黒と茶の幻想 (Mephisto club)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1395
レビュー : 233
  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062110976

感想・レビュー・書評

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  • 大好きで大好きでたまらない本。何度読み返しただろうか。
    学生時代の友人四人で旅をしつつ過去の謎をとき、ウィットにとんだ会話をし、お互いを探り当う話。筋ではなく、雰囲気を楽しむ本。

  • 『美しい謎』持参のこと。皆様の参加を切にお待ち申し上げます。


    いやー。読書欲が低い中での600pは長すぎた。笑
    誰もが森を歩いている。鬱蒼とした深い森を。
    蒔生、彰彦、利枝子、節子の4人がそれぞれに抱く森のイメージが
    個性を表している。
    彼らは学生時代の友人が休暇をあわせて屋久島へ「非日常」の旅へ行く。
    当時、決して踏み入れられなかった太古の森を少しずつ探検する。
    利枝子は、蒔生と憂理の関係を。
    彰彦は、紫陽花を恐れる理由を。
    蒔生は、長年の謎である己の正体を。
    節子は、あっけらかんとした己の性格のルーツを。
    この話が面白いのは、梶原憂理という女性の存在なのだと思う。
    この世界では死してなお、過去という舞台の上で鮮やかに演じている。
    感情なんて別にどうでもいいような事を言った蒔生には同感。
    締めの言葉が美しい。

    あたしたちはそれぞれの森を歩く。誰かの森に思いをはせながら、
    決して重なりあうことのない幾つもの森を、ついに光が消え木の葉が見えなくなるその日まで。

  • 四人の男女が屋久島?を旅する話。

    三月は深き紅の淵をの第一章でもある。出てくるたくさんの謎に伝説の桜。どれも三月に書いてあった通りだが、梶原憂理の存在の意味は一体?
    死んだと思われる憂理の最後の一人舞台で、演じるのは三月の学園での少女時代。麗子の陰に縛られながら過ごした物語は、果してフィクションなのか。舞台の内容について詳しく書かれてはいないが、麦の海と類似している。
    黒と茶の幻想の憂理は麦の海の憂理と同一人物なのか。
    回転木馬の最後で憂理が理瀬に言った言葉も気になる。

  • くだらない話でもりあがれる非日常で、見えなかった過去を解きほぐしていき清々しく終わる。
    四人の視点から物語が進んで行くので、一つの作品で四つの楽しみをもらった気分。ミステリー要素も含まれていて一気に読破できた。

  • 恩田 陸
    講談社 (2001/12)

    図書館のカウンターでその分厚さに うわ~!
    厚い本はワクワクする
    (面白くないと苦行だけれど)
    これは期待通り!
    いろんな作品とリンクしているらしい
    困ったなあ
    いっぱい読みたくなった

    行きたいと思いつつもはや憧れでしかない屋久島
    存分に歩かせてもらいました
    個性豊かでなんとも魅力的な4人 そしてその友人


    ≪ 非日常 森の深淵 のぞきみて ≫

  •  学生時代の友達と話すのは特別に楽しい。社会的に意味のない会話。生産性のない無駄話。でも真剣な知的考察。長い時を共有してきた者のみが交わせる、奥深い情けや皮肉や推察。社会人になってからの、立場をわきまえてしまった者同士の会話とは大きく異なっている。

     学生時代からの友人四人の男女が、数日間の旅をする。四人の一人称と四つの章。それぞれだけが持っている疑惑や秘密・記憶。森の木々のように折り重なって行く風景。

     この物語はどこへ行くのか、どんな風な結末を迎えるのか。カテゴリも分からず、だがその魅力に取り付かれながら読み進める。まさに深い森を歩き続けるかのように。

     ストーリー以外にも、彼らが交わす会話の中に気持ちをつかまれるものが、あちこち散りばめられています。忘れられない、また戻りたくなる旅のような一冊でした。

  • 男女4人で謎を持ち寄ってY島へ行く。
    語られる大小様々な謎。
    初めて読んだのは8年程前になるのかな?
    何度も読み返して、謎に浸ります。

    こちらを読む前に『三月は深き紅の淵を』を読むことをおすすめします。

  • 「大自然の中で精神を開放し、錆びついた思考能力と第六感を研ぎ澄まし、普段我々が忘れ去っている人生の謎を考えよう。というわけで、人生の謎、大募集。子供の頃の記憶、毎日通る街角で目にするもの、小耳に挟んだ噂ばなし、謎の種類はなんでもOK。
    『美しい謎』持参のこと。」

    彰彦の提案で幕を開けた、学生時代の友人同士の旅行。彼らはそれぞれの過去と向き合い、その中の謎を解き合いながら旅をする―――
     


    久々に気の合うミステリー小説に出会えて、今、とっても幸せです♪ 619頁と厚めですが、すごい読みやすい。
    大筋の謎の他に、ちいさなミステリーを沢山楽しめるのも良いvvやっぱり色んな種類のものを、ちまちまいっぱい食べたいんですよ。女のサガでしょうか。

  • 読んでいると苦い思いが沸き上がる。
    この本は600ページの長編ミステリーで、「麦の海に沈む果実」に登場した人物がこの本の物語の鍵を握っていたりと色々と話題性に富んでいる。
    この本の関連作品を読んでなくても、1つの本として楽しめるので疎外感を感じない。
    またこの本の話もミステリーは置いといても、人物達の会話が中々面白く色々と気付かされる。
    この本の主要人物達は、大学時代から現在30歳前後になっても仲の良い男女2人ずつの4人組。
    利枝子・蒔生・節子・彰彦。
    でも訳あって普通の4人組ではない。
    その4人が旅行に行くことになり、そこから過去を巡る物語が始まる。
    この4人組の会話が良い意味でとても重々しい。
    嫌な重々しさではないけれど、誰もが経験したことがある苦い思い経験をこの4人組の会話から見つけられ気付かされる。
    助けて、と言えない少女の不遇さの話。
    仲間だからこそ感じる良点と欠点、自分自身の評価、そして優越感の話など。
    話の転末よりもこの会話の描写に色々と気付かされて魅力的だと読んで私は思いました。

  • 自分が思っていたことを代わりに表現してもらった気分になる。

    もっと後味が悪い終わり方を期待していたので、★四つ。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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