海霧〈上〉

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 18
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062114172

作品紹介・あらすじ

男は霧のなかに夢をさがし女は勁くやさしかった。北辺の地で凛々しく生きた女三代の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 原田康子さんは2009年に83歳で亡くなられているので、もうこの作品がひろく読まれることはないかもしれない。
    「晩歌」が映画化もされ、社会現象にもなったというが、それも1956年のことだから、はるか過去のことである。

    あえて、作者の家系をもとにしたというこちらの作品を読んでみた。明治から昭和のはじめまで、作者が「女系であった」という女3代の物語。
    佐賀から釧路に移住し、一代で商家を築き上げた幸吉。その妻さよ。そして、作者の祖母がモデルになったという長女のリツ。たいへん個性的に描かれる彼女が、創作のもとになったという。商家を存続させるため、彼女の負わされた運命は過酷だった。子をなすためだけに、嫌う相手を婿に迎え、ようやく千鶴を産むが、26の若さで亡くなってしまう。妹のルイはその弟を婿養子に迎える。婿養子の兄弟によって、そして時代によって、平出商店は翻弄されていく。この時代を生き抜いた人々の壮大な物語。
    それをずっと見続けるさよの視線に救われる思いがする。事実を淡々と綴っていく物語なので、読むリズムに抑揚がなく前半は長さがしんどかったが、この一族の行く末を最後まで見届けたくて、後半は一気に読んだ。
    とても複雑な家族なので、家系図がほしかった。小女や女中もたくさん出てきて、混乱してしまった。

    2017年12月、釧路市の文学館が開館する記念に、コーチャンフォーが1000部復刻して話題になった。またこの名作が注目されるのは嬉しい。

  • 釧路などを舞台とした作品です。

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原田康子の作品

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