リトル・バイ・リトル

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1479
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062116695

感想・レビュー・書評

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  • 今をときめく島本理生さんが高校生だった頃に書かれた小説であり、芥川賞候補にもなった作品。
    女子高生が書いたとは思えないほどしっかりとした内容と構成にただただ驚く。
    けれど高校生らしいさっぱりと清々しい恋愛模様にちょっと安堵した。
    高校を卒業したての女子と男子高校生の、なんとも言えない甘酸っぱい距離感は照れてしまう位に微笑ましい。
    怖いときは目をつむってじっと我慢する、という彼女に対して「毎回怖いって思うたびに、そう言えばいいじゃないですか」と仲良くなっても敬語(彼女はタメ口なのに彼は最後まで敬語!)の彼に胸がきゅんとなる。
    こんなベタで可愛いセリフは男子高校生にしか言えないな…。

    淡々と静かに俯瞰的に物事を視る感じの文章は、少し吉本ばなな風?
    島本さんはこれが3作品目だけれど、一番落ち着いた文章で大人びた雰囲気を纏っていた。
    家族のことで悩み多き彼女を取り巻く問題はこれからも続くようだけれど、彼との恋でささやかな光が灯ったように感じられる、とても爽やかで素敵な作品だった。
    これが島本さんの原点なのだね。

  • 先だって直木賞を受けた島本理生の昔の作品、今から15年前に芥川賞の候補になった作品です。瑞々しくて明るくて若くて気持ちいいね♪
    あとがきも初々しくて中で「ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出せるような小説をこれからも書けたらいい」と言っているけど、さて初心は貫けているのでしょうか?
    直木賞作品は私には少し苦手だったので、この本を読んで良かったです。

  • 日常を淡々と描かれた物語だった。
    ほっとする反面、大きな出来事もなくてちょっと物足りなさを感じる。
    主人公の恋の行方も知りたかったな
    でも、全体的に優しいお話でした

  • いなくなった父親の事を忘れられないふみ。
    どんなにひどい父親でも、子供にとっては唯一無二の存在なんだろうか。
    自分は親から暴力を受けた事はないが、親からの暴力はずっと記憶に残るものだろうと想像する。

    ふみは、周と出会い、穏やかな楽しい時を一緒に過ごすことになる。
    爽やかな2人の恋愛は、懐かしい気持ちを思い出させてくれる。

  • 面白かった。

  • お互いのことを思いやることが大事。青春

  • こうやってゆっくりゆっくり恋に落ちてくる感覚っていいな。今死んでもいいかもって思うのってきっとすごく幸福なこと。周くんがかっこよい。

  • 「生まれる森」でも思ったけど、彼女の書く恋愛小説の青年はかわいい。可愛すぎて現実感ない位だけど、小説だからそこを楽しむって事か。

  • 最近、胸に突き刺さるような鋭利な小説を読んだりしていたので、この作品から漂ってくるようなふんわりとした明るさは、僕にとって非常に心地よいものでした。かといって決して甘いだけの世界ではなく、薄暗い部分があるのに、それが物語を引きずらない。それは「あとがき」で作者の書いているように、物語を明るくしようという気持ちの表れで、そして確かに僕はそのおかげで、深夜だったのにも関わらずひだまりにいるような気持ちで本を閉じることができました。

  • みずみずしい。
    作者が二十歳前に書いたと思えば、
    その感性に惚れ惚れ。同年代とは思えない鋭さだなぁと。
    発売当初読んでいたら、そんなこと思えなかったのだろうけど。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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