半落ち

  • 講談社 (2002年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784062114394

作品紹介・あらすじ

自首。証拠充分。
だが被疑者は頑なに何かを隠している。

実直な警官が病苦の妻を扼殺。捜査官、検察官、裁判官…6人の男たちは事件の“余白”に迫っていった。
警察小説の旗手、初の長篇

「人間50年」――
請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。
全面的に容疑を認めているが、犯行後2日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。
男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。
感涙の犯罪ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ラストで泣きました。

  • 面白い!と、まあまあ…半分ずつ。
    オチは、そんなもんだろうと思う。が実際を考えると感慨深い。最後は目頭が…。職務と人間味の葛藤は辛いですよね。しかし、この本を読んでヒントを得たようなきがします!とても参考になりました!

  • 登場人物の物語を紡ぐ形で展開し、各々のストーリーは重厚で楽しめた。それに比べて結論は、そうなの?という印象。

  • 映画とか、まあ、評判なんで、いまさら言うことはありませんが、デビューからこの実力、たいしたものですね。

  • いろんな視点からストーリーが進んでいくのは面白かったが、その視点で見ていく中でどんどん膨らんでいく「劇的な結末」への期待はちょっと裏切られたかなぁ。
    そこまで劇的ではなく、真実がわかり静かに終わった感想。
    そもそも田辺誠一さん目当てで映画を観るのに先に原作が読みたくて読んだのだが、なんとなく映像化してる方が面白そうだなと思うので今から映画見るの楽しみ。

  • ある警察官が妻を殺したと自首してきた。
    警察官の不祥事、とはいえ自首もしているし、病気に苦しむ妻からの懇願でかわいそうになり、といった同情できる点もある、少しメディアは騒ぐかもしれないがそこまで大騒ぎするほどのことではなかった。ただ1点、自首するまでに謎の2日目の間があったということ以外…。

    前半は「空白の2日目」に対してなんでそんなみんなぐちゃぐちゃうるさいの???とこちらの感情がついていけなくて置いてけぼりくらいました。
    実は違う理由で殺していて自殺のように見せかけたかった?とかミステリーにおける殺人事件あるあるみたいなことでもなさそうなのに、なんでこんな空白の2日目にムキになるの?
    それこそそっとしておいてくれても良いのにな〜とか思っちゃうのは自分が他人に興味なさすぎるからか??
    犯罪をおかす予定も勇気も相手も居ないけど(なんかあったらマジで意味もなく2日目放置してから意味ありげに黙秘とかしてみたらみんな躍起になって調べるんやろか)とか妄想した。
    でもなんかどんどんみんなそっとせざるを得なくなって
    ラストはボロボロないちゃった。
    意味ありげな2日目、マジで意味あったやないか。そんな辻褄合う2日目ある?ってくらい。
    最後綺麗だった。

  • アルツハイマーの妻を、殺害し逮捕された警察官を中心に、それに関わる、刑事、検察官、記者、弁護士などそれぞれの視点から物語が展開される。
    そのため、最後の最後まで、真相の糸口さえ伏せられている割に、間延びした印象を持たなかった。
    この点には、著者の構成の上手さを感じた。

  • 半落ちのまま進んでいく展開にモヤモヤしながらも、自分まで関係者になったかのように引き込まれます。
    いわゆる刑事もの、事件ものでは終わらない感動があります。
    素晴らしい作品だと思います!

  • 現職警官の妻殺しから物語が始まる。謎として残る妻を殺害したあとの空白の2日間。なぜ彼は2日間さ迷い、死ではなくいきることを選んだのか。全てを明らかにするラストは謎が解ける心地好さの中に、生きることを選んだ彼の強い意思と切なさを感じる。是非一読いただきたい作品。

  • 病気の妻を殺してから自首するまでの空白の二日間。彼はいったいどこで何をしていたのか。犯行を自供しながらも頑なにその理由を語らない元警部。取調官、検察官、新聞記者、裁判官、弁護士、刑務官がそれぞれの立場からその謎を追う。 彼にあと1年生きようと思わせた理由は何なのか。それを知った時、なんとも切なく、そして胸があつくなりました。

  • 最後はじーんと来ます。
    人は絆によって、生かされている。

  • 逮捕され、裁判になり、刑務所に入っても半落ちのまま。誰も正義を貫けないまま話が進んでしまうところに現代日本の病理を感じました。警察、新聞記者、検察などを書かせたら作者の右に出る者はいないのではないか、と思ってしまいます。この作品の核心である「ある点」にケチをつけた直木賞選考委員の某作家には、「事実がそんなに偉いのか」と言いたいです。作品の面白さが全てであることは、この作品が売れて、多くの人に愛されていることが証明していると思います。

  • 学生の時、何となく母の本棚から拝借して読んだ本です。

    確か初の横山作品だった気がします。
    この本をきっかけに、横山さんにハマっていったんだよなぁー。

    私にとって、ひとつの思い出の本。

  • 〈内容〉「人間五十年」―請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが、犯行後二日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。感涙の犯罪ミステリー。

  • 文句なしの傑作。

  • アルツハイマーの妻を殺した警察官は、殺害後から自首までの二日間の行動を隠していた。
    誰にも語らないと決意した意思は固く、その真実はなかなか語られることがない。
    だが、そんな彼に惹かれ、真実を知りたいと思う人たちがいた。
    一体、何を隠しているのか…その裏に潜む警察、検察の関係とは…

  • アルツハイマーの妻を扼殺した現役警察官の梶。自首をし犯行も全面的に認めたが、空白の2日間については口を閉ざしたままだった。検察、記者、弁護士など事件に関わる人の視点を通して描かれた作品。一気に読んでしまいました。

  • 心地よい読後感−「死なせない」「この男を死なせてなるものか」
    シンプルで力強い文章に引っ張られて一気に読めた。被疑者の「余白」の部分を解明しようとする男たちのそれぞれの思いと、組織の圧力、それに屈する男たちの無念と執念。命を奪うと同時に命を守ろうとする男・・・作者の正義感が伝わってくる傑作。

  •  生きる目的、やはり何らかの目的がなければ、「生きていく」ことは難しい事だと思い知った。その目的が自分の幸せであれ、他人の幸せであれ、自分や相手を思いやる心があれば、その目的を達成する為の援助を周りから受けられるのでは。そう思えてくる作品。

  • 妻の殺害の三日後に自首した元警察官が黙して語らない「事件後の空白の二日間」を巡る関係者各位の動向を描くミステリー。章ごとに刑事、記者、裁判官と異なる立場の人間が主人公になる変わった構成。真相よりも、この手の職業の人達みんな大変だなあという感情が強い。ほんと大変。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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