リトル・バイ・リトル

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1441
感想 : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062116695

感想・レビュー・書評

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  • 今をときめく島本理生さんが高校生だった頃に書かれた小説であり、芥川賞候補にもなった作品。
    女子高生が書いたとは思えないほどしっかりとした内容と構成にただただ驚く。
    けれど高校生らしいさっぱりと清々しい恋愛模様にちょっと安堵した。
    高校を卒業したての女子と男子高校生の、なんとも言えない甘酸っぱい距離感は照れてしまう位に微笑ましい。
    怖いときは目をつむってじっと我慢する、という彼女に対して「毎回怖いって思うたびに、そう言えばいいじゃないですか」と仲良くなっても敬語(彼女はタメ口なのに彼は最後まで敬語!)の彼に胸がきゅんとなる。
    こんなベタで可愛いセリフは男子高校生にしか言えないな…。

    淡々と静かに俯瞰的に物事を視る感じの文章は、少し吉本ばなな風?
    島本さんはこれが3作品目だけれど、一番落ち着いた文章で大人びた雰囲気を纏っていた。
    家族のことで悩み多き彼女を取り巻く問題はこれからも続くようだけれど、彼との恋でささやかな光が灯ったように感じられる、とても爽やかで素敵な作品だった。
    これが島本さんの原点なのだね。

  • 先だって直木賞を受けた島本理生の昔の作品、今から15年前に芥川賞の候補になった作品です。瑞々しくて明るくて若くて気持ちいいね♪
    あとがきも初々しくて中で「ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出せるような小説をこれからも書けたらいい」と言っているけど、さて初心は貫けているのでしょうか?
    直木賞作品は私には少し苦手だったので、この本を読んで良かったです。

  • 芥川賞候補作

    一般的に考えると決して普通と言えるような環境にある主人公の女子高生が日常を普通に過ごしていく様子を描いている気がした。
    恋愛ものであるのは、間違いないのだけれど、女子高生らしい生活感みたいなものがあったように思う。
    主人公の気持ちの変化も、劇的にというわけでなく、少しずつ、少しずつ、
    変わっていることをなんとなく意識して来たり確かめたりしながら、物語が進んでいて、青春の日常を切り取って丁寧に描いている感じがよかった。

  • 久しぶりに、ゆったりとした気持ちで読める島本作品を見つけた気がします。周とふみの距離感は理想。

  • 島本理生さんは、初めて読んだ「ナラタージュ」の印象のお陰で、内向的な主人公が素直な恋愛感情を間違った方向に向ける様を淡々と語る心がときめくも読後に非人道的な設定にときめいた自分に幻滅させられる話を書く人だと思ってた。
    会社の隣に日々負のオーラをまき散らしてる人がいる今日このごろ、せめて本だけは気分が晴れる本を読みたかったので、購入するかどうかすっごい迷ったんだけど、買ってよかった!

    周君、かわいい~~~!!!敬語で話すおっとりした年下男子(でも強い)とかやばい。自分も欲しい。周君。
    ふみと長年連れ添った夫婦みたいなスローな感じもよい。あのカップルが可愛すぎる!

    3人姉妹みたいなふみの家族の雰囲気もすごくいい。ふみは多少不満を持ってるみたいだけど、お母さんが幼いながらもしっかりしてたり、奔放ながらもちゃんと考えてたりで良い。
    今思えば、話の頭では、ふみはお母さんのことをすごく否定的に見てたけど、中盤からは良いところを中心に協力的に見るように変わってた。すごい!そんなトリックが隠されてたなんて。

    人物描写が全然無いのにもかかわらず、登場人物がお互いに関わっていく様のみで誰がどういう人間かわかるのも良い。
    本自体は短いのに、内容もスローで特にイベントもなく淡々と進んでいくのに、読み終わったら妙に満足感がある良作。買ってよかった。

  • 吉本ばななを思わせるような、心温まる作品だった。

  • 島本理生作品は初めて読んだ。爽やかで、読後感もいい。所々にある優しく柔らかい表現の仕方がとてもすきだ。

    ふみと周が自転車で二人乗りしているのきの「こちらに向けた背中に自分の体をつけると鼓動が二重に響いて二つの心臓を抱いたような気がした」や、ふみの実の父親を思い出すときの「それでもたくさんの記憶の中から希望を取り出そうとしてしまう」などなど…。
    文体や、構成が瀬尾まいこのようなところもまた、わたしのツボであった。


    2013.05.10

  • 淡々と過ぎ行く日常を描いた話は、割に好きだ。なんだか、安心する。そして、安心して読める。激しい高揚は無いけれど、まいにちは過ぎてゆくのだ。日常をすごす自分に、すこし安心したり した。

  • こうやってゆっくりゆっくり恋に落ちてくる感覚っていいな。今死んでもいいかもって思うのってきっとすごく幸福なこと。周くんがかっこよい。

  • いなくなった父親の事を忘れられないふみ。
    どんなにひどい父親でも、子供にとっては唯一無二の存在なんだろうか。
    自分は親から暴力を受けた事はないが、親からの暴力はずっと記憶に残るものだろうと想像する。

    ふみは、周と出会い、穏やかな楽しい時を一緒に過ごすことになる。
    爽やかな2人の恋愛は、懐かしい気持ちを思い出させてくれる。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島本理生の作品

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