心の深みへ

  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062114905

作品紹介・あらすじ

「心の問題」の専門家と「事実の問題」の作家が20年かけて深めた「生き方の問題」。

感想・レビュー・書評

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  • ○社会というのは幸福度を増した分だけ不幸度も絶対に増える
    ○その人は無意味に死んでいくんじゃなくて、人生をどうまっとうするかというすごい仕事に直面しているわけです。
    ○柳田:一律に心停止まで待たなきゃ意味がないということではなく、人それぞれに、あるいは家族それぞれに、死んでゆく人に対しての気持ちが熟して、納得する瞬間というのがやってくると思うんです。私自身も、十日目には洋二郎、お前はもう十分に生きた。よく頑張ったなという感情が満ちてきて、ここまでくれば、心停止を待たなくても、腎臓提供をすることに同意できるだろうという気持ちが、ふっと出たんですね。

    「人それぞれに、あるいは家族それぞれに、死んでゆく人に対しての気持ちが熟して、納得する瞬間というのがやってくると思うんです」
    その瞬間というのは、医療従事者ではなく、今までの時間を過ごしてきた家族が決める事であって、医療従事者はその瞬間を支えられるような支援のあり方が求められているのではないかと感じた。

    「自死を選ぶ」ということに対しての視点が河合隼雄先生ならではの暖かい眼差しで満ちているなあと感じる。
    そこを選ぶに至までに何かしらの救いがあればと思わずにいられないが、そうせざるを得ない程の力が働いてしまっているという背景がすっと心に染みてくる。

  • 初回が1985年、最終章が2002年。時事問題を反映した会話が興味深い。キューブラー・ロスとウサギの話がインパクトあり過ぎ。柳田氏の著書『犠牲』も読んでみたい。

  • 1985年から2002年まで足掛け18年間に7回行われた柳田邦男と河合隼雄の対談集。10年以上前に出版されたものが今年文庫化。
    人間の生と死についての二人の対談には、色々な事を考えさせられた。
    IT革命が人間に何をもたらすか、など、古さを全く感じさせない内容。絵本の素晴らしさなどにも触れられていて、とても分かりやすく納得できる話が多かった。
    次男を自殺で亡くした柳田邦男が「犠牲(サクリファイス)」を出版した後の第五話が特に良かった。

  • 自分の体全体で経験しなきゃわからない

  • 自炊したのを契機に、再読しました。前も感じたけど、柳田邦男さんはしばしば「理が勝ってしまう」ヒトで、この本でも随所に「ああ、説明しすぎだなあ」と感じました。よく読むと、河合先生はやんわりといなしているような、柳田さんのさらなる成熟をじっと待っているような、独特の間があることに気づきます。河合先生のお話はいつものように深い。

  • 河合先生の本の中では(といっても対談やエッセイを中心に数冊読んだだけですが)いちばん好きです。それはやはり柳田さんとの共著だからだと思います。

  • 自分の価値観で生きることって簡単なようで難しい。
    心の深いところなんて、誰にもわからない。

  • 柳田邦男の「犠牲」を読んで、ぜひ読みたいと思った本。
    とにかく難しい本だったけど
    物事は黒白だけで明らかになるものではない部分もある
    ということは、よく覚えておいて、自分の中にも
    取り入れていかなければいけないなと深く思った。

    また「犠牲」を発売した直後の柳田邦男が
    どうしても河合隼雄に会いたくなって対談した
    第五話はとても興味深い。
    河合隼雄は言葉は少ないが、
    とても深いレベルで柳田邦男を理解してて
    対談後に柳田邦男が救われたのが見えるようだった。

  • 「死」について考えた本。
    たとえば身内の死にあたって、肉体的なことだけでなく、心やたましいの別れのついて。
    「人間というのは物語をつくって生きている。」という河合先生の言葉が心に残った。

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