リトル・バイ・リトル

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 296
  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062116695

感想・レビュー・書評

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  • 島本さんのエッセイ2冊読んで好感が増し、未読だったので借りてみました。意外にも胸キュン作品でした。島本さんのイメージがまた変わった…こういうフレッシュな作品も素敵です♪何気ない言葉や風景がキラキラしていて大好き。


    気分転換になってスッキリしました♪大切な人や家族との「距離感」のお話。橘ふみ、ユウちゃん、母、離婚した二人の父。周、周の姉、柳さん夫婦など家族と夫婦の絆の大切さがじーん…と温かい。恋人未満恋人になるまでのくすぐったい空気が懐かしい~。「周がんばれ!」と応援したくなり、同性だけど思わず、ふみのことをぎゅって抱きしめたくなっちゃいました♪

    習字の先生の『約束』の話のシーンでは、不意打ち過ぎて涙腺崩壊しそうになっちゃったし…。この作品文庫で買おうかなと思うくらい好き。会話や雰囲気が少しよしもとばななさんに似ていて(「ムーンライト・シャドウ」を思い出した)、珍しいなぁ…。私の中ではこの本貴重かも。


    なんとなく思うけど芥川賞候補作だったこの作品。この時期、誰が受賞したのかわからないけど、いい意味で受賞しなくってよかったんじゃないかな…と個人的に思う。高校生作家で受賞していたら、今の島本さんじゃなかったかもしれない。


    評判が高いけどなぜか受け付けない苦手な「ナラタージュ」を読み、敬遠気味な長編の「アンダースタンド・メイビー」を読んで、全作追っかけてみようと思う。こういう風に思えるのって久しぶり。


    「little by little」の意味…「だんだん・少しずつ」素敵過ぎる。墨を摺っている間、夢幻になり無心になるってわかるような気がして懐かしさを感じた。

  • 今をときめく島本理生さんが高校生だった頃に書かれた小説であり、芥川賞候補にもなった作品。
    女子高生が書いたとは思えないほどしっかりとした内容と構成にただただ驚く。
    けれど高校生らしいさっぱりと清々しい恋愛模様にちょっと安堵した。
    高校を卒業したての女子と男子高校生の、なんとも言えない甘酸っぱい距離感は照れてしまう位に微笑ましい。
    怖いときは目をつむってじっと我慢する、という彼女に対して「毎回怖いって思うたびに、そう言えばいいじゃないですか」と仲良くなっても敬語(彼女はタメ口なのに彼は最後まで敬語!)の彼に胸がきゅんとなる。
    こんなベタで可愛いセリフは男子高校生にしか言えないな…。

    淡々と静かに俯瞰的に物事を視る感じの文章は、少し吉本ばなな風?
    島本さんはこれが3作品目だけれど、一番落ち着いた文章で大人びた雰囲気を纏っていた。
    家族のことで悩み多き彼女を取り巻く問題はこれからも続くようだけれど、彼との恋でささやかな光が灯ったように感じられる、とても爽やかで素敵な作品だった。
    これが島本さんの原点なのだね。

  • 先だって直木賞を受けた島本理生の昔の作品、今から15年前に芥川賞の候補になった作品です。瑞々しくて明るくて若くて気持ちいいね♪
    あとがきも初々しくて中で「ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出せるような小説をこれからも書けたらいい」と言っているけど、さて初心は貫けているのでしょうか?
    直木賞作品は私には少し苦手だったので、この本を読んで良かったです。

  • 芥川賞候補作

    一般的に考えると決して普通と言えるような環境にある主人公の女子高生が日常を普通に過ごしていく様子を描いている気がした。
    恋愛ものであるのは、間違いないのだけれど、女子高生らしい生活感みたいなものがあったように思う。
    主人公の気持ちの変化も、劇的にというわけでなく、少しずつ、少しずつ、
    変わっていることをなんとなく意識して来たり確かめたりしながら、物語が進んでいて、青春の日常を切り取って丁寧に描いている感じがよかった。

  • 久しぶりに、ゆったりとした気持ちで読める島本作品を見つけた気がします。周とふみの距離感は理想。

  • 島本理生さんは、初めて読んだ「ナラタージュ」の印象のお陰で、内向的な主人公が素直な恋愛感情を間違った方向に向ける様を淡々と語る心がときめくも読後に非人道的な設定にときめいた自分に幻滅させられる話を書く人だと思ってた。
    会社の隣に日々負のオーラをまき散らしてる人がいる今日このごろ、せめて本だけは気分が晴れる本を読みたかったので、購入するかどうかすっごい迷ったんだけど、買ってよかった!

    周君、かわいい~~~!!!敬語で話すおっとりした年下男子(でも強い)とかやばい。自分も欲しい。周君。
    ふみと長年連れ添った夫婦みたいなスローな感じもよい。あのカップルが可愛すぎる!

    3人姉妹みたいなふみの家族の雰囲気もすごくいい。ふみは多少不満を持ってるみたいだけど、お母さんが幼いながらもしっかりしてたり、奔放ながらもちゃんと考えてたりで良い。
    今思えば、話の頭では、ふみはお母さんのことをすごく否定的に見てたけど、中盤からは良いところを中心に協力的に見るように変わってた。すごい!そんなトリックが隠されてたなんて。

    人物描写が全然無いのにもかかわらず、登場人物がお互いに関わっていく様のみで誰がどういう人間かわかるのも良い。
    本自体は短いのに、内容もスローで特にイベントもなく淡々と進んでいくのに、読み終わったら妙に満足感がある良作。買ってよかった。

  • 吉本ばななを思わせるような、心温まる作品だった。

  • 島本理生作品は初めて読んだ。爽やかで、読後感もいい。所々にある優しく柔らかい表現の仕方がとてもすきだ。

    ふみと周が自転車で二人乗りしているのきの「こちらに向けた背中に自分の体をつけると鼓動が二重に響いて二つの心臓を抱いたような気がした」や、ふみの実の父親を思い出すときの「それでもたくさんの記憶の中から希望を取り出そうとしてしまう」などなど…。
    文体や、構成が瀬尾まいこのようなところもまた、わたしのツボであった。


    2013.05.10

  • 淡々と過ぎ行く日常を描いた話は、割に好きだ。なんだか、安心する。そして、安心して読める。激しい高揚は無いけれど、まいにちは過ぎてゆくのだ。日常をすごす自分に、すこし安心したり した。

  • 「私はもう何も待たなくて良かった。私が待っていたものは、もうとっくの昔に失われていた。そんなこと、本当はずっと分かっていた。」

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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