シルエット

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 676
感想 : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062109048

感想・レビュー・書評

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  • 悲しいなんて、切ないなんて、そんな言葉では言い表せなくて。

    1つ1つの言葉が綺麗で、静かで、雪みたいな真っ白な世界に飲み込まれていく。

    自分ではどうしようもないこと。
    起こってしまった現実。
    変えたいと願いながらも、変わらないと、本当は自分自身が諦めている。

    自分がどれだけボロボロで、腐ってるかは気づいているのに。

  • 島本理生のデビュー作。
    すごく好きな文章だった。
    島本理生の書いた本はいろいろ読んだこともあるけど、こんなに心に染み込んでくるものは初めてです。
    冠くん、せっちゃん、はじめ、藤野。
    男子が多いような気もしたけれど、彼らを行き来するわたしの心情が、島本理生独特の比喩や澄んだ筆致で、愛おしく伝わってきました。

    たまらなく好きだったのに、すぐ隣にいたのに、触れることができなかった冠くん。
    失ってしまったものや時間はもう取り戻せないけれど、まだ相手を想っていれば伝えられるものはある。
    遅すぎたのかもしれないけど、冠くんはそれがわかって良かったのだと思う。

    綿矢りさ「ひらいて」にでてくる、たとえもそうだったな。
    こういう陰がある朴訥とした男子高校生たまらなく好きです。

  • 2019/12/18

  • ずいぶん昔に一度読んだことがあるので、実質再読。
    表題作「シルエット」は、昔読んだときと印象が変わってとにかく息苦しく、そして切ない。

  • リアルな女子校生の話にスケべ心で読んだけど、果たしてリアルなのかどうかよく考えたらオイラにわかるはずがない。でも何ともない女子校生の日常でもオイラにしたら非日常だから面白くはある。そう言えば、男子校生の作家デビューって聞いたことないなぁ。物語の登場人物としては面白いんだけど、当人たちには意外と書けないのかも。

  • つまらなくないが、面白くもない

  • 雨の記述がとても綺麗。初めて読んだ人だったけれど、文章が夢見がちにふわふわして心地いい。もっと読みたい。

  • 恋愛ものの短編集 言葉が静かで鋭い いかにもの幸せの形はない 後悔して、苦しくて、辛くて・・・ とうの昔に忘れてたような恋愛の形がここにあった

  • 元恋人・同級生の冠くんと、今の恋人・大学生のせっちゃん。そして冠くんと別れた後に半ばやけでつき合った遊び人の藤井。高校2年生の「わたし」が経験する出会いと別れの傷みといとおしさを描く。

    これは著者のデビュー作である。これを17歳で書いたのだと考えるとすごいと思ってしまうが、後の作品を幾つか読んでいるので、やはり荒削りだと感じる。心の暗い部分にあと一歩踏み込めれば、もう少し読みごたえがある物語になりそうだった。
    ラストで、通り過ぎていった時間と感情はもう巻き戻せないと「わたし」が感じる場面が印象的だった。一時は心を揺さぶる存在だったのに、冠くんは「わたし」の前から姿を消して、心からも徐々に消えていった。彼がいない生活にすっかり慣れてしまった頃、ふいに友人のはじめが冠くんが残した言葉を「わたし」に告げる。それは「わたし」が冠くんに、わかってほしいと伝え続けていた言葉だった。でももはやその言葉は「わたし」には何の意味もない。「泣くには、わたしにとってもあまりに時間が流れすぎた。わたしにはもう二度と冠くんのために涙を流すことすらできないのだ。」二人の思いのすれ違いが悲しかったが、人との別れの痛みはこうやって時間が押し流し、和らげてくれるものなのだと感じた。

  • 「シルエット」
    私が見るもの、感じるもの。
    と、彼が見るもの、感じるもの。
    言葉にするのが難しいから、理解できないから、と、放り投げてしまうのを止められない。

    私が感じ取った以上に、せっちゃんは束縛する人なのでは、などと読後に感じた。結局のところ。

    相手との距離の保ち方というのは、難しい。
    実践して、探っていくしかないのだ。
    それに何度失敗しても、諦めずに心地の良いところを探していくしか、矢張りない。
    学生のころなんて、友人らはそれも分からずに、他人と居たいと切望していたように思えるが。

    「植物たちの呼吸」
    どれだけの植物たちが、この部屋で生きているのか、感じ取れなかった。
    それでも愛に満ちているのだろうなあと何と無く思う。一緒に暮らすひとを待つ、というのは。どれくらいの心の距離を持って生きていくのだろう。

    「ヨル」
    この短篇は好きだ。
    理由もなく蔦屋へ行ってしまう夜が、私に間あったなあと思い出した。
    話自体は、よく分からないけれど、でも、こんなことがもし起こったら、面白いなあ、って。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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