グレイヴディッガー

著者 :
  • 講談社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113564

作品紹介・あらすじ

都会の闇を生きてきた悪党・八神俊彦は、運命の一日を迎えるはずだった。生き方を改めるため、自ら骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていたのだ。ところがその日、都内で未曽有の無差別大量殺人が発生。大都市・東京は、厳戒態勢に突入した。そして友人の死体を発見した瞬間から、八神の必死の逃走劇が始まった。警察、謎の集団、正体不明の殺戮者から逃げ切らなければ、八神の骨髄を待つ白血病患者が死ぬ。八神は生き残れるのか?謎の殺戮者・グレイヴディッガーの正体とは?著者渾身のスリラー巨編が、ついにその全貌を現す。

感想・レビュー・書評

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  • 少年時代から数々の悪事に手を染めてきた八神。
    しかし 少女を狙った詐欺に加担したことを悔いて、改心した八神は骨髄バンクにドナー登録する。

    骨髄移植を明日に控えた八神。
    入院費を工面するため お金を貸してくれそうな島中という男の部屋を訪れると 島中は沸騰したお風呂に顔を突っ込み絶命していた。両手足はクロスして縛られ 体には十字の切り傷。

    そこから始まる八神の逃亡劇!!

    警察には 島中殺しの犯人として追われ

    島中の部屋にいた八神を 謎の集団が追い

    更には、都内で発生している無差別大量殺人の犯人『グレイヴディッガー』にまで命を狙われ!!!

    八神は無事に生きたまま病院へと辿り着くことが出来るのか─。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    中世暗黒時代、魔女狩りをした異端審問官が報復として、生き返った『グレイヴディッガー(墓掘人)』に皆殺しにされた。
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    現代の東京に甦ったグレイヴディッガー。
    骨髄ドナーを次々と拷問の末 殺しているようで…。
    何故 ドナーばかりを狙うのか、
    医科大学から 司法解剖を待つ変死体が盗まれるという謎の事件との関係性は?

    足に重りをつけられビルから突き落とされる。
    ボウガンについた見えない炎が体に突き刺さり生きたまま焼かれる…。
    この拷問、、、、

    読んだことある!笑

    でも全然覚えてなかったー!
    最後の最後まで 八神の骨髄の行方にハラハラ。
    「自分が救う命は 子どもであってほしいな」と願い、必死に病院を目指す八神。とんだ悪党だけど憎めない、し、強い笑

    強いといえば、グレイヴディッガー様
    黒いマントに鉄仮面。
    強い、強すぎる!笑
    私もSATの指揮官と全く同じこと思ったよ
    「何故 死なない……!!」と。
    そして、貴方は誰ですか《(;´Д`)》ブルブル

    こんな終わり方だったんだね笑

    いやー!本当 誰ーーーー!

    でも私が1番怖いのは 元公安の刑事、ベビーフェイスの小坂よ。全然出番ないのに 最後の最後に変な登場の仕方して…。きみ、一体 何者??

    • 1Q84O1さん
      みなさん気をつけないと変態の目になってしまいますよ…
      みなさん気をつけないと変態の目になってしまいますよ…
      2024/02/27
    • ゆーき本さん
      (≖ᴗ≖​) タベタイダケタベルノダ
      (≖ᴗ≖​) タベタイダケタベルノダ
      2024/02/28
    • ultraman719さん
      それが良いかも(^◇^;)
      それが良いかも(^◇^;)
      2024/02/28
  • 『グレイヴディッガー』中世暗黒の時代、魔女狩りの名目で、無実の人々が拷問死させられた。それを取り仕切っていた異端審問官が相次いで暗殺される事件が勃発。それは殺された魔女(男性も異端とみなされれば魔女扱い)の復讐であった。魔女が、あの世から蘇り復讐する。その魔女はグレイヴディッガー(墓掘人)と呼ばれた。

    こういうとんでもない伝説……大好きぃ!!もっと下さい!!

    『13階段』で司法の闇を描いた高野さんの2作目。こちらの方がより好みそうだと思っていたら、予想以上に大好物でした。
    早速にこの伝説について調べてみた所、なんと高野さんの創作との事。映像畑の方はエンタメを作る能力に長けていらっしゃるなあ。

    あまりにも好きな設定だったので冒頭に書きましたが実際は13階段に負けず劣らずの、今度は政界と国家権力の闇の渦。
    物語は殺害された麻薬中毒患者の死体が消えた事件から始まります。
    それを皮切りに儀式めいた遺体がごろごろと量産されて行き、犯罪歴のある八神が一連の連続殺人犯と疑われ警察から追われる羽目に。
    ところが八神は白血病患者にドナー提供が決まっていた為に指定の時間までにどうしても病院へ行かなくてはならない。

