負け犬の遠吠え

著者 : 酒井順子
  • 講談社 (2003年10月28日発売)
3.31
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062121187

負け犬の遠吠えの感想・レビュー・書評

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  • 何年か前に流行った本という感じ。
    ずっと読み継がれる感じの本ではない。
    時代の風俗を勉強するという意味で後20年ぐらいたって資料的にそんなこともあったのかという風に読むのはありかな?
    負け犬とは、30代以上、未婚、子なしをおしのべていう。
    自分がどう思っていようと周りは、おかわいそうに・・・という目で見るのだから、そうです、私は負け犬です、キャイーンと服従の姿勢をとれば、それ以上打たれない、私は負けていないわ、もっと可哀そうな不幸な人たちがいると相手に優越感を抱かせてあげて社会に役にたつのなら、それでもいいじゃないか的なことを推奨しているらしいのだが。
    なんだか、違和感があった。
    読み進んでいくうちに原因が判明。
    作者はバブル世代。
    実は、彼女がいっている負け犬とは、30代以上、未婚、子なし、そして、年収800万以上のバリバリのキャリアウーマンの事なのだ。
    (雑誌のインタビューで年収800万以上という発言をしているらしい)
    そして、本書で描かれている勝ち犬とは、有閑マダムになれるぐらいの年収の男と結婚し、嫁ぎ先もお金持ちで、嫁にはずかしくないようにと、ダイヤとかの指輪とか、すごく仕立てのいい礼服などを買い与えることができる義理の親を持つというプチセレブのことなのだ。
    はあ、それが違和感の原因かと。
    今どき、都会には30代以上、未婚、子なしなんてわんさかあふれているんだけど。
    年収800万なんて女子は探すのが難しいだろう。
    30代以上、未婚、子なし、派遣社員なんてざらにいる時代だもの。
    正社員だって、ボーナスってなんですか?みたいな。
    そう、この本が売れたころには「そうそう」と同意をする負け犬たちがいたのだろうが、今は、「そうか・・・おれたち、負け犬以下なのか・・・」と思うばかりである。
    不況から脱出できない日本、もう既に、酒井さんの書いたみじめな負け犬すら、絶滅危惧種なのだ。

  • だいぶ前に図書館で借りて読みました。
    この本を読んだあとに、『金曜日のパリ』を読んだので、それと比べるとずいぶん後ろ向きだなあという印象。
    「イヤ汁」とかいう表現の仕方も、好きじゃないなあ。

    基本的には、人に対しても自分に対しても、口出しなんて無用だと思ってる。
    その人の生きたいように生きるのを、他人が批評する筋合いじゃない。
    個々の生き方への批評じゃなく、社会のあり方に要因があるのだとするなら、そこのところをもっと深く分析してほしかったな。
    そもそも既婚者と未婚者を勝ち負けで分類すること自体、世間的な価値観に乗っかってるだけの気もします。

    まあ、こういう本が気になる自分も、世間様の価値観を気にして生きてるんでしょうが。。

  • 著者がとことん突き抜けていて、爽快感があった。
    結婚しない・子を産まないことがそんなに負けか?とは思うものの、当書では「それはいったん置いておいて」著者の「遠吠え」に耳を傾けると、ユーモア溢れる語り口にニヤッとさせられる。

    しかしながら、この不況の中「負け犬」となる女性はなにも高学歴・高収入で、身なりも綺麗な人ばかりではない。というより、むしろそういった人がほんの一握りだと感じる。
    学歴はあっても、仕事では人間関係なんかにつまづいて、転職を繰り返していたり、はたまた学歴もなく、なし崩し的にフリーターのまま30代へ…とか。仕事もそこそも順調だけど、どうしようもないドブス(失礼)とか!
    そういった女性のほうが私は多いような気がする(恐らく著者との属するコミュニティがまったく違うからだろう。高学歴、高収入で男もとっかえひっかえなど負け犬の中でも勝ち犬もとい価値犬なのでは?と思わざるを得ない)。
    そして、そういった人は無かったことになっているから、キャリアウーマンに当てはまらない女達は、負け犬以下の存在ということなのだな、と思った。

