藤田嗣治画文集 「猫の本」

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062118446

作品紹介・あらすじ

『藤田嗣治画集 素晴らしき乳白色』に続く第2弾!
画集未収録作品を中心に約90点の猫の絵とエッセイ

盛り場から夜遅くパリの石だたみを歩いての帰りみち、フト足にからみつく猫があって、不憫に思って家に連れて来て飼ったのが1匹から2匹、2匹から3匹となり、(中略)ひどく温柔(おとなしや)かな一面、あべこべに猛々しいところがあり、二通りの性格に描けるので面白いと思いました。――本書より

感想・レビュー・書評

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  • 藤田嗣治・画文集『猫の本』 | 猫好きが読んだ千冊の本
    https://nekohon.info/fujitatsguharu-nekonohon/

    『藤田嗣治画文集 「猫の本」』(藤田 嗣治)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000181661

  • 「燕尾で生きた裸体の画架の上で油絵を描いた人間はおそらくこの世で僕とドンゲンだけでしょうね。
    予め打ち合わせも何もなく遣ったのだが10分もかからずに出来上がって、大喝采でしたよ。」
    げ、現実?
    猫、猫、猫。
    裸婦や少女と一緒に描かれてるけど、人が虚ろで無機質な様子なのに猫は生き生きしてみえる。
    眼の光、表情、くたりとした体。
    寝て、丸まって、座り、ひっくり返り、耳をたて、飛び上がる。
    そうそう猫ってこうだった、と今は猫といられないから絵をなでてみる。
    女の子にしっぽをギュッと握られる猫がたまらない。

  • 猫のイラストが好きな人にすすめたい!

  • 猫の画家でもあったのか。女の絵が有名なのは知ってたけど。でも昔の画家の発言て今だと完全アウトなことばかりだな。女と猫は同じって、いかにもなオヤジ発言にしか聞こえないんだけど。表紙の猫の親子は可愛い。

  • 乳白色な藤田の描く猫。
    ふわふわな毛に頬ずりしたくなります。
    猫と女、猫と少女、そして猫と藤田。
    所々に織り込まれたエッセイと写真も良いですね。
    コクトーと藤田と猫の写真にはふと笑ってしまいました。

  • 好きな画家さんの一人です。
    何が良いのか…イマイチわかってませんが、何だか惹かれるの…。
    猫がいっぱいでいいです。

  • 可愛いが詰まった本。
    藤田に関する情報は無い。

  • <Fujita's Paintings of Cats>
      
    著作者/藤田嗣治
    作品撮影/仙波志郎・植田守(講談社写真部)
    装丁・AD/山口至剛
    レイアウト・DTP作成/山口至剛デザイン室(茂村巨利・青柳幸永)

  • いつか、偶然目にした展覧会で彼の絵を見た。不思議な世界へと開いた窓辺と静物、空中に漂っているような花。おかっぱと黒い縁の丸眼鏡、鼻の下にひげを生やした人。ハーレクイン模様の何かがあった。
    それくらいしか覚えていないけれど印象的で、画文集に彼の名前を見つけたとき、またその絵が見たくなった。水のような厚い空気の層に、止まりそうに余裕を持って流れる時間を感じさせる魅力があった・・・はずだ。
    でも、私の記憶していたような系統の絵は、この画文集の中にはなかった。代わりに、パリでの活動中に彼を有名にした女性と猫の作品が収められている。猫は、パリでの夜に拾ったもの。部屋やアトリエを自由に行き来し、裸婦や少女を描く後ろに登場したのが面白くて、作品にも描き込んだのが始まりだとか。
    私がもう一度興味を惹かれたあの絵画群に至る以前の作品だったけれど、この本の絵画からも同じ雰囲気を感じた。まるで水のように、たゆたう空気に包まれる不思議な絵。人物は静かで、どことなく焦点の合わない目が夢を見ているようでもある。その反対に、猫は動きを一瞬だけ止めた息遣いを感じさせて、このアンバランスにも取り込まれてしまう。
    画家は、東洋人のアイデンティティとして、墨も使って絵を描いた。背景もなく、猫だけを描いた絵にも彼の力強い個性が込められている。少しだけ載っている言葉、彼の考え方や感性に興味が湧いたので、他の本も探してみようと思う。

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著者プロフィール

藤田 嗣治(ふじた・つぐはる) 1886-1968。陸軍軍医藤田嗣章の次男として生まれる。東京美術学校卒業。画家。

「2016年 『藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916 上巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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