    ここから物凄い逃走劇がスタート。凄すぎて笑ってしまいます。『絶対×絶命』という脱獄した骨髄移植者になる知能犯を追いかける洋画がありますがこれの真逆ですね。
    東京都足立区から大田区までの区間を警察と謎の組織、更にはラスボス感満載のグレイヴディッガーから追いかけられる八神。あまりの前向きさとバイタリティに八神応援団となってエールを送ってしまいます。
    東京都にお住まいの方は更に楽しめるんでしょうね。

    待ちに待ったグレイヴディッガーの登場には世の中の少年心を忘れない方々には堪らないんじゃないでしょうか。
    かっこよすぎるだろ!!!
    終盤の階段下から登場するシーンなんて映像が脳内再生されて、とりあえず彼になら弓で射抜かれても良いかなって思ってしまう!最近、問題発言が多い気もしますが今年のハロウィンはグレイヴディッガーの仮装をしたい(誰にも分かって貰えない事請け合いです。)

    ダークヒーローものと言っても良いようなホラーサスペンスですが、かなり重たいテーマを扱っているのにも関わらず爽やかなエンタメに仕上がっているんですよね。前作の13階段でも思ったのですが、登場人物同士のやり取りが本当に気持ち良く、魅力的なキャラが多いのでそう思わせてくれるのでしょうか。
    政界の闇が、八割は高野さんの創作である事を願うばかりです…。絵に書いたような悪い人が出てくるのでそう信じたいのですが…。

    加速する逃走劇の裏ではどんどんと謎が謎を呼び警察、公安入り乱れの大騒ぎとなった末に全てが見事に収束していくのですが、こちらも真相を読者に委ねる所があります。ですがそれがむしろ爽快感を増してくれていて私はあれ以上ない終わりだと思います。

    警察こんなに無能でした…?とかSAT弱すぎませんか…?とか、突っ込みたくなる所もあるには有りますが、だって仕方ないんです!
    八神のポジティブパワーが強すぎだし、グレイヴディッガー様がかっこよすぎるんです!!(最早、教祖扱い)

    このように、こまけぇ事は良いんだよ、と思わせてくれる程にエンタメとして疾走感たっぷりに読ませてくれるので、読む映画として楽しみたい方にはお勧めです。
    本当は内容の性質上からある程度は一気読みしたかったのですが、忙しくなってしまい本を持ちながら寝落ち、また夜読んで寝落ちを繰り返してしまい毎日墓掘人の事が頭から離れませんでしたので、もし今からグレイヴディッガー教に入信されるご予定の方は、お時間のある時にどうぞ。

    • ゆーき本さん
      夜のレビュー楽しみにしようぜ
      ԅ(¯﹃¯ԅ)グヘヘ (←変態)
      夜のレビュー楽しみにしようぜ
      ԅ(¯﹃¯ԅ)グヘヘ (←変態)
      2023/10/28
    • yukimisakeさん
      ゆーきママのおかげで新しい扉が開きました笑。
      ぜひぜひ!脳内で映像を流して下さい♪
      うおー!きたぁー!感想楽しみですー!(≧∇≦)⤴︎⤴︎
      ...
      ゆーきママのおかげで新しい扉が開きました笑。
      ぜひぜひ!脳内で映像を流して下さい♪
      うおー!きたぁー!感想楽しみですー!(≧∇≦)⤴︎⤴︎
      あ!そうだ、今の積み本読み終えたら犯罪者も読みます!ハラハラドキドキしたい!
      2023/10/28
    • yukimisakeさん
      1Qさんの毛根よ、育てー(゚Д゚)<呪呪
      うへへ、変態だーボクもヘンタイだー(ง ˙ω˙)ว♪♪ (ง ˙ω˙)ว♪♪
      1Qさんの毛根よ、育てー(゚Д゚)<呪呪
      うへへ、変態だーボクもヘンタイだー(ง ˙ω˙)ว♪♪ (ง ˙ω˙)ว♪♪
      2023/10/28
  • 「グレイグディッガー」…墓堀人という意味。
    中世ヨーロッパでの魔女狩り。
    魔女迫害がイングランドに及んだ頃、異端審問官達が、
    魔女狩りの拷問と同じ方法で虐殺された。
    拷問を受けた人が蘇り復讐をしていると信じられた。
    この蘇った死者をグレイヴディッガーと呼んだ…。

    八神俊彦は自分の薄汚れた人生を改める為、
    骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。
    移植前日、金銭に不安があり借金の為友人宅を訪ねる。
    そこで、煮えたぎる浴槽の中で殺された友人を発見する。
    その上、その場で面識のない複数の人間に襲われ逃走を開始する。
    その頃、都内各所で次々と発生する猟奇殺人事件。
    二ヶ月前には、遺体消失事件が発生していて、
    犯人は、グレイヴディッガーの手口を模倣して起こしていた。
    一見何の共通点も無い被害者達だか、皆骨髄ドナーカードを持っていた。

    事件に巻き込まれ容疑者として警察に追われる八神。
    八神を追う謎の集団。そして、殺戮者墓堀人…。
    八神を追う謎の集団は何なのか?その目的は…?
    骨髄ドナーの連続殺人の目的は…?