  • 最初にこの本と“負け犬”の定義だけを聞いたときは、また余計なことを言う輩が出てきやがって……と思ったが、いざ読んでみたら、自分が書いているかと思うほど! しかも著者の酒井女史は同い年! 思わず走っていって手を取りたくなった(どこへ?)。今も言葉だけが一人歩きしているが、ちゃあんと読めば本来の意味もわかってくるバス。“負け犬”のみなさん、食わず嫌いせずに読んでみましょう。少しは未来が気楽になりますよ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「少しは未来が気楽になりますよ。」
      ふ~ん
      「枕草子REMIX」や「紫式部の欲望」は結構ツボだったので、分析力は買うので読んでみようかな、、、
      2013/08/17
  • 自虐漫談ですね。電車の中でも読みながら笑ってしまいました。
    本人は決して卑屈になっていないですね。コンプレックスは感じません。

    ただ、もう12年ぐらいたつので、今はどうかな?
    サーヤは独身だったし、鷺沢萠さんまで登場…。

    大ファンになってしまったので、最近のエッセイも二冊予約しました。
    こういうのは新しいうちに読みたいです。

  • もう14年前の本なんだなあ…

    オリンピック4回以上前の時代だよ。
    この時代に「えっあの人、なんか独身だけど、きっとそれには触れちゃいけないんだよね?ね?」という対応をされていたであろうタイプの独身未婚女性に強烈なスポットライトをあびせたというのが、この本の最大の功績だと個人的には思う。
    負けてるふりしてそう思ってないよね、という炎上必至の書き方ですら、この著者の作戦ではないかと思うのであります。

    自分はこの本に出てくるような、色々な遊びを知っていて仕事も充実したゆえに結婚は逃したがオシャレにも気を使うような負け犬ではなく、普通に、こりゃもー普通に性格が悪くてご縁がなくイヤ汁たっぷりの趣味に走るだけの単なる未婚女性なので、別にこの本から何かを学んだり気が楽になったりすることはございませんでした。10年前買った時も今日読み直したときも感想は変わらない。

    でも4回のオリンピックを経ても、時代はもしかしたらそれほど変わってないかもしれないなあ。と思わせるだけの力をまだこの本は持ってる気がする。
    今の時代ってポートフォリオが大事とか言うじゃない。副業とか投資とかNISAだって流行ってるしさ。
    だけど、色々な人がいていーんじゃーんという人間的ポートフォリオの感覚はまだ薄いと思うんです。

    私のような無頓着そうな人でさえ
    「ああ私は何のラベルで生きていけばいいんだ。この歳で当然妻でも母でもない、そして大好きな仕事があるわけでもマネージャでもバリキャリでも美魔女でもない、上質な服も興味ないけどこの歳で独身だとどれかはやらなきゃあかんのやんね?」
    と逡巡したり
    「いいわね好きなように生きててーってあんま仲良くもない主婦のおばちゃんにスケートリンクで言われた!いや同じ時間にスケートしとるおばちゃんこそ、仕事しなくても好きなことできて気楽でいいわねーって感じなんですけどそれを言ったら失礼だと私はわかるから言わないのになんでおばちゃんは考えずに私に言うの!?」
    と素直なご挨拶かもしれないのに裏で静かにイライラしたり
    つまり自分がニュータイプ負け犬であり、まだ注目も保護すらもされないマイノリティであるという負い目があるのだなあと日々思うのであります。ダイバーシティの枠に入ってないと。
    だから何もいいことしてないからこそ、何かしないといけないと思う部分は、14年前の立派な負け犬さんたちと変わらないかなーなんて思うのでありました。まっ思うだけで翌日には忘れて努力しませんけどね。

