちた農場で暮らす空飛び猫たちとアレキサンダーも、
    地球上のすべての猫が、思うがまま、自由にしあわせに生きられますように!

    • kuroayameさん
      この本はお友達から紹介されて呼んでみたのですが、猫好きの私にとって素敵な本との出会いでした♪。
      村上さんが本訳しているところも魅力的ですよね...
      この本はお友達から紹介されて呼んでみたのですが、猫好きの私にとって素敵な本との出会いでした♪。
      村上さんが本訳しているところも魅力的ですよね★。
      素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございました♪。
      2012/12/27
    • まろんさん
      kuroayameさん、いつもコメントありがとうございます♪

      空飛び猫シリーズがこれでおしまいかと思うと淋しくなってしまうくらい
      猫好きに...
      kuroayameさん、いつもコメントありがとうございます♪

      空飛び猫シリーズがこれでおしまいかと思うと淋しくなってしまうくらい
      猫好きにはたまらない、素敵な本でした!
      村上さんの翻訳、茶目っ気があって、猫への愛情も溢れていますよね。
      何年かに一度でいいから、新作が出ないかなぁ(*'-')フフ♪
      2012/12/28
  • ル=グウィンらしいメッセージ性の高い絵本。これでこのシリーズは4作目だそうだが、これ一冊だけでも十分楽しめる。
    それでも通読したいとも思う。
    主人公の翼を持つネコ、ジェーンがどのような生い立ちでどのように生活してきたのか前作までの流れも知りたいとも思う。
    他の人たちとは違うって何かと大変なのよね、という一言で本当にグッと惹きつけられる。

  • シリーズ四作目。
    原題『JEAN ON HER OWN』(自立するジェーン)。
    前向きに生きるジェーンが非常に可愛い。
    シリーズでも一番好きな作品になりました。
    最終巻なのでしょうか…。いつまでも読みたい…。

  • 村上春樹ファン、猫好きにオススメ。

    これシリーズらしい。
    確かに猫の兄妹いすぎて
    誰が誰だかわからなくなっていた。
    これは黒猫のジェーン

  • 2013年8月25日
    何一つ不自由ない、平和でのどかな田舎の生活、ほかの兄妹はみんな満足してるけど、ジェーンはあきあきしてしまう。飛び出して冒険に出かけてしまう。
    にんげんにつかまって、見世物にもなってしまうけど、そこからもうまく逃げ出すジェーン。
    「私は自由なんだ。みい、みい、みい。私は自由よ!」

  • 空飛び猫の末妹、ジェーンの冒険を通して、黒人女性の成長と自立が寓意的に描かれています。
    私はシリーズ最高傑作だと思います。

  • 翼のある黒猫ちゃんジェーンは、田舎での安全な暮らしに満足する兄姉たちとの生活に退屈し、スリリングな生活を求めて飛び立ちました。スラム街で生まれた黒人の女の子設定の彼女は強いのです。
    怖い思いもしますが、最後素敵な都会生活を得られて、さすがです!
    翼のある猫ちゃんシリーズ、この4冊目で最後かな…。

  • 久しぶりに空飛び猫シリーズを読んでみた。『素晴らしいアレキサンダー〜』を読んでいたのでジェーンの境遇については知識があって良かった。おてんばなジェーンがとっても可愛い。翼のある猫がいたら会ってみたいな。2012/503

  • 四巻目は、てっきりジェーンとアレクサンダーの間に子猫が生まれるものだと思っていた。
    でも、この話の方がずっと素敵。

    無邪気で勇敢な若い女性が、自分の帰りたい場所を探し出す話。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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