楽園のつくりかた

著者 :
  • 講談社
3.47
  • (17)
  • (26)
  • (63)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 172
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113885

作品紹介・あらすじ

エリート中学生に転校の悲劇。しかもド田舎の学校。同級生はこの3人。バカ丸出しのサル男、いつもマスクの暗い女、アイドル顔負けの美女(?)。ああ、ここは不毛の地?それとも楽園なの?退屈な田園に届く、おとうさんからのEメール。ぼくのユーウツを癒す、救いのメッセージ。でも、おとうさんって。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • バリバリの進学校から、ド田舎の分校に転校してきた男の子の話。
    児童書。
    でも、大人が読んでも読み応えはある。
    中学生のずいぶん大人になった気持ちと、まだまだ子どものアンバランスさがよく描かれていると思う。
    そして、中学生に限らず、いつでも自分が間違っていることに気付けたなら、やり直すことができる。
    そして、大体の人はやり直すことを受け入れてくれるような気がする。
    さらに言えば、傷ついた経験がある人ほど、そうじゃないかと思う。

    • kuroayameさん
      わーいっ、この本えぬも読んだので、レビューを拝見させていただきながら、うなずいてしまいました♪。
      本当、児童書なのに大人でも読むことができ...
      わーいっ、この本えぬも読んだので、レビューを拝見させていただきながら、うなずいてしまいました♪。
      本当、児童書なのに大人でも読むことができて、自己中すぎる主人公を自分と照らし合わせて、「自分は自己中?」と考えながら読んでいたのでとても面白かったです♪。
      笹生さんの作品、どれもえぬは大好きで、いつももっと学生の時に触れていればよかったのにと思ってます★。
      2012/10/22
  • 東京の私立中学に通っていた偏差値命の星野優は、父の故郷のど田舎に引っ越すことになった。

    塾もない娯楽もなく、中学校は分校で同級生は自分を合わせて4人。

    ヘラヘラしている勉強嫌いの作ちゃん
    美少女だけど実は男子の一ノ瀬と
    マスクをつけてしゃべらないまゆは山村留学生。

    田舎に来てから生き生きしだした母と
    時々ボケていながら果樹への知識ははっきりしている祖父。

    唯一海外転勤の父からのメールが心を慰めてくれた。

    自由な家族とヘンテコな同級生にうんざりして
    自分を押し通すことにムキになって

    本当は海外で病死した父をきっかけに
    この地に引っ越してきたという事実を受け入れられないでいた優。

    良かったなー。
    本当はお父さんが亡くなっていて自分で自作の父からのメールを作っていたとは気が付かなくて、思わず泣きそうになったわー。

    優は賢くて良い子だなあー。
    私も何もない田舎に行きたい。

  • この内容にしてどうしてこのタイトルなのか。
    主人公が意に沿わない引っ越しで、都会から一変、ど田舎で暮らすことになって、どうしようもなく腐っている、というのが話のスタート。クラスメイトが3人しかいない分校で、どんな風に内面が変わっていくのだろう、どんな風に周囲との関係が変わっていくのだろう、と期待をしていた。タイトルの提示する「楽園のつくりかた」に、興味があったからだ。
    ところが、人物の描写が薄く記号的だったので、物語の転換点での共感があまり持てなかった。物語の大部分を占めるのは、偏差値至上主義の薄情で傲慢な主人公の語り。期待していた変化はなかなか訪れず、作者都合と言いたくなる「偶然の登場人物」により、半ば強引に引き起こされる。
    結局「楽園のつくりかた」は、外部の要素にもたらされる偶然の変化ということ?
    突飛な設定の周辺に薄い肉を付けて出されたという残念な印象が残った。

  • ある日都会から田舎に引っ越すことになった中学生の心の移り変わりがよく描けています。
    設定などちょっと出来すぎな部分がありますが、それが抵抗ないぐらい素直な文章です。
    思春期の人にも、心は思春期の人にもおすすめです。

    引用したように、お父さんからのメールが格好良すぎ。

  • 再読。

  • 都会の学校から何もない田舎の分校に転校することになった中学生の話。
    父親への抗議のメールや心情がとてもうまく表現している。
    漫画の好きな中学生には読みやすい一冊だと思う。

  • 都会育ちの男の子が田舎の1クラス3人の生徒しかいない中学へ転校して丸くなっているている成長ストーリーでした。

    笹生さんらしい、こざっぱりすた作品だったと思います。

  • きちんと書かれたYA小説でした。きちんとしすぎのような気も・・。
    最後になぞの人物が明らかになりますが、ちょっと強引。

  • 最後、泣ける。分かっていても、泣ける。
    あとは、グイグイ読めた気がする。

  • きょう借りてきて、先ほど読了。笹生陽子さんははじめてかな。
    はじめのうちはちょっとなぁ、と思っていたのだけど、急展開後はおお、と読んでしまった。王道といえば王道、なのかもしれない。でも、それを生かして描ければ関係ない。文の切れもよかったし、読後の爽やかさがよかった。
    ほかの作品も、今度読んでみよう。

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。慶應義塾大学文学部人間科学専攻卒業。1995年『ジャンボジェットの飛ぶ街で』が講談社児童文学新人賞佳作となる。1996年『ぼくらのサイテーの夏』でデビュー。同作品で第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞を受賞。2003年『楽園のつくりかた』で第50回産経児童出版文化賞を受賞。その他の著作に『世界がぼくを笑っても』『バラ色の怪物』などがある。

「2015年 『楽園のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笹生陽子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×