プラネタリウムのふたご

  • 講談社
3.91
  • (259)
  • (147)
  • (297)
  • (12)
  • (0)
本棚登録 : 1093
レビュー : 250
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062118262

作品紹介・あらすじ

星の見えない村でうまれ、ひとりは手品師になり、ひとりは星の語り部になった。『麦ふみクーツェ』につづく、書下ろし長編小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ずっとずっと、騙されたままでいることにします。

  • 宮沢賢治の童話のような雰囲気もありつつ。

    星のみえない村のプラネタリウムで育ったふたごが、一人は世界をまわる手品師に、一人はプラネタリウムの語り手に育っていく。

    銀髪のふたご、間抜けな工場長、村はずれの魔女めいた老婆、稀代の手品師とその一座などなど、登場人物や小道具、舞台装置はホントに童話の世界。

    それが全体的に幻想的な空気を醸し出してるんだけど、語られる現実は結構シビアだったりする。
    それでも最後に伝えられるのは、やっぱりすごくストレートな愛のメッセージ。

    いやーとても好きな作品でした。
    あちこち泣けた・・・。

  • とても描写がきれいで惹きこまれました。
    だましだまされることの幸せと哀しみ、そんなことを考えました。

  • 空に輝く星が、
    ここでは見えない!と言うのなら、

    プラネタリウムに行きましょう。

    (所詮、偽物の星でしかない?)
    (窮屈な有限の宇宙?)

    捨てられた双子の赤ちゃんの泣き声までどっかから聞こえてくるし!

    あぁ、
    でも…
    その解説員の声はとても優しくて
    「目を閉じて」

    偽物の星に騙される事の面白さを思ってごらん。

    ひょっとしたら、より多く騙される才能のある人程、
    幸せなのかも知れないよ。

    双子はいつの間にか泣きやんで、
    どこかでじっ…と星を見ている。

    この子達の成長と共に、有限の宇宙がゆっくりと広がる様を魅せてくれる温かい物語。

  • いしいさんの文章が本当に大好きです。
    六本目のゆびでつながりあった、銀色のふたご。

  • 「だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。」

    この地球の北半球のどこかのちいさな村。
    星の見えないこの村のプラネタリウムに捨てられた、銀髪のふたごの物語。

    久しぶりに「純文学」と思われるものを読みました。
    初めは、子供向け?と思ったけど、しっかりとオトナ向けのメッセージが
    含まれた、ステキなファンタジーでした。
    内容はぜんぜんファンタジーではありません。魔法も不思議な出来事もないし。
    でも、ふたごのテンペルとタットルやその他の登場人物たちの優しい気持ちや プラネタリウムという場所、田舎の村の情景描写・・・
    まるで気持ちよく魔法にかかったような気分にさせてくれます。

    その上での、冒頭の一文。
    すぅっと沁みました。

    他にもたくさんステキな言葉が散りばめられていましたが、
    私にはこの一文が一番キました。

    ちょっと厚めの本ですが、優しい気持ちになれるオススメの一冊です。
    「童話物語」と並んで、何度も読み返したい本になりそうです。

  • その村は、北側に禁猟区の森、海外資本の化学工場にその他の三方を囲まれ、工場の巨大えんとつから出される煙のせいで一年中もやに覆われている。しかし村の人々は一年中星を見ることが出来た。解説員の泣き男が切り盛りするプラネタリウムにて。ある日、銀色の髪をもつふたごの赤ちゃんがプラネタリウムに捨てられていた。ふたごは星座の名前にちなんでテンペルとタットルと名付けられた。

    心に染みる物語。序盤はほのぼのとした話でこのまま終わるのか、と予想していましたが、テンペルとタットルがそれぞれ彼らにしかできない仕事に巡り合い、別の道を歩む辺りからの展開にどんどん引き込まれていきました。

    いしいしんじさんの物語に共通するのは「大切な誰かを想う優しさ」だと思う。
    歯のない老犬と靴をなくした兄貴も、
    目の見えない老女も、
    ウサギを愛する少年も、
    テオ一座も、村の人々も、
    そして泣き男と銀色の髪のふたごも…
    すべてがやさしい。

    「それ以上に大切なのは、たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分と同じものを見て喜んでいること、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ。」

  • 少しずつ少しずつ読んでいきました。
    愛おしいです。

  • 物語に登場する人々の心の交流がとても綺麗でどこか幻想的にも感じました。

    プラネタリウムでの星座の解説は実際に語り部の声が聞こえてきそうな臨場感があり、星々の話はロマンチックで惹きこまれます。読んでいる途中星空を見上げて星座を確かめてみたくなりました。

    登場人物それぞれの愛情、プラネタリウムという舞台、星座にまつわる話、それらが物語に優しく溶け込んでいてとてもいい雰囲気を作り出しています。

    深い悲しみでさえも、ほのかな温かさ、優しさで包みこんでいくところ。
    さすが、いしいしんじです。

全250件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

いしいしんじ
1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。
2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、
16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。
そのほか『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『四とそれ以上の国』『海と山のピアノ』など著書多数。
趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2019年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

プラネタリウムのふたごのその他の作品

いしいしんじの作品

プラネタリウムのふたごに関連する談話室の質問

プラネタリウムのふたごを本棚に登録しているひと

ツイートする