    長くなりましたが、また10年後にどんな感想を持つかが面白そうだなと思う本です。


  • 負け犬たちは専業主婦を下に見てるんだなっていうのは分かった

  •  内田樹教授の本で取り上げられていたので読んでみた。酒田純子が言う負け犬にはそんな悲壮感は感じられないし、自分がその道を選んでいるように思える。しかも、キャリアウーマンが前提みたいだからむしろ社会的強者の部類だ。ただ、未婚、子なし、三十代以上ということだ。
     少子高齢化って、自然の摂理かもしれない。生きものとしてつがいを求めて子孫をつくって死んでいくのは、本能だ。でも、そうしない、そうならない男女が増加傾向にあるのは、生きものとして地球が終焉の準備をはじめているのかもしれない、なんてことも思う。経済的な問題だけじゃなくて、ひとの頭のなかやDNAとかのレベルから変わりつつあるのかも。
     そのうち男女ともに負け犬が当たり前のようになって、既婚者が逆に少数派になるっ可能性だってあるんじゃないかな。甲子園の球児たちを眩しく感じていたけど、高校生においてあの熱血漢たちは実は少数派になっているように。

  • 視野が狭い

  • とある本のレビューでこの本が紹介されており、曰く
    「三十歳以上、独身、子なしの女性は、全て負け犬で、それ以外の女性はすべて勝ち犬であるという定義を導入し、同一律・矛盾律・排中律を見事に駆使して完璧な論理を打ち立てる。論理とは何かを知るためにも重要な本」(『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』より佐藤優)
    とあって、非常に興味を惹かれ、読んだ本。

    どのくらい興味を惹かれたかと言うと、「矛盾律」とか「排中律」とか聞いたこともなかったので、わざわざこの本を読むために、論理学の入門本まで読んだくらいである(アホ)。

    何はともあれ、論理学に造形のある人の目から見ても、論理的な文章展開がされているというお墨付きの文章らしい。

    そこまで完璧な「論理的な文章」というものを読んでみたいと思った以外にもう一つ、こちらの方が正しいかつ強い動機だが、「負け犬まっしぐらな自分の尻を叩いてもらおう」という心持ちで本書を読んだ。

    読み終わっての感想としては「思ったより、負け犬にも優しい部分もあったな」というのが第一である。
    もっと正確に言うと、「負け犬が負け犬のままでいるのはネガティブな理由だけでなく、負け犬にとってのポジティブな利点があるからだ」という部分を見抜いているなと思った(見抜くも何も著者自身が「負け犬」の立場なのだから、言及しやすくはあるのだろうが)。
    つまり、「負け犬のままでいて良い事なんかないんだから、早よ結婚せえ」論調一辺倒じゃないところに優しさを感じたというわけである。

    勿論「負け犬」にとって手厳しいことも数多く書かれているが、「負け犬(=三十歳以上、独身、子なしの女性)」がこれから先、死ぬまでどう生きて行けばいいかの指南書となっているので、負け犬予備軍と負け犬の定義に当てはまっている人は、不安になった時、困った時に読んでみるのもアリだと思う。…いや、心に余裕がある時に読んでおくべきかもしれない。

    逆に、「勝ち犬(特に主婦)」の女性は、「東京タラレバ物語」を読む気持ちで読むと、手痛い目を見るはずなので気をつけた方がいいと思われる。

    「東京タラレバ物語」は、作者の東村さんが「ママはテンパリスト」という育児エッセイ漫画でブレイクしたのを見ての通り「勝ち犬」なので、基本的に「勝ち犬」目線で描かれており、「けど勝ち犬もいいことばかりじゃないよね」という意見を体現するキャラは、少なくとも3巻まででは登場していなかった。
    しかし、こちらの「負け犬の遠吠え」は、「負け犬」にも「勝ち犬」にも手厳しいので、結構「勝ち犬」にもダメージがあるのではないかと感じた。

    著者の基本姿勢としては「勝ち犬には『負けました~』と腹を見せるべき。腹を見せるだけじゃなくて、今の世の中、プラスαの可愛げがないと生き残れない」し「勝ち犬は偉い」というのが大原則なのだが、その姿勢と、「それを踏まえて、勝ち犬がどう見えているか」という話はまた別なのである。

    そのため、負け犬予備軍と負け犬の定義に当てはまる女性たちは後学のために読むのをお勧めするが、勝ち犬女性は読まないか、自分の子どもを負け犬にしない目的で読むのがいいのではないかと思う。
    勝ち犬女性の娯楽には恐らく向かないだろう。

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