コソボ破壊の果てに: 大石芳野写真集

著者 :
  • 講談社
3.25
  • (1)
  • (2)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 13
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113090

作品紹介・あらすじ

「ベトナム」「カンボジア」「アウシュヴィッツ」そして「アフガニスタン」など世界各地で「戦争と人間」を見つめ続けるフォト・ジャーナリストが世に問う最新写真集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • コソボ紛争と一般には言われていますが、セルビア系によるアルバニア系民族の虐殺と言ってもいいのではないか。

    写真の説明書きを読むと、本当に心が痛みます。
    この恐ろしい殺戮が10数年前に行われたということが信じられない。
    今もなお、二つの民族間には深い溝があるようですが、きれい事は通じないかもしれませんが、もう二度とこのような悲劇を繰り返さないでほしい。

    著者の言葉
    「人間の命に重さがあるはずがないのだが、実際は、歴然と重さの違いがあり、秤に乗せながら(乗せられながら)動いて(動かされて)いる。忍耐を強いられる国民(民族)と、しない国(民族)がある。矛盾と理不尽が渦巻く。どろどろとした濁流の中で、私たちは現在、生きているのである。

  • 7ポンド

  • 彼女はフォトジャーナリストの中で一番好きだった。が、文章を読んでいて所詮きれいごとを言っているのではないかと思い始めた。虐殺され、家を焼かれた人々の本当の心を理解するのは難しい。彼らの命や尊厳を守ることができなければ『復讐として殺し返すのはいけない』などという言葉は所詮きれいごとでしかないと思う。セルビア側からも何枚か写真を撮っているが、被害者が何をされたのかを克明に記録するのがやはり彼女の仕事だと思う。正義や人の尊厳が軽く扱われてはいけない。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

●大石芳野(おおいし・よしの) 東京都出身。写真家。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しながらも逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追っている。2001年土門拳賞(『ベトナム 凜と』)、2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章ほか。

「2015年 『戦争は終っても終わらない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大石芳野の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×