- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784062120470
感想・レビュー・書評
-
私、昼寝してカタツムリになったの。それは面白かっただろう、と夫は淡々という。とてもいい気分だった。目が覚めたら、不思議にも肩こりがすっきり消えちゃって。ぼくのマッサージよりもはるかに効いたようだね。(以下省略)
彼の口からばかばかしいという言葉を一度も聞いたことがない。こういう数少ない男なので、ほかのだれにも渡す気にはならないでいる。
いいなあ、こんな旦那さん。
娘との距離感や、孫の女の子とのやりとり、ほんわかします。主人公の女友達とのおしゃべりもワケありながらも楽しそう。こんな風に年を重ねたいなと思いました。
息子さん、最後に会えるのかなと少し期待しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の紹介で芥川賞作家のひとだと知りました(不勉強(^_^;)なるほど、この綻びのなさはだからかと思う。ラストの一行ですとんと胸におちるというのはこのことだ。カタカナの「オチ」をつけるというのとは全然違う。縦糸と横糸が美しく織られた反物のようだ。上質な物語の読後感はこんなに豊かだと改めて思った。
-
<あらすじ>
千亜子は都会の池のほとりに夫と暮らす年配の婦人。夫は2か月前から母親の介護のために単身田舎へ行ってしまったが、一人暮らしも悪いものではない。娘夫婦やかわいい孫、学生時代からの友人との交流もある。翻訳と朗読ボランティア、池の鳥を観察する静かな日々。胸の中にペースメーカーと小さな秘密と口には出さない思いを抱えて。
<ひとことコメント>
加藤幸子さんの小説らしい、気骨のある女性が主人公です。
※文庫あり。