    八神の逃走の章と警察の捜査の章が交互に展開し、
    時に交錯しながら、次々とストーリーは進んていく。
    骨髄移植・刑事と公安と監察…公安の闇は深い。
    公安と国家権力の癒着と腐敗。
    冒頭から引き込まれ、次々と明らかになる真実でどうなっていくの…。
    どう繋がっていくのと、先が気になって頁を捲る手が止まらなかった。
    ラストはやはり不穏な幕引きだったなぁ。

    小悪党の八神のキャラも憎めなかった。いつの間にか、八神の逃走を応援してた。
    事件を追う刑事・古寺やキャリア管理官ながら柔軟な思考の越智も魅力的だった。

  • 主人公が逃げる逃げる!!
    複数の組織に追いかけられ、誰も信じずに孤独に戦う八神はすごいなぁ。おじさんなのに、かっこいい。
    それにしてもこの話が本当なら、警察も政治家も信じられないな…。

  • めちゃくちゃスリリングな展開でした!公安はいろんな作家さんが、犯罪をも辞さない組織として描いていますが、実際はどうなんでしょうか…。とてもフィクションには思えませんでした。八神はやってることはムチャクチャでしたが憎めないし、古寺と剣崎のコンビも良かったです。無事に手術が成功するといいなぁ。そして、「墓掘人」とは結局誰だったのか。

  • 警察と公安と犯人と秘密組織と主人公と、
    一見バラバラに思えるそれぞれの思惑が
    だんだんと関連づけられて進んでいく展開で
    ページを捲る手が止まらなくなりました。
    高野さんの小説は設定も
    緻密に構成されていて本当にすごいです。

  • オチについて。最後の最後の最後の最後で、ん?なんじゃコリャ!?
    ってなるかも。ちょっと自由過ぎじゃぁ、、、w
    でもでも大満足でした。
    とにかくプロットが巧い。ずんずん引っ張っていく展開力が素晴しい。ホントこの作家さんの作品は映像化を期待をしたくなります。
    特にこの物語はTVドラマなんかに向いてると思いました。連続サスペンスドラマの画が持つ少しだけチープなスキを持たせると、この破天荒なフィクションが相乗効果を挙げるのではないかなぁと。

    首藤瓜於の持つ世界と似た「心理的な緊迫感」を感じた。けれど、スピード感は凌ぐ。
    いやーホント楽しかった!こてこてB級だけどねw

  • ジェノサイドに感銘を受け、高野さんの第2弾です。
    グレイヴディッガー(墓堀人)面白かったです。現代の魔女裁判。
    自己の優位性を持って、他人を貶め、さらに優位性を高める輩を裁く。人と言う物は、金を、自己肥大を、そんなに集約したくなるのでしょうか。

    主人公(?)八神に、どんどん引きずり込まれて行く形で一気に読み進めて行けます。たった2日弱の時間の話で、ここまで色んな事が起きるか、赤羽から大森(六郷)までどんだけ遠いんだと、普段普通に電車に乗って通っている分には、こんなに時間がかからないよと思いながら、警察及び警備方法、捜索方法、伝達方法と言うのは、色々な方法があるのだなあと、感心する。
    少しずつ謎が解けて行くが、思わぬ落とし穴もあり、中々興味深い。疑心暗鬼と言う人間性の一番嫌な所が少しずつ顔を出し、考えさせられる。漸く一安心と言った所で、まだ強敵が残っていたり、最後まで気を抜けない作りに時間を忘れて、読みふけってしまった。

    本当に悪いやつは悪い顔をしていない。自己と葛藤をしている善性を持った人が悪い事をした際に、苦悩が顔に出て悪相になってしまう。でも、本当の悪人も悪い顔してると思いますよ。

  • このみっしりした伏線の存在感が好き。
    冒険のための冒険小説ではなく、土台に骨髄移植という軽く取り扱えないテーマを真摯に据えている分、よりエンタテイメントが際立つというバランス感覚は、前作と同様。
    好きですね、こういう物語を書く人の能力は。

  • タイムリミットまでに逃げ切れるか!痛快冒険ミステリーです。高野氏の作品はなんといっても読後感がいい。爽快です